Distrust Love

Distrust Love

2017年春
僕は三年前から希望していた小沢工業に入学した。
7組と6組以外は女子の人数が男子を大きく下回る男だらけの学校だが僕が選んだ科のクラスは6組つまり女子が男子よりも多いクラス、当然普通の男ならば誰もが女子と仲良くなってリア充になろう!そう思うはずだ
だがしかし僕には家族も知らないある病があった。
「この度は本校に入学おめでとう!!って制服採寸の時にも同じような事言ったよねアハハ。」
先生のつまらない話を聞きながら僕は思った
「こんなに女子いるくせに誰も可愛くねぇじゃねぇか行く高校ミスったまであるなこりゃ」
「じゃあ一人ずつ自己紹介を頼む。じゃあ君から」
先生の指さした人は僕だった...
「畑地山中出身河嶋劉区(かわしまりゅうく)です好きな歌手はガーデニングgirsです!宜しくお願いします」
クラス中と先生達が静まり返った
無理もない最初の挨拶でアイドルヲタ全開なのだから
この空気には慣れているものの気分は良くない
「またこんな空気から新学期かよ」
僕はそう呟いて学級開きを終えた
その後僕は体育館に立ち寄った
なぜならバスケ部に体験できるか聞くためだ
バスケの顧問を探すより体育館にいくほうが手っ取り早い
と一人歩いていると
「君新入生?バスケ部希望なん?」
とマネージャーらしき人が声をかけてきた
僕は即答で
「はい!畑地山中出身河嶋劉区です!体験を希望しています」
と答えるつもりだった
だが相手が女子だっただけに
「あ、その、はい」
こんな素っ気ない返事しかできなかった
そう、僕が家族にも知られていない病気とは
女性不信なのだ

「月曜から宜しくお願いします」
なんとか体験させてもらえたがやはり女子との会話はキツイ
なぜ僕は女子と話せなくなったのかと思い返す度中3の苦いどころの騒ぎじゃないくらいの初恋のせいである。という答えにたどり着く
そうつまりあの初恋までは僕は女子とかなり仲のいい一般的な男の子だった...
しかし、彼氏がいる女子に告白されそこから意識してしまい完全に付き合えると思った時にその女の子から「彼氏と別れるから付き合って」というLINEが来てその時僕の思いが届いた気がした

しかし、現実はそう甘くはなかった
結局その人は彼氏とよりを戻し数ヶ月後破局
その後ほかの人と付き合っていたのだ
それにも関わらず僕がコンサートを見に行くために他県に行ってるときに僕が私服なのを知ったのかわからないがLINEですごくストーカーと言われてもおかしくない文章を何回も送られてくる
それからというもの元々仲のいい女子との会話はどーにかなるが初対面の女子とは仲良くなることはおろか話すこと自体が厳しい状態になってしまった
だが仲のいい女子と会話といってもLINE実際に会って話すことはやはり怖かった

だが神様は僕を試しているのか一年生限定のバスケの大会の決勝を見に行った時に三年のときクラスでかなり仲のよかった女子に声をかけられた
「おー!久しぶりー」
「お、お久しぶり」
少し声が震えていた気がしたがその後の会話はあまり、覚えていない
ハッキリと言えることはただ一つ
仲よくても会って話すことはキツイ

だがしかしやはり男だ彼女は欲しい
だが話すことがキツイ
このような矛盾の闇へと僕は駆り立てられた。
「劉区おまえ彼女欲しいならあのお前がよくLINEしてるやつと付き合えよ」
「そうだよ!結婚まで応援するからさ」
と友人達は口を揃えて言う
あれからと、いうものの彼女とはLINEを繰り返していた
「だからあいつとは友達なんだよ」
と言い訳するのがやっと
「ちなみに名前なんていうんだよ」
「それ!めっちゃ気になる」
友人やし別にいいかと思い名前を教えた
「へー神原遥菜(はるな)っていうのか」
「そんなに驚くようなことでもないだろ」
「でも俺は応援してるぜ」
「勝手にしろ!っていうか練習そろそろ始まるぞ」
こういうふうに逃げる言葉を探すことしか出来なかった
無論僕は遥菜の事が好きだからだ
だけど前の経験上仲を壊しかねない
遥菜との仲が切れたら多分もう女子と同じ空間にいることすら辛くなるだろう
だから僕は「好き」という気持ちを心の中に収めることにした。
そう決心した

だがしかし12月のある日だった
LINEでいつものように会話をしていると遥菜が急に
「電話できない?」
っと来た
珍しい。実は遥菜と電話をするのは受験の合否を聞くためにかけてきた以来だった。
断ろうとも思ったが好きな人との通話はいいだろうとおもい
「了解!」
と送り電話した
すると早速遥菜からストレート過ぎる質問が飛んできた
「好きな人とかいないの?」
僕は即赤面してしまった。
「言えないどうしよう君が好きだなんて言えない」と心の中でそう言い聞かせた
が、しかし口から出てきたのは衝撃の一言だった
「好きな人かぁ...いるよ」
何を心で言い聞かせたらこんな回答になるんだよと思わんばかりの回答だった。
すると向こうも興味津々に
「え?誰?」
と聞いてきた
これは大ピンチ。逃げの言葉を探すが全く思いつかず仕方なく
「教えるわけにはいかねぇ...何故ならコソコソ恋愛ってなんか燃えるだろw」
正直全く意味不明である
しかもその台詞は僕の好きなアイドルの曲の歌詞の1部を使って誤魔化したつもりだが、全くごまかせていない
「遥菜はいるの?」
自然と気になって聞いてしまった
すると、
「うん!実は劉区の事が中1の頃から好きだった」
驚きの一言
そして僕がなにか言おうとした時に電話が切れた
相手が切ったわけでもない僕が切ったわけでもない
充電が切れたのだ
即座に充電器をぶっ刺しLINEを返した
すると向こうから
「今度の大会優勝したら付き合って」
っという内容のLINEだった

何故だろう…この前まであなたが、好きなんて言わずせめて仲良くさせてもらおうそう考えていたのに急に付き合いたくなった
恋というのは本当に不思議だ
恋心などまるで泡のように儚くすぐに消えてしまうものだと前の失恋から学んで以降恋に冷めていたというか恋をしようとしていなかったという方が正しいかもしれない
今度こそと思い
「わかった!だけど僕は女子と会って話すことはかなり厳しい状態なんだそれでもいいのかな」
とかなり思い切った返事
これでダメなら仕方がないと思い返信を待った
すると
「なにそれおもしろい爆笑やっぱかわってる」
なんかOKっぽい返事だったから死ぬほど喜んだ

そして数ヶ月後
大会の日
僕らは2回戦で負けてしまったが
遥菜のチームは決勝まで進んだ
その時のオフィシャルは僕らだった
かなり接戦だったが遥菜達は勝利し優勝した

約束通り付き合うことになったその厳しさは計り知れないものだった

遠距離恋愛でありつつ遥菜達のチームはほぼ練習休みの日はない。


なのでデートもほぼ行けない
初デートしたのも付き合って半年後だった
映画に行ったがたまたまその時は僕らの学校のテスト前日
映画館の前のテーブルでは高校生がよく勉強している
テストは明日かなんて思っているとまさかの出来事が
「劉区ーおーい」
まさかのクラスの女子に声をかけられてしまった
僕は何故か遥菜の手を取り走って映画館へ急いだ
その後遥菜が
「あの人誰?劉区のこと呼んでたみたいだけど」
と聞かれ事情を話した
「だから、急に手を取ったのかなんだよキュンと来たじゃないか」
とかるく怒られたのか褒められたのかわからない返事が来た
そして初デートが終わりまたいつもの日常へと戻って行った。
テストも終わり次のデートはいつになるのだろうと思いながらただ時間だけが過ぎて行った。
二回目のデートの日は卒業を控えた頃だった。
「大学入学おめでと」
「そっちこそ県外の就職おめでと!」
互いを讃えあった
「これから私達どうなるかな。私は別れたくない」
「そんなの僕も同じだよ」
という会話が増えていく一方だった

卒業の日

僕は卒業式のあと遥菜に会った
そこで僕は
「あんなぁ色々考えたけど...遥菜が大学出たら結婚しよう」
思い切ったプロポーズだった
今まで遥菜からしかこういう言葉は出なったからこそ言ったあとの僕の顔は凄い緊張していた
それを感じ取ったのか
「そんなに緊張しなくていいよ!実は私も同じこと考えてた」
やはり運命の人というのは本当に存在しているらしい
ここまで考えが合致していることはまず無い
そして2人は別々の道へ

仕事の合間などで電話をしてお互いの愛を確認しあった
そして、大学卒業の日
「迎えに来たよ」
僕は大学まで彼女いや、妻を迎えに来た
役所からの婚姻届を持って...
そし婚姻届を車の中で書いた時
ピーピー


そして僕らは結婚した


「臨時ニュースです。先ほど○○大学の前で留めている車にスポーツカーがぶつかる事故が発生うちスポーツカーの運転手は無事ですが留めていた車に乗っていた河嶋劉区さん(22)と神原遥菜さん(22)の死亡が確認されており運転席からは書き終わっている婚姻届が発見されました」

Distrust Love

Distrust Love

女性不信の主人公劉区は片思いしている遥菜との関係を進展させるのではなく留めておくという決断しかし彼女から1通のLINEが...

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-09-25

Copyrighted
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