平成ふたなり太平記~天地万象を灼け熱く猛き性欲

俺の名は力原黒士。ブラックなことで有名な飲食業界トップクラスの大企業の部長、三十五歳。
俺は今、北アルプスの奥深くを一人で歩いている。この山にある隠された洞窟に、超古代文明が残した恐るべき秘宝があり、それを手にすれば何もかも思い通りに出来る強大な力がもたらされるという。
俺は必ずそれを手に入れる。その力で………本部長になるんだッ!!!
しかし洞窟はどこにあるのだろう?
周囲を見渡した時、一天にわかにかき曇り、
「フハハハハハハハハ………ッ!!!!!!」
と高笑いが雷鳴のように轟いた。
「お、お前はッ!?」
崖の上に髭を蓄えた筋肉質のオヤジがいた。
「遅かったな力原部長ォォォ!」
「性原部長ッッッ!!!!」
性原姦司。俺と同じ会社で同じく部長であり、次期本部長レースのライバルだ!!
「何故お前がここに………?!!そうか、罠だったのかッ!!!!」
「その通りだ!!!超古代の秘宝は既に我が物!!お前を。ここにおびき寄せたのは、誰も見ていない所で抹殺するためよ。本部長になるのは俺だッ!!!!!フハハハハハハハ!!!!!」
恐るべし性原!顔が横山光輝版三国志の呂布に似てると言われるだけあって、卑怯極まりなくモラルゼロで仕事が出来る。どこまでもうちの会社向きな奴!!さすが我が最大の宿敵ッ!!!
え?俺の顔?そうだな、よく小渕恵三に似てると言われるぜ。
性原が獅子のような唸りを張り上げた。
「秘宝よッ、秘めたる力を我に!!!」
すると、眩しい光が辺りを満たし、それが消えた時には性原の全身が闇のように黒く禍々しい装甲に覆われていた。
「なッッッ……!!性原、その姿は?!!?」
「性原ではない。我が名は暗黒破滅金欲騎士・エターナルカネゴン!!!!!!!!この姿になったからにはこの地上に俺を止められる者はいない。死ねッッッッ、力原ァァァァァァッッッ!!!!!!!!!!暗黒破滅金欲剣・〈ブラッディ・ゴールデン・ドリーム(売り上げは従業員の血で購う)〉!!!!!!!!!!!」
性原が腰から抜いた漆黒の長刀を振り下ろすと毒々しい闇の奔流が発生しこちらに向かってくる。
その時!!
天から神々しい光が降り注ぎ、パンチパーマで福耳の男が舞い降りた。
「わたしは大日如来!!!全宇宙を崩壊せしめる破壊の化身・エターナルカネゴンよ、汝の存在は許せぬ!!!滅せよ!!!!!」
大日如来は闇の奔流を真正面から受け止め、そのままエターナルカネゴンへ突撃するッ!!!
しかし途中で力尽きて俺の前まではね飛ばされた。
「わたしはもうだめだ…………人間の勇者よッッ、後は頼む………!!」
大日如来は消えた。
「フハハハハハハハハ!!!!神仏でも俺には勝てぬ!!!!!覚悟しろ力原ァァァ!!!!!」
性原が再び刀を振りかぶった。その時、大日如来の声が聞こえた。
「やはりダメだ、人間よ、わたしの最後の力を振り絞ってお前が三回だけワープ能力を使えるようにした。早く逃げるのだ!!」
「マジすかッッ?!!!やべえありがてえす!!!!」
大日さんのお言葉に甘えて逃げようとしたら性原が魂を凍らせるような嘲り笑いを放つ!!!
「無駄だッ!!エターナルカネゴンには完璧な追尾能力を持つミサイルが備わっているッ!!それに内蔵されたレーダーの探査範囲、そして飛距離は…………無限遠ッッッッッ!!!!!もうキサマはロックされているッ!!!地球の裏側に逃げても寿命が数分伸びるだけだッ!!!フハハハハハハハハ!!!!!!!」
「くッッッ………それならばッ!!ワープ能力で俺の脇の下の皮膚をお前の鼻の中に転移させるッ!!!」
「ギャアアアアアアアアアア!!!!!!!!!ワキガの臭いがッッッッッ鼻をふさいでも逃れられないーーーッッッッ!!!!!!もとに戻せッッッ、戻さねーと殺すぞッッ!!!!」
「デカい口聞くんじゃねーッッ、内股の皮膚も転移させるぞ!!!!!!」
「もう………終わりだ……」
見かけによらず清潔好きな性原は乱心して変身を解除し、すっぽんぽんになると崖から飛び下りて死んだ。俺は勝った。
だが、装甲が解き放たれた際に宙に飛んだ刀が丁度俺の頭上に落ちてきて、脳天から股間まで貫かれた。

気づいたら死後の世界にいた。
俺を含む死者の霊が大勢並んでいる。行列の先に何があるのか見てみたら、しわくちゃの醜怪なババアがいて、人々の衣服を無理矢理脱がせている。
「あれはッ……奪衣婆(だつえば)ッ!??!」
あの世の入口で亡者の着衣を剥ぎ取る妖婆・奪衣婆がいた!!俺はかつて水木しげるに傾倒していたから妖怪などには詳しいのだ。少年時代、鳥乙女でエロ妄想したこともあったな………。
俺が脱がされる番になった。近くで見ると奪衣婆は怖いぐらい醜く異様に臭かった。こいつは腐ってる。腐女子とかじゃなくてフィジカルが腐敗してる。
俺の服を引き裂いて胸毛を見た奪衣婆は
「ウホッ!」
と言ってニヤけた。興奮してんよ!!!女に俺の肉体見せて喜ばれたのははじめてだが嬉しい要素がどこにも無い!!
さらにパンツまでちぎり取って俺を全裸にした奪衣婆は、何か言おうと口開いた途端滝のようにヨダレを流して手で拭っていた。
それから重々しく言う。
「お主の来世は幾つかの選択肢の中から選ばせてやろう………一つ目は、畜生道じゃ。」
畜生道。動物に生まれ変わるということか。次の生も人間に生まれたいところだが、まあ地獄行きよりはましか……。
「これを選んだ場合、犬耳と犬尻尾が生えてわしの家に住み、わし専用のバター犬となるのじゃ。」
「選ぶ奴居るかクソ以下の妖怪ババア!!!!」
下手な地獄よりよっぽどひでーじゃねーかよッッ!!!
「では修羅道はどうじゃ?わしのボディーガードになって敵と戦い続け、夜は夜伽ぎの相手をするのじゃ。」
「いらねーに決まってんだろクソすぎだこのクソがッッ!!!」
「後は餓鬼道かのう。これは結構楽じゃぞ。食糧は一切与えられんが、喉が乾いたらわしの体液飲み放題じゃ。」
「どこも楽じゃねーよ!」
「ああ、今なら期間限定特典で、一日一回わしのウンコ食えるぞよ。」
「絶対いらん!!!!!」
「他の選択肢は……わしの家の執事くらいしかないのう。仕事は二十四時間性的奉仕。すでにお主に瓜二つの可愛い男が働いておるが、使いすぎて壊れそうでのう、新しいのがほしいのじゃ。」
その男って……まさかッ……?!
「あやつ、弱そうな顔じゃが生前は国家元首にまでなったそうじゃ。今はわしの性奴隷じゃがな!!!ブホホホホホホォォォ!!!!!」
小渕さんッッッ……………何というッ………悲劇の宰相…………!!!!
こみあげる涙がそうさせたのか、俺はブラック企業で戦い続けてきた中でも一度もなかったくらいの怒鳴り声を上げた。
「どれもこれも選びたくねえよッッ!!!!!!だいたい何で奪衣婆が転生先を決めてんだッ!!
閻魔大王の仕事だろそれはよォ!!!!お前に権限ねーだろーがッッ!!!!!!」
「チッ、余計なこと知っとる亡者じゃな。」
奪衣婆は悔しそうな顔で俺を閻魔大王の所に連れていった。
閻魔大王は俺を見るなり裁定を下した。
「朕の専属秘書になって股間のマネージメントをせよ。」
こいつゲイかよッ!!ゲイに気に入られたのも初めてだ。何で死んでからモテ期きてんだ!!!しかも何のメリットも無くリスクしかねーよ!!!
俺の運命はほぼ変わんないようだった。
勿論受け入れず抵抗する!!
「職権濫用してんじゃねーよ公平無私に裁けよ!!!てめえの仕事にプライドってもんを持ちやがれ!!!!」
うちの会社の社員にこんなこと言う資格が無いのはわかってて適当言っただけなのだが、閻魔大王の心の琴線に触れたみたいでちゃんと裁判やることになった。
亡者の生前の行いが見られる浄玻璃の鏡に映像が映った。
そこには、お気に入りのバイトの女の子にコクられたバイト男子の時給を三十円下げる処理をパソコンに入力している俺の姿が。
「これはひどい………」
閻魔大王とその助手の鬼達が口々に言っている。
マズイ。俺の人生がまともに評価されたら相当ヤバい所に行かされるに決まってる。
と思っていたら、どこからか馬に乗った全身黄金に光る仏像みたいな男が現れて、
「申し上げェェェェるッ!!!そこな力原黒士なる者、生前の功徳はなはだ高きにつき、無礼な扱いまかりならァァァァん!!!」
と大音声一喝、閻魔大王達は一瞬で土下座した。
何だこれ。風向き変わりすぎて状況わからん。本部長にボロクソ説教されて平社員まで降格だとか言われてるところに常務とかが来て本部長の方に猛烈に怒ってるみたいな感じだ。安心していいのかさっぱりわかんねーよッ!!
「い、一体その人間にどんな功徳があるのでしょうか?」
やっぱり閻魔大王もわけわからないらしく、すごい恐縮した態度で聞いた。馬上の金の人、閻魔大王がビビるくらいの立場か。怖!
にしても……功徳?
そんないいこと、人生の中でやってないけど。まあちょっとした善行はちょいちょいやったと思うが、散々やってきたパワハラやら職権濫用やら不正やらを帳消しに出来るほどのことはしてねえ。どういうことだ?
「力原黒士は三千世界の大危機、エターナルカネゴンを滅ぼしたる聖者である。」
「何とォォォッ!!!!!それはッッ!!今すぐ輪廻を解脱してもいいくらいの天文学的功徳ッッッッ!!!!!!」
閻魔大王達がとてつもなく驚いてテンパっていた。失神してたり涙目になってる鬼もいる。
性原を倒したのそんなに手柄なのか?ワキガをワープさせただけなんだが。
金の人がやたら危険な空気を発して閻魔大王に問い正す。
「よもや力原殿を罪人扱いなどしておるまいな?そのような不始末があったら重大な責任問題である。」
閻魔大王は汗だくでペコペコしまくる。
「そそそそにょようなこと決してッッッ………!」
「力原殿の着物が剥ぎ取られておるが、その方の指示か?」
「いいいいいいえぇッッ、奪衣婆が勝手にやりましたッッッ!!!!」
すると奪衣婆も畑の隅に捨てられて腐ったネギのような汗の臭いを濃厚に発しながら主張した。
「わしは閻魔大王の命令通りに仕事してただけですじゃあァァァ!!!!」
「いえいえいえいえいえ!!!!違います違いますゥッッ!!!!!」
半泣きになる閻魔大王に金の人は。
「貴殿の言はこのところ軽いのう…………。
先だって、貴殿が男をホテルの部屋に連れ込んだという疑惑が持ち上がった際、そのような事実は無いと言うたのう。しかしこのような写真が届けられたッッ!!!」
浄玻璃の鏡に、男と共に部屋に入ろうとしている閻魔大王の姿が映し出された。
閻魔大王は声も出せず極限の緊張状態のせいか鼻水噴き出してる。
「言い逃れ出来ぬぞッ…!!!奪衣婆邸の執事とホテルで朝まで何をしていたッッッ?」
え………!写真の男……………小渕さんかッッッ………!
何故こんな目にばかりッッッ………あの人も生前はモテたこと無いだろうに………ッッ!!
「いや違うんですッッ、仕事の相談に乗ってもらってただけで………」
「これを見よ。」
浄玻璃の鏡に一人の鬼が映った。
「これは淫行確定でしょ!何言っても世間はだまされないから!」
次に、年配の鬼が映った。
「がっかりしましたねぇ……信じたいと思ってたんですけどねぇ。裏切られましたね。」
そして女の鬼も。
「人間裁く時には小さなことであり得ない重い刑にするくせに自分は不倫!?なめてますよね!!」
さらに、スーツ姿で真面目ぶった顔の鬼数名が語らう光景が出てきた。
「はい、そういうわけで閻魔さんを避難する声が圧倒的となっているんですが………どうでしょう、あの世の中がこれだけ怒っているのは、淫行スキャンダルのせいだけじゃないんじゃないかと思うんですが……」
「そうですね、こういう話が表に出てくるということ事態、彼の求心力の低下を物語ってると思いますね。もう閻魔さんは飽きられてるんですよね。」
そこで映像が消えた。
金の人が閻魔大王に近づいて、ボソリと。
「閻魔くん、もう後が無いよ。」
閻魔大王が物凄いうなだれた!九十度のお辞儀より頭下がってる!!
金の人はこっちに振り向くと性格変わったみたいにニコニコして寄ってきた。
「力原殿、ご安心なされよ。もう不当な扱いを受けることはありませぬぞ。転生先は人道となり申すが、人格品位が有史以来最高級の理想の具現化的人物に生まれ変わり申す。ちょっと修行を積むだけでそのまた来世の解脱は確定という神域の大聖人に御座る。」
えー?!釈迦とかキリストみたいな人になるのッ?別にうれしくねーなー。まあ地獄行きよりはマシかァ…。
「只今より転生の光降り注げり。己が理想の徳を心中に念ぜよ。」
こっちが何言われたか理解する前にいきなり眩い光に包まれた。その光は何でだかとても神聖で清浄な気がした。カビなんかに当てたら一瞬で消し去りそうだ。あああッッ……!!!ムダ毛が次々に消えてゆくッ!!!!
そこから先は何も見えなくなった。
しばらくすると視力は回復したが、その時には光は消えていた。どうも周りが妙な空気になっている。なんだかキマズイ感じのような………。
他にも違和感を感じると思ったら、全裸だったはずなのにいつの間にか着衣になってる。それも人生で一度も着たことの無いようなやけにカラフルな服だ。
どんな格好になったのか気になったから、映像映してなくて普通の鏡状態の浄玻璃の鏡の前に立ってみた。
俺は………………美幼女になっていたッッッッッ…………!!!!!!!!!!!!!!
あどけなく可愛らしくも、こんな綺麗な女の子見たことないくらいに美しいッッ………。顔が究極に綺麗なのに髪がピンクに近い赤というサービス過剰ッッ!!!!こんな幼女が現実にいるとはッッッッ………嗚呼ッッッ………!!思わず『アニメじゃない』のサビを口ずさんでしまったッ………!
その声がまたッッッ………!!!!あどけなさのみならずエロさも濃厚だッッッ………くぅゥゥッッ…………!!!!脳の血管が千切れ飛びそうだッッッッ………!!!!決して誇張表現ではないッッッ………!!!!!
そして…………気づいてしまった………!!見たとこ小学校低学年なのに、胸があるーッッッ!!!!!ふくらみかけなんてものじゃねーーーーッッッ!!!!パイズリできる大きさだァァァァァァーーーッッッッッ!!!!!!
そして服装ッッッッ………………お嬢様っぽい服を着てるが……………………がッ……………スカート履いてないッッッッ…………!!!!フリルの可愛いパンツ丸見えだァァァァァァァァァァッ………!!!!!
下だけ脱いでる………俺の大好物ではないかッッッッ………………!!!!
しかも何だあのロングヘアァァッ………ヒップを越えているではないかッッッッ…………またしても『アニメじゃない』を歌ってしまうゥッッ…!!!!!
………ムッ……???パンツが………みるみる………せり上がってゆくッ………?????
このッッ………感覚はッッッ…………
俺は下腹部辺りをまさぐってみた………ッッッ…………………………………………………………………………
詳細は省く。結論はッッッ……………俺はふたなりになっていたーーーーーーーッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!
おお…………なんということか…………ッッッ…………女子化ッッ………しかもッッふたなりィィィッッッ!!!!!
俺はとりあえず金の人達に挨拶だけしてどこか一人になれるところに行くことにした………早くしないとしごきたくて我慢できねえんだッッッッッ!!!!!!
だがッ!
金の人が………
「折角理想の現人神というべき存在となって衆生に救済をもたらし功徳のオーバーリミッツ人生となるチャンスを与えられたというにッ……!!!よもや下劣な邪欲に魂を委ねる道を選ぼうとは…………」
とか言って無表情でとんでもない圧をかけてきたのにビビって一気に萎えた。
「罪は重いぞ。来世は地獄以外無いからせいぜい今生で功徳を積むのじゃな!!それ次第では地獄の中でも多少楽なところに送られよう。貴様、その身でどのような功徳を積もうと考えておるか。せめてそれに添うた境遇に生まれさせよう。聞こう、いかな志を持っておるッ?」
心からビビってた俺は素直にポロリと本音を言った。
「美少女しかいない女子校に通って百合エロ生活がしたいですッッ!!!!幼女を妊娠させて腹ボテファックとかも是非したいすッッッ!!!!」
言い終わってから「ヤベエッ!!」と思って金の人の顔を見たら、虎が獲物にかぶりつく時のように顔筋がキューッとひきつって笑顔になっていた
……。
「ハハ………よう言うたのう………それがしも舐められたものよ。かほどの恥辱、このまますごすご帰ろうものなら割腹ものじゃのう…………。」
笑顔のまま凄い怖いこと言ってるーッッッ!!!どうすればいいんだッ?!!もう謝っても遅いだろ!!
あッッッ!!!!今の俺のこの姿ッ!!!この可愛さなら味方になってくれる人はたくさんいるはずッッッ!!!
上目遣い&スウィートボイスで助けを求めようとしたら、視界に突き刺さる程冷たい顔の閻魔大王
が入った。
「地獄に送ってよくないすか?こいつ見込みないっすよ。」
心底不快そうに言って痰を吐き捨てる閻魔大王。駄目だ、コイツの今の俺への好感度は大マイナスだ………。
他の奴………奪衣婆も絶対無理だし………下っぱの鬼達に期待するしかないかッ!あの世の権力者も一般の鬼の感情を無視できないみたいだしな!
がッッ………鬼達も俺に同情的じゃねえ………。
「何であそこでエロいこと考えられるわけ?本気で気持ち悪いー!」
「こんな下らない魂はじめて見ましたね。即刻消しちゃっていいんじゃないですか?輪廻させる必要ないですよ、いくらチャンス与えてもダメにしかならないんだから。」
意外と真面目な奴ばっかだッッ………。
こりゃもう誰も助けてくんねーなー…………。
金の人はまだ笑顔の仮面のままだ。
「まあ、お主には大きな功績があるしの、それがしもいちいち怒鳴って疲れとうないからの、説教は省くが。転生後の境遇は、希望通りにはいかぬ。孤児院で育ってもらおう。お嬢様学校なぞには決して通えぬし、苦難多かろうが、魂を磨くにはよかろう。」
孤児院………それはそれでロマンチシズムがある………。
金の人も思ったより優しいし、ここは素直にお礼でも言っといたほうがいいかな?
「わかりました。与えられた環境で頑張りたいと思いますッッ!!!」
「うむ。では行け。」
いきなりまた光に包まれ、一秒後に光が消えるともう、金の人や閻魔大王などはいなくなっていて、俺は一人でどこかの待合室的な部屋にいた。
現世に戻って来れたようだけどあっさりしてんなあ。もっと挨拶とかあるかと思ったけど。よっぽど金の人的に俺のことどうでもよかったんだな。
てか赤ん坊からスタートじゃないのかッ!!転生したのに前世の記憶消えてねーし!!
なんだこれ、手抜きかッ?!!色々疑問を感じていると、部屋のドアが開けられた。
「君が新しい子かい?わたしはこの孤児院の院長だよ、よろしくね。」
優しそうなおっさんの声に振り向くと、すぐ目の前でズボンのチャックらへんが物凄く盛り上がっているのが見えた。
テントと言うには鋭角過ぎるッ!!!いつチャック千切れとんでもおかしくねえッッ!!!
おっさんの顔を見上げると、タバスコよりも赤いッッ!!目は……眼球から出血しそうなぐらい充血して無数の血管が浮かび上がりッ………闘牛十頭分くらいの鼻息とともにッ!!鼻血がとめどなく流れ続け………!!!それでは足りないのか耳血まで噴出しているッッッッ!!!!
涎や汗は言うまでもない………………。
「はァはァはァはァはァはァはァはァはァはァはァはァはァはァはァはァはァはァ、君、すごいエロい格好してるねえッ…………」
そうだッッッ!!パンツ丸出しだったッッッ!!!!
「ああああ、隠さないでいいよお、おじさんはそういうの可愛いと思うよお?そのパンツ似合ってるし……どれどれよく見せてごらん……」
恐ろしく気持ち悪い発言をして興奮しすぎたのか、院長は「ぶほっ」と口から明らかに唾液とは別物の液体を吐いた。それは唾液より粘性があり、汚白色をしている。
まさか口から射精したんじゃあるまいなッ!?いや、そんなことは無いと思うが……あの液体には決して触れてはいけないことが本能的にわかる………。
その時どこからか金の人の声が聞こえてきた。
「その者、前世の罪業により畜生道に落ちるところであったのが、功徳もまた並々ならぬものであった為、それに報いるべく人道に転生させられたが姿は畜生並みにされておる。オプションとして大好きな幼女のそばにいられるよう子供と関われる仕事につけた。」
ロリコンの淫獣かよッッ!!!!
いや、俺もあまり人のことは言えないかもしれないが…………いやしかし幼女に欲情するのは人として当たり前で健全な欲求だがコイツは病気過ぎるだろうッッ!!!
だいたいこんなの人間界に誕生させていいのかッッ!!!悲劇的な目に遇わされる幼女がいたらどうすんだッッッ!!!!
と、また金の人の声。
「そのようなことは無い。罪科の償いの一環として生涯大好きな幼女に指一本触れられぬようになっておる。」
え、なんだよッ!じゃあ完璧に安全じゃん。こんな直視しがたい奴を危険な敵と思って目をそらさないで損したじゃねーかよ!!!
「この髪、染めてないよねえ、すごく綺麗な色だねえ……」
さわられることは無いとはいえ、体液をぶっかけられる等の危険性はあるから完全に安心することは出来ないが、とりあえず焦って逃げることは……………
べチャリッッ…………………
院長の手が俺の髪にべっとりさわった。たっぷりの脂汗がおでこに垂れてきた。
「お主は中身が男であるから院長もさわれる。ではな、しっかり功徳を積むがよい。」
それっきり金の人の声は聞こえなくなった。
やっぱあの人えげつないヤベエッ!!パワハラどころじゃねえよッッッ!!!!
「ねえねえ、こんなエロい格好してるってことはエッチに興味あるんでしょお?早く経験したいんじゃないの?」
院長はこらえきれないのかズボンの上からhis sonを握ってる!!!
いきなりの大試練ッッ!!!これって女的には人生最大級の危機じゃないかッ?!生まれ変わって十分も経ってねーのにッッ!!!
逃げられるか?戦って勝てるはずがない、体格差がありすぎるのみならず、今のこの男は性欲バーサーカーだ!!力は無限大だろうッッ………
さりとて逃げるにしても絶対的に不利ッッ!!!
年配だから少し走ったら息切れして足が止まるのが普通だが、コイツは疲れを知るまい………たとい何かの持病で激しい運動を医者に止められていたとしても、それが命に関わると警告されていたとしても、今のコイツは平気で全力疾走するッッ…………どこまでも走り続けるッッ………
欲望の為なら死など恐れない……………ただ幼女を犯すだけの機械。
疲れを知らないということはいざその時になったら休憩もなく延々長時間レイプされるということか…………
嫌なことを考えちまったッ!!ふざけんなこんなのに処女を奪われてたまるかッッッ!!!!!
しかし壁際にじりじりと追い詰められるッ………
「怖がらなくていいんだよお……おじさん優しいからねぇ………大人の遊び、いーっぱい教えてあげるよぉぉ……気持ちいいよお……」
気持ちいいわけあるかッッ!!!五秒で破壊し尽くされちまうわッッッ!!!
どうすればいいッッ………??何かッッ……ないのかッ………逆転の発想ッッッ……!!!!
そうだッッッ…敵の性欲をッッッ!!!!逆手に取るッッ!!!!
「あたし……男の人を苛める方が好きなの。おじさん、奴隷になってくれたらエッチしてあげてもいいわ。」
「なぁぁッッ!?!ドS美幼女だとォォォォウウウッッ?!!!!何というッッッ…あああッッ…」
必殺の策ッッ!!!SMプレイに持ち込めばこちらが主導権を握れるッッ!!逃げるチャンスは必ずつくれるッッッ…!!!!
「でもおじさんもSだから君みたいな子を服従させるのはますます興奮しちゃうよおォォォォッッッ!!!!!」
まさか狂暴性が増強されるだけとはッッ……!!!!俺と…したことがァァッッッッ…!!!!
これは………………悲劇的展開が現実味を帯びてきたか…………???
…………何故だ……?!?!俺のも勃起しているッ………しかも激痛が走るくらいのフルボッキッッッッ!!!?!
痛気持ちよすぎる……気づけば乳首もフルボッキだ………
内股がヌルヌルしている……確認は出来ないが……………愛液だろうッッ………
俺は犯されたいのかッッッッッ???!!
いや違うッッッ!!!!!!!自分の気持ちを確かめたが心から恐ろしくおぞましく感じているッッッ…………
が……………そのことによってこの体は歓喜を覚えているのだッッッ…………!!!
この肉体は真性のドMなのだッッッ……!!!!!!
素晴らしいッッッッ…!!!!!!!
ふたなり美幼女でドMッッ……言語に出来ない………人類史上最高の奇跡的芸術ッッ…………!!!!
だが今は心底困るッッッ…!!!取り敢えずふたなりだとバレないよう、勃ったモノを壁側に向ける。必然、院長に尻を向け、前屈み気味の姿勢で首だけひねって相手を見ることになった。
「なになにその蠱惑的過ぎるポーズウウゥゥッッッ!!!!!」
院長は顔筋が引きちぎれんじゃないかってくらい喜悦に狂うッッ!!まあわかる。確かに院長の目線で見たら魅力的で興奮させるポーズだろう。
しかし鼻血噴出しすぎだッッッ!!!!消火器かよッッッ!!!!
むせかえるような血の臭い……血煙が真紅の霧のように立ち込めるッ……………
盛大な鼻血が止まるとさすがの狂獣もほんの少しだが足元がふらついていた。
「おじさんは………おじさんは………自分が情けないよッッッ!!!!!!!そのポーズの素晴らしさを表現するにはッッッッッ!!この程度の鼻血じゃ足りないッッッッッ!!!!!!!!!」
何を言ってるんだ…………
院長は、全身に力を込める……………………そしてまたスプリンクラーのように鼻血が放出されたッッッ…!!!!!!
その勢いッ………前回の三倍以上ッッッ…!!!!
常人ならとっくに致死量をオーバーしてるのは間違いない…!!!!!
「まだだ………まだ…………足りない…………」
この男………どこまで無敵なのだッッッ?!!!!性欲はッッ、男をどこまで変えるというのか………………。
が、その状態が続くとさしもの院長も血が足りなくなったらしく、前向きにドウッと倒れた。失神していた。
当たり前か……。しかし本当に戦闘不能になったのか?!不安だからよくチェックしてみると、ただうつ伏せに倒れてるのではなく尻だけ浮いている。
顔色が真っ白になるほど血が抜けてるのにチムコはフルボッキしたままで、それが床に真っ直ぐ突き立って腰を押し上げていたのだッッッッッ!!!!!確かに失神しているというのに………どれだけ性欲本位の生命体なんだ…………
こんな奴が運営する施設で暮らさなくてはならないのか。
出来ればここで命を奪っときたいところだがさすがに殺人はな………まあ今は危機を逃れただけでよしとしとこう。
今後の対策を考えるのも正直めんどくさい。何故なら………もうッ……女子化、というかふたなり化して以来の股間の充血が限界突破しそうなのだ………ッ…!!!!
もうッッ…いつッ…(この体での)はじめての精を噴射してもおかしくない一秒後でも何の不思議もない!!!!!そんな状態ッッッッ!!!!!駄目だ駄目だ駄目だ駄目だちゃんとしごいて射したい乳首をじっくり観察して両乳揉み放題に揉んで肌をペロペロして満足の中で精通してえッッ……じゃねえと納得いかねえんだよッッッ…………くああァァッッ……ぐゥッッ…………泣いても肉棒内部の危機的状況は何ら改善されないッッッ………………。
かくれられる場所ッッ………もうトイレの個室でいいッッッッ…………女子トイレなら…………あああ!!!!!!
よりによって今二番目に必要なものであるスカートが窓の外に干してあるッッッ………!!
何で気づいちまったんだッッッ…………確かにとても重要だッッッ………しかし一番の重要事項とは重要度に大きな開きがあるッ!!!!!日本とユーゴスラビアのGDPぐらい開きがあるんだッ……!!!
だが見つけてしまったからには仕方ねえッ………スカートを確保だ………その方が人目を恐れず移動できるしなッ……………。
部屋を出てすぐ、廊下沿いにベランダへの出窓があった。雑多な子供服が干されている。人はいない。適当にスカートを一つ取り、履く。
大きな問題が解決したが何も喜んでられない!!!この短距離の移動だけでも相当危なかった………パンツがこすれるのが子宮に直接響くかのようなとてつもない刺激だッッッッッ…!!!!
もはや股のヌルヌルは止まらないし!!!!多分俺の通った後には粘液が垂れまくってんじゃないかと思うが振り向いて確認する余裕も無いッッ!!!!!
でもパンツどころかスカートまで早くもぐっしょりなのはわかるッ……………早くッッ……トイレへッ…………!!
おおおおおおッ……!!!!!!廊下に戻ればすぐ近くにトイレがあるッッッッッッッ!!!!!
俺は必死に足を動かしてベランダから廊下に入ろうとしたッ……。
「ねえ、君、助けてくれッ!!!」
背後から男の声がした!!
突然人の声がしたからびっくりして反射的に振り向いてしまったッ………。
フェンスの向こうに一人の若い男がいた。ここは一階であり、ベランダのすぐ奥がフェンスで道路と仕切られている。ベランダの幅は狭く、俺と男の距離はかなり近い。
瞬時にふたなりであることを隠さなくてはと判断し、スカートで股間を押さえつけた。
ッッッッッッッッ!!!!!!!!!!………電撃的性感刺激ッッッッッッ!!!!!!…………。
三秒間ほどこのまま何も考えずに射しちゃっていいんじゃないかという極上に甘い感情との葛藤があった……………ッ……………。
俺の苦悩に気付かないのか男は一人でしゃべりまくる。
「いきなり声かけられてびっくりしたかな………でも俺、本当に困ってて………誰にも頼れないんだ。情けないけどさ、もう歩くことも出来なくて……ぐぅ………!!」
よく見たら男は腹を押さえてるがそこから血が流れ出してるじゃん!!!!!俺ほどじゃないけど半死半生だコイツッ…!!!
でも俺には関係ない。なのに勝手に男は事情をしゃべりまくるッッ………!!!!
「ハハ………バカなケンカやっちまってよ……もう俺は助からねえだろな………俺みたいのにはお似合いの最期だぜ………ただ………一度だけ、会っとかなくちゃいけない奴がいるんだ……生き別れの弟なんだけどよ………俺がこれまで必死に貯めてきた金を渡したいんだ…………弟は生まれつき足に障害があって歩けないんだけど、この金さえあれば治せるんだ………だから頼む、歩くのを手伝ってくれるだけでいいんだ……!!」
なんなんだこれは………すげー無視しづれえ!!!
「話はわかったんですけど、あの、せめて10分、いや30分ほど待っていただければ………」
「いや駄目だッ!!もう……俺には時間が残されてない………頼む……!!」
「でも、わたしも体の調子がまともじゃなくてッ……歩くのも辛いぐらいで、とても遠くに移動してる余裕なんて無いです真面目に…!!!」
「いや、弟の住んでるのはあの家だ……」
男が示したのはこの孤児院の隣の家だった。近すぎるッッ!!!!今の俺にはそれでも相当危険な距離だが………断れねえッ!!!
その時、男の背後の空に金の人の姿が浮かんだ。何故か斜め後ろを向いている。
「これはどうしたことかのう……転生したばかりというに、かほどに悩み苦しむ者と巡り会うとは……これも魂の持つ宿命というものか。聖なる者はいかように生きようと功徳を積んでしまうのやもしれぬな………フ……」
これはあんたの差し金かよ!!!!温情かけてるつもりかッ!!??
「フ……知らぬな……」
映像の中で金の人はふすまを開けて部屋から出ていってしまった。
あの野郎………人間じゃねーから快楽地獄の辛さがわかんねーんだッッッ!!!!
男はほんと今にも死にそうにゼエハアしながら、
「なあ……頼むよ……この通りだ……!!」
と頭を下げてくる。
もう仕方がない!!!畜生!!!
「わかりましたよッッッ!!!さあさっさと行きましょうッ!!早く!!!」
ベランダの端に門扉があって道路に出られるようになっていた。そうじゃなければ建物内に戻り次第バックレられたのに!!!しかもそこにはサンダルまであるッ!!!履く物を取ってくるふりしてバックレることも出来ないッ!!!
倒れそうになっている男を肩に掴まらせて歩くが、この体に大人を支える力なんてあるわけがないし、ほとんど助けになってないんじゃないか?!!俺も男と同じくらいよろめいてるし…!!!!
もう股間の危機はメルトダウンしないのが不思議なほどに最終段階を越している。見知らぬ男に体を触られていることにこのスーパー病気レベルビッチロリボディーは狂喜しまくってあらゆる性感帯がズキンズキンで気持ちよすぎて甘い吐息が途切れないッッ………
顔のすぐ近くに男の股間があるしッッ!!!!!!!!!
「ありがとう……おかげで最後に……弟に……一目……」
「あの、あたし多分あんま役に立ってないんで帰っていいすかッッ?!!」
「気にしないでくれよ……君が小さな体で必死に支えてくれることが……俺に最後の力を振り絞らせてくれてるんだ……!!」
「ふぐふぁッ……息をかけるな色んな汁の分泌量が倍加するッ……意外と口臭キツイのもドM的にポイント高いし………あんた、力振り絞れるんならタラタラしてねーで走れよッッ!!!」
「そうか……君の言う通りだ……ありがとう、勇気が……湧いてきたよ……!!」
「いや無駄口きいてねーで足動かせ!!!早くしろよ!!!」
これで男が一人で駆けていってくれるのがベストだったが肩を離してくれないから俺も走ることになった。
キツイ………!!!!足が地面に当たる衝撃が快楽に変換されるッッッッ!!!!!一歩ごとに即死判定ッッ………!!!!
「や、やっぱり走るのやめましょうッッ!!!」
「気を……つかわなくていいんだ……グフッ……俺は……まだ……走れるッ……」
「お前の問題じゃねーんだよォォ!!!!!」
目的地が隣でよかった………。
その家は、普通の一軒家だった。男がインターホンに手を伸ばす。
が、その前に……。
「兄者ウアアアァァ!!!!!」
猛虎の雄叫びのような声が轟き、二階の窓に二メートル三十センチはあろうかという巨漢が現れた。
「おおお………弟よッ……」
イメージしてたのとかなり違って凄い元気そうな人だ………
弟君はいきなり二階から飛び降りた!!!あいつ足不自由なんだよな着地不可能じゃ…………と思ったら両手で着地した。足は地面に付いてなくて手だけで巨体を支えてヨガかなにかみたいなポーズになっていた。当然筋肉凄い。ヘソまで届きそうな美髭が風になびいている。
「弟よ……すまねえ…生まれた日は違えども死ぬ日は一緒だっていう約束、果たせなくなっちまったよ………」
「そんなことはいいからその幼女くれよ!!!俺の好物は幼女の純潔なんだラアアァァッ!!!」
コイツもそういう奴か!!!
人類の正常な本能に忠実過ぎて……人間らしすぎる故に人間の範疇を逸脱した…怪生物ッ…!!!!
しかし気持ちはわかるが兄弟の悲しい別れに専念しろよこっちはこんなとこで手間取ってらんねーから!!!
「弟よ、何も言わずにこの金、受け取ってくれッ……俺がしてやれることはもうこれしかないんだ………!」
「金ならもらう!!!」
男が懐から取り出した分厚く膨らんだ封筒に飛びつく弟。
男は封筒を裏庭に投げた。
「あー!!」
追いかけていく弟。
「ヘッ……元気でやれよ…さよなら……」
きびすを返し立ち去る男。当然俺も去る。
「ウアアアァッッ金が藪の中にッッッッグゲァァッッ髭がイバラに絡まって取れねえッッッッッッバフォアッッ髭袋にしまっておかなかったばっかりにッッ…………!!!!」
ダミ声が不快過ぎて快感度数が上がる………
「もうあたし帰っていいですよね?!ほんとに体調ピンチで自我が保てないのでこれで失礼しますね!!!」
肩の手をはがして逃げようとしたが男は離してくれない。
「すまない、何を隠そう俺は……北方から超・新鮮な話題を世界にお届けすることでお馴染みの組織・北超鮮のスパイなのさ!!実は子供を拉致するノルマが一人足りてないから悪いが俺の国に来てもらおうッ!!!」
何だとッッ…!?!!!この男、俺に欲情する様子がないからおかしいと思っていたが……まともな人間じゃなかったのかッッ……!!!!
「その怪我は偽装かッッ……?!!子供を人気の無い所に誘き寄せるためのッッ……!!!」
「いや、嘘はついてない……俺はもうじき死ぬ……だからせめて弟に金を渡したかった……それだけでよかった……でも君のおかげで思ったより頑張れそうだから最後に任務を果たす!!!」
「恩を感じて他の子にしてくれよそこらのブサイクな子によォ!!!!」
本気で逃げなくてはならないのに体が……この状況に大喜びで足が勝手に動いて男に尻をぐいぐい押し付けるッッッッ…!!!!!
「抵抗するなよ……俺は軍で非道な訓練を受けた……任務の為ならどんな残酷なこともできるぜ……女にとって百万回死ぬより辛い目にあわせてやろうか……?」
口を…押さえてないと「それ是非やって下さい今すぐゥッッ!!!!」と言ってしまうッ…!!!
「どうした、苦しそうだな……ちゃんと息をしろよ……」
手を剥がそうとするなッ………「拉致もいいけどその前に野外レイプしてッ……!!!!」と口走っちまうからッッ………
もう無理だッッ………こんな性の牢獄のような肉体に勝てる根性なんて俺の魂には無いッッ………射してしまおう………
全てをあきらめる寸前。
軽やかな足音が小走りに近づいてきた。颯爽と現れたのは………信じられないハイクオリティーな美幼女だった!!!!!!!!
なんてことだ……今の俺の姿に匹敵する美麗な顔立ち………年の頃は俺と同じくらい、すなわち小学校低学年、にも関わらずその身にまとう悩ましい色香も俺と同水準………ショートの黒髪が陽光に煌めく反射力があり得ない強くて、視界がハレーションを起こしているッッ………この髪は星明かりにも眩しく輝くに違いないッ………浅黒い肌は見るだけで柔らかさがわかってしまう……活発そうだが健康的に見えない何故ならッ……あまりにも病的に淫乱過ぎる容姿なのだッッ……なんて……なんてッ……色の薄い瞳は純真でほんのわずかの罪汚れも無いというのにッッ………それが余計にこの幼女を性的なッ……いや性的でしかなく性のための性の女神ッ……全身が一分の例外もない性の砂糖菓子に見せているのだ……………!!!!!
服装も淫夢の如きセーラー服ッッ………美幼女セーラー服ッッッッ……ううう………鼻血が目からあふれないのが不思議なくらいだ………スカートは短くッッ………それどころか上着も短いッ………おへそが丸見えで………駄目だこれ以上ッッ!!!!直視していたら感動死してしまうッッッッ………
俺は目を閉じた………美に敗北した!!!!!
人間は………神ならぬ魂は………絶対美に耐えられないんだッッ!!!!!!
「待ちな誘拐犯!!!!」
澄みきった……明るいのに、なのに思春期の憧れのように切ない……その声が俺の瞼を開かせた。
幼女の小さな手が見えた。それはあまりにも小さすぎて見る人を神聖なまでの保護欲で満たすが……しかし同時に肉食獣の食欲で涎をあふれさす、その手には…………なんだか結構大きな石が握られていた。
美幼女はそれを投げた。全力で思いきり投げられた石は、死ぬ寸前の男にもろに当たった。
「ぐあッはァ……!!」
男が怯むと美幼女は次々に石をぶつける。
「そこか!!」
言うなり石を持って男との距離を詰めた美幼女、石を………男の腹の傷口に叩きつけたッ!!!!いやッ違う!!!!そのまま石を……体内にグリグリ押し込んでる……………………
「ああ………空ってこんなに青いんだな………」
なんかつぶやいてさすがのスパイも倒れた。もうほんとに長く保つまい………危機は終息した。
人類史にほとんど例の無い奇跡だろう、完璧を越えるまでの美幼女に巡り会い、しかも命を救われるなんて………。
俺の新しい人生はオープニングから凄い盛り上がりだッ……!!!!
しかしそこから物語を発展させることなく美幼女は俺の無事を見て取ると、何も言わずに去ってゆく。
待ってくれッ…!!!!!君はッ……俺の新人生のメインヒロインにしてもいい珠玉の素材ッッ………美しさのみならず出会い方にも何の不足もないッ………このまま見失うわけにはいかないッッ!!!!
追いかけようとした時、そよ風が彼女の短いスカートをめくりあげてピンク色のパンツを露にした。俺の血流は各種性感帯にのみ集中したため全身の筋肉の力が抜けへたれこんでしまった……………
至上の美幼女が遠ざかっていくのを呼び止めることも出来ない………
!!!!ッ………えええ……ああッ……あの子……孤児院に入っていく………
同じ孤児院の子なんだ……………………………!!!!
よかった…………また会える………………
焦る必要は無い、後でゆっくり自己紹介しに行こう………その前に………トイレで抜くんだ………!!!!
あの子を想ってしよう……………!!!!
強く決意したためか、誤射してしまうこともなく孤児院まで戻れた。
早く………トイレヘ………もう、前頭葉にこの体を支配する力はほとんど残されていないけれど……ッ………あの廊下の曲がり角の手前のトイレまで耐えればッッ!!!!…………天上の快楽が時間無制限………だから細胞のひとかけらよ!!!!神経の細い一本よ!!!!あと十秒でいいッ………今は……性欲に抗ってくれッッ………
腰が抜けたようになっていてまともに立っているのも難しい、しかし壁に手をつくと指先さえも快感を覚えて下半身の抵抗力に打撃をッ………トイレはあんなに近くにあるのに………動けッッ足………あと一メートルくらいなんだ……ッッ!!!!
「どうしたの、漏れそうなの?でもごめーん、今掃除中だから使えないよー!」
トイレから一人の子供が顔を出した!!
ここまで来てッッッッ!!!!!!
とは………思わなかった…思う余裕がなかったんだッッ…!!!!
またしても美幼女…!!!!!!!!!!
こちらより一つか二つくらい年上か?肌の白さも印象的だがそれ以上に黒髪の美麗さが……角度によって藍色に見える…それにしてもこの可愛らしさ!!!!顔といい体つきといい仕草といい……可愛さの方向性が俺のストライクゾーンのド真ん中、針一本のズレもない正確な中心を突く、それの絢爛豪華な最高級のクオリティー、SSRだッッッッッッッッ!!!!!!人類の遺伝子にこれほどの力があったとは信じられない………いや、そうじゃないな…。人類じゃないんだ。やはりそうか、本物の美少女は人類には属さない種族なんだ…………!!!!
気づかないうちに感涙を頬に伝わせていた俺に、藍を帯びる長い黒髪の美幼女は優しく微笑んで言った。
「冗談だよー、使っていいよー!」
美幼女は手にモップを持ったまま廊下に出てトイレの入り口からどいた。ああ………性格まで美人なんだな……この子は神から人類への、いや生きとし生けるもの全てへのプレゼントだろうか………
思いながら、学校のトイレによく似た男子用女子用が並ぶトイレの、女子トイレの方に入ろうとした時、
「きゃあ!」
美幼女がいきなり何も無い所で足を滑らせて転んだ……
「いたた……ここ、ニス塗ったばかりだから気をつけてね!」
それはいいんだが美幼女はトイレの入り口に倒れたため通行できなくなって困ってしまった。それに幼女らしからぬお尻の大きさも目立って、甚だ焦らされるッ!!!
美幼女は転んでびっくりしたのか大きく息をしていてなかなか立ち上がってくれない……いやおかしい、いくらなんでもいつまでも呼吸が落ち着かなすぎる…
「わ、わたし、病弱だから、すぐ過呼吸になっちゃって……」
美幼女で性格美人で病弱!!!!!!……なんて……あるべき…そうあるべき、正しさの中の最も正しい存在ッッ……!!!!この世界はなんと清らかなのだろう、このような感動的な存在を生み出すなんて……俺は何に感謝の祈りを捧げればいいんだろう……………
だが浸っている余裕は無いッッ!!!全ての性感帯という悪魔が破滅の獄炎で股間の制御を溶かしつくそうとしているッッッ!!!!!!
目の前の美幼女が病弱という事も……昂らせるッ……うずくまるこの子にぶっかけたらどれだけ気持ちいいのか……
邪念が通じてしまったのか、美幼女は徐々に呼吸を調え立ち上がった。
「もう……大丈夫……ごめんね、さあトイレに……あっ!」
美幼女が急に叫んだ。
「君、お漏らし我慢してるにしては大袈裟に苦しそうだなって思ってたけどわかった!トイレじゃなくて保健室に行きたいのね!連れてってあげる!」
美幼女は俺の手を掴んで駆け出そうとする!!つい今まで過呼吸で苦しんでた病弱な子とは思えない元気さだッ!!!!引きずられてトイレから遠ざかってしまうッッ!!!!それに股間のブツをかくしてる手が引っ張られたらッ……スカートが鋭角三角形に盛り上がってるのが白日にさらされるッッ!!!!
「ご、ご、ご、ご心配なくッッ!!!あたしはトイレに用がありますんでッッ!!!」
「でもすごい汗!絶対体の調子わるいよ!保健室行こ!」
「わかった行きますッでも先にトイレ行かせて下さいッッ!!!!」
「大丈夫、保健室におまるがあるから!尿検査とかもしてもらえるから!」
「そんなわけにはいかねーッッ!!!!頼むからトイレでさせて!!!!お願いします!!!!ほんと頼むゥゥッ!!!!土下座するからッ!!!!」
「そこまで言うならわかったよ……早期発見が大事なんだけどな……」
美幼女は納得してなさそうだったが離してくれた。が、
「きゃあ!」
また足滑らせた!!!しかも俺を巻き込んで倒れ……股のアレが床に当たる!!!!そして滑る!!!!
俺と美幼女は廊下を凄い距離滑った!!!擦られた肉棒、いや灼熱の鋼鉄の棒、その硬さに反比例して脳を蕩けかす悪魔の道具は………奇跡的にまだ液体を放出していなかった………
刺激が強すぎてッ!!!!膨張しすぎてッ!!!!尿道を完全にふさいで発射を妨げたに違いない………
俺は助けられたのか、この体の仕組みに………?!!
そんなはずはない!!!!股間は魔王だッ………嗜虐心が満足していないからとどめを刺すのを先伸ばしにしたにすぎないッッッ……!!!!!本物の悪魔は天使の顔をしているという………まだ……天の悦楽で俺を苛むつもりかッッ………
負けねえ………トイレはあんなに遠くなったが………畜生ォォォォォォ!!!!!
俺はもう一度廊下を滑ってトイレの前に戻った!!!!当然股の棒はかばって床に当たらないようにした。勢いで頭が壁に激突したがその痛さが腰をくだけさせる気持ちよさだ!!!
ついに頭頂まで性感帯になってしまった。その感じやすさ、亀頭に匹敵する!!!!
だが負けねえッッ!!!!立ち上がってトイレに………
「待って!」
美幼女に呼び止められる。
「スカートのしわが乱れていてよ。いくらおトイレ我慢していたにしても、女の子は身だしなみに気を使わなきゃ!」
美幼女がスカートを引っ張った。
棒が締め付けられ先端が強く擦られるッ!!!!!!!!!!!!!!
でも負けられねえんだッ!!!!!!!!!!!
「あ、あ、あ、あ、あ………ありがとうッ!!!じゃ、あたしトイレに………」
「ごめんね、引き留めて。あ!襟が曲がっているわ!袖も捲れてる!髪型が乱れてるわね、なおしてあげるから……」
「先にトイレ!!!!後にして下さい!!!!」
「あ、ごめんごめん!」
やっと離してくれた………
「あら……?スカートに……何、入れてるの?」
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
見られたッッッッッッッッッッッ………………
どう誤魔化せばいい、このモッコリ!!!!!!
「まさか…………人に見せれないもの?」
全くその通りだが認めるわけにいかないッッ!!!!!!!!どう申し開きすればいい!!??
「ナイフじゃないよね?」
どういう発想だ!?!!バレてはないのは一安心だがこのままじゃ興味を失ってはくれなさそうだ……
「見せてみなさい。変なものじゃないなら見せられるでしょ?」
確かにその通りだ!!!!!賢い子供だな!!!
「何でかくさなきゃいけないの?まさか本当にナイフ?」
そうだよ!!!お前の処女膜切り裂くためのナイフだよ!!!!それは確定事項だ!!!!!
でも今は心とかの準備できてないから見せるわけにいかねエエエエェェェ!!!!!!
美幼女は怪訝そうな視線を上に移した。
「君、ちっちゃいのにすごくおっぱい大きいよね。そこに何かかくしてない?何か盗んだもの、胸にいれてるでしょ?」
関心が股間から移動したのはいいが、胸をジロジロ見られるのは気持ちよくて辛い!!!!
「何入れてるの!」
美幼女が俺の乳を掴んだ!!!!!
殺されたかのような快楽!!!!!!…………
破局だ。尿道口がふさがっていたとしても破裂して猛噴射するゥゥゥゥゥゥッ!!!!!!!
でも……負けねえんだよッ!!!!!!!
さあ来いよッッッッもう一揉みくらい耐えてやるッッッッ
だが美幼女は手を離した。
「ごめんなさい、本物のおっぱいなんだね!悪いことしちゃったよ……」
美幼女は顔を真っ赤にして後ろを向いた。
この隙に個室へ!!!!
入れた!!!!!ドア……閉めれた!!!!カギも閉めた!!!!
やっと……………たどり着いた……………………
もう誰も見てない。後は、ただ………欲求の支配に屈して降り注ぐ快楽の犬となるだけ………
その時ドアの向こうからゴシ、ゴシとモップの音がした。
「まだ掃除途中なのよねー。おしっこの音聞かれるの気になる?」
「は、はい……だから終わるまで出ていってもらえると……」
「そういうの気にしすぎるのよくないよ!女の子同士だし、気にしないでしちゃいなさい!」
吐息を抑えないといけないじゃないかッッ!!!もちろん声も出せん!!!!困る!!!!
だが考えようによっては、ドア一枚向こうに何も知らない美幼女がいるというまたとないシチュエーションではある。
口をおさえながら楽しもう………
「あああ………やっと触れるよぉぉ……脱ぐの待ってられない脱ぐ前に一回射しちゃおうかなァァ……!!」
この体は行為の際に無言を保つ機能が無いようだッ!!!!!
「何をさわるの?」
聞かれたッ!!!!!あんなはっきりした声で言ったら聞こえて当然ッ!!!!
ならば………これから発する僑声全て聞かれてしまう………どうすれば……どうしようもない!!!!
もう行為は中止出来ないし対策を考える思考力も残っていない!!!!
破滅に向かうだけだ。破滅へのオナニー……なんとエロ美幼女にふさわしい。
もうどうなってもいい………………
「きゃあ!また転んじゃった!うぐっ、モップが口についた!お腹がいたくなってきた!わたし体弱いからこんなことでも体調不良になっちゃう!保健室行かなきゃ!」
足早に立ち去る音が聞こえた。
もう俺をおびやかすものは何も無くなった……………!!!
そこから先は敢えて省略しよう。
ただ、数時間トイレに居たことだけ明かす。
個室内は隙間も無いくらい白い液体だらけになっていて、俺は息もたえだえながら大急ぎでトイレットペーパーで拭き取りまくった。
後始末作業は我ながらみっともなくてみじめな感があったが、早く終わらせないとそのみじめさでせっかく収まった欲棒がまた勃起しそうなので急ぎで拭き取り、紙はトイレに流した。
この時どんなことを思ったかも省く。様々感極まっていて、語ると際限が無いし。
ともかくもトイレを出た。
次にやることは決まっている。二人の美幼女を探しに行こう……!!!!
浮き立つ心を超えるくらいに足は弾み、まるで疲れも消耗も感じない。あれだけ限度を越えて障害が残るんじゃないかってくらい満足させたばかりというのに、早くも性的なことばかり欲している。この体、地球誕生以来の淫乱じゃあるまいか……。邪淫の天使、とでも呼ぶべきか。
ふと、院長に髪を触られた時、院長の油脂が付いたことを思い出した。あんなにベットリした脂、汗で流れてはくれていないだろう………と思ったが、前髪やおでこをさわってみても全然べとついていない。
どうやら体に強い浄化作用があるようだ。別に不思議なことではない、真の美少女は非物質界の存在だから、物理作用や自然法則は必ずしも適用されず、常に最善の美を放つ。
そんなこと考えながら廊下の角を曲がると、三人の男の子に出くわした。
なるほど、孤児院なんだから男の子もいるよな。全員小学生だろう。廊下の壁と同じくらい興味わかない。
しかしこれから同じ建物で暮らすんだし挨拶ぐらいした方がいいかな、とか検討している俺に三人はものすごいビビった顔で叫んだ。
「怪物だッ!!!池に、怪物が出た!!!!」
子供がバカなことを言ってるのは本当に興味わかなくて勘弁してほしいが、彼らの取り乱しようは尋常ではなくて、少しだけ話を聞く気になった。
怪物が目撃されたのは孤児院の裏にある池。池に謎の生物がいるということは以前から噂になっていたという。
噂によると、怪物は長い首を水面から出して泳ぎ、背中に二つのコブがある。これが孤児院の怪物、コッシーだ。
子供たちの間では、コッシーが本当に居るのかどうか、賛否両論だった。
この三人のガキは顔つきそのままのひねくれた性格らしく、コッシー否定派だったのだそうな。
だが、たった今、池で怪物を目撃してしまったというのだ。
怪物の特徴は、噂に語られるままで、確かに首が長く背中にコブが二つあった。正確には噂では聞かない特徴もあった。コッシーには真っ赤な尻尾があったという。それも爬虫類的なものではなく、ふさふさとして馬の尾に似ていたそうだ。
そこで思い出されたのが孤児院に伝わる伝説だった。
この孤児院はもともと、ドイツ人の神父が始めたという。神父は時々、故国が恋しくなることがあり、そんな自分を慰めるため、故郷の花の種を取り寄せ、池の周りに植えた。
だがその種に良くないものが紛れ込んでいた。水に棲む怪魔、水馬の卵である。
時を経て水馬は大きく育ち、子供達を襲うようになった。神父は水馬と戦い、子供達を救ったが、命を落とした…………
そうして孤児院に平和が戻ったとはいうが、伝説の中で水馬が退治されたとはっきり述べられてはいない。今でも池に水馬は居るのではないか……昔から、秘かにささやかれてきた説だ。
コッシーの姿は水馬に類似している。しかも尻尾までが馬のようだとなると………コッシーは、子供を襲う恐るべき水馬の生き残りだ!!!
と、まあそんな話だったがどこまで真面目に聞けばいいかよくわからない。ただ、こいつらが虚言を言ってるようにはとても見えないが………
「そんなことより髪の毛がめちゃくちゃキラキラ光るすごい可愛い女の子知んない?!!」
考えるより先に口が勝手に関心事を話題にしていた。
「そんなことよりお前も池を見に行こうぜッ!まだコッシーがいるかもしれない!」
頭の悪いガキらしく相手の話に関心を持たず自分の興味ばかり押しつけてくる。
「わかった、すごい面倒だけど子供の世界じゃこういう付き合いも大事だろし行くわ。」
こいつらがバイトならシフト全削りだとか思いつつ、努力して興味津々っぽい態度を装ってついていくことにした。
廊下の突き当たりに裏口があり、そこを出てすぐ池があった。池は円形をしており、直径五メートルもなかった!!!この施設にふさわしい小ささ!!!
怪物が生息できる規模じゃないが………
「ああッ!!コッシーがいるぞ!!」
バカガキの一人が叫んだ!!!
こいつら、やっぱり嘘をついてなかった……池には奇怪なモノが泳いでいた…………
長い首、シルエットなら首長竜の首に見えなくもないような、そんな風に見ることも出来るものが水面から突き出し、ゆっくりと移動している………そのすぐ後ろに、二つの、‘コブ’と表現することも出来るものがある…………………
なるほど、ガキどもの言うことは嘘ではない。コブの後ろに、赤い長い、馬のような尾とも見なせる毛があるし…………
だが先入観に囚われず素直な目で見るならばッッ!!!!というかもしコッシー実在を信じてたとしても見間違わなかったと思うが………あれは長い首じゃなくて人間の足だ………………二つのコブというか盛り上がりは、おっぱいだ…………
つまり、誰かが片足とおっぱいだけ水面上に出して背面泳ぎしているんだ………………明らかにおっぱいにまとってるのは水着だし…………………………
怪物の正体なんてこんなもんだぜッッ!!!………なんて納得できねえ…………普通に古代の生物の生き残りとかの方がよっぽど心の安定が保てた………
何者だ、あの怪人…………子供達のいる施設に侵入して何やってんだ……………
顔も水面下にあってよく見えない。水が真っ黒と言っていいくらい透明度低いし。どれだけ水質悪いんだ?よくこんなとこに潜る気になるな…………
赤い毛はもちろん髪の毛だ。ヤンキーか?しかしヤンキーがこんな汚い水に潜るか?!
「に、逃げた方がいいかなあ?ここにいたらコッシーに襲われるかも……!」
三人のガキはビビって震えている。
「いや、コッシーなんかじゃないけど、でも危険性はコッシーより高いから逃げた方がいいんじゃない?」
親切に忠告してやったのに、三人は逃げかけて立ち止まってまごまごしていた。何でこんなにトロいんだよウゼー!!!
逃げたいんだろうけどビビりすぎて足が動かない様子。使えねえ!!!コッシーと逆方向見て震えてるし!!!
あれ、俺の後ろを見てビビってる…………?
ちょっと後ろを見てみた。
そこには、一人のおっさんがいた。軍服みたいな感じの変わった服を着ていて、手にライフルみたいなのを持ってる。
全体的に青白い。肌が青白いし服も青白く、足の先の方は煙状になっている。雰囲気的に生命力乏しそう、というか皆無そうに見えるが、表情は鬼のような怒りに燃えていて元気いっぱいだ。
誰だこいつ?思わず俺も身動きとれなくなる。
おっさんはライフルの先に刃物みたいのを装着。
銃剣という奴か?
おっさんは俺をキッと見据え、
「我が身命なげうって鬼畜婦女子撃滅の礎とならんッッ!!!!!!突撃ィィィィィィィッ!!!!!!!!」
金切り声をあげて俺を銃剣で刺そうとしたッ!!!!!!
その時激しい水音がして、何者かが俺の前に舞い降り銃剣を叩き落としたッッ!!!!!!
「安心してッ!!!この孤児院の女の子は………わたしが守るッッ!!!!」
振り向いたその人は………水着姿の美少女だった………
真紅の髪と瞳…………疑いなく染めてもいないしカラーコンタクトでもない!!!
この少女もこの世の規格外の存在、真性美少女だ………!!!!!!!!
高校生にしては幼い、中学生だろう。しかしなんという想像を絶する爆乳!!!!もはや超乳の域にさしかかっているッ!!!!!
「あなたは一体………ッ?!!」
思わず尋ねた俺に、超乳美少女は特級品のロリ顔に凛々しい微笑みを浮かべ、
「池に潜む怪物コッシー、その正体は……人々の為に邪悪なる者を討つ正義の使い。今日はこの日本軍兵士の悪霊を滅ぼす為に来たわ!!!!」
何て貴い眼差し………彼女は、他人のために命をも投げ出せる真の勇気を持っているに違いなく、しかもその気高い心に見合わずひ弱なためにすぐに負けてレイプされる、そんな運命を宿した瞳………生まれながらの性奴隷の瞳をしている。
誇り高く信じるものをうたいあげる小さな口は、悲しいかな、悪の穢らわしい性器を頬張るように契約されているのだ。
簡単に壊せてしまえそうな華奢な体で敵の前に立ちふさがる、誰よりも勇敢な心は………敗北によって淫魔を喜ばすために備わっている………
ほら、いかにも少女の肉に飢えてそうな悪霊に瞬く間に貪り尽くされ…………
と思ったらそっちには目もくれず俺に襲いかかる悪霊!!!!!
「何であの乳に興味示さないんだてめえもロリ欲が一番のタイプかッ!!!!理解は出来るがな!!!!!」
「死ねッ!!!むごたらしく死ねェェェェ!!!!」
「屍姦趣味だとッッ!!!!なかなかこだわりのある男のようだな、つまらない人物ではないらしい!!!」
俺をかばいながら超乳美少女が叫ぶ。
「違う!!こいつはそういう奴じゃない!!!!この悪霊にとって幼女は殺したいだけの仇敵でしかない!!何故ならこいつはゲイで院長を愛しているから!!院長の心を惑わす幼女は皆殺しにすべき薄汚い害虫と思ってるのよ!!!!」
下らない人間の中でも更に価値の無い奴だった……………
「くらえ!!!」
超乳美少女が超乳を邪魔にもしない軽やかなステップから蹴りを連射すると、
「ぐああああーッッ!!!!愛する人よ…靖国で待ってますゥゥゥゥ……!!!!純粋同性交遊に……………万歳ィィィィィィ!!!!!!」
とかうなりながら消滅してるし。
超乳美少女、あっさり勝ったな………相手ハードゲイだから、自分に欲情しない敵なら勝てるんだな………。
「もう大丈夫よ。さよなら!」
乳と同じくホモ・サピエンスにはあり得ない大きさのお尻をぷるんぷるんさせて去ろうとする後ろ姿を、俺は呼び止めた。
「待って下さい!!このままあなたとお別れしたくない!!!」
お姉様になってほしいんです………そして大人の世界を手取り足取り調教してほしいわからないならこっちが調教しますッ………と、言おうとした俺の唇を指でおさえ、
「また会えるわ。ゲイ日本軍兵士はまだいる……今現在この孤児院に四十人くらいいる……今後も増えていくでしょう。だからあなたのような綺麗な幼女の前にわたしは必ず現れるわ。とう!」
彼女は窓から跳んでどこかへ消えた。
…………悪霊そんなにいるのかなんてことは彼女の容姿のインパクトにくらべたら些細な事だ。
池にいた時は奇妙なものを見る目で見ていたから気づかなかった……いや、顔がブサイクだったらと思って素直に認められなかったが、あの美脚は素晴らしかった………舐めたらクリームのように甘かっただろうな…………………
いや、今は浸っている場合じゃない!!!次に会った時に義妹と認めてもらう方策を真剣に検討すべきだ!!!!
その時…………………………
カツーン………と、廊下に硬質な足音が響いた。脳内のエロティックロマンを瞬時に消滅させるような緊迫感に満ちた響き。
反射的に振り向くと、廊下の角に体半分だけ見せて横向きに立つ人物がいる。真っ白な男物のスーツにまを包んでいるが………あの華奢で綺麗な手は、明らかに少女だ!!!
背丈からして高校生か………?顔を見たいが、マリー・アントワネットか何かが持ってそうな毛の生えた扇子で隠していて見えない。
全般的には男装の麗人という感じだが顔を見なくては麗人と言い切れん。
しかしあの手の美しさは凄い…………少女の手のかたちというものがある、とはいえ現実にはまるで少女らしくない手をした十代女子が多いというのに…………あの手に比べたらそこらの女子高生の手など西郷隆盛だッ!!!
「ウフフフフフフフ……………」
謎のスーツ少女が可憐に笑った………あの手の持ち主にふさわしい透き通った声…………!!!!
スーツ少女は扇子で顔をかくしたまま気品ある、しかしどこか幼い声で語りかけてきた…。
「悪霊に襲われても少しも恐れない勇気………ただ者じゃないわね……。あなたのような人を待っていたわ……!」
どうやら三人のガキは無視して俺に話しかけてきてるっぽい。ただの変な奴らしいし、今のところこの孤児院に変な奴のこと話して盛り上がれる知り合いいないから放置したいけど………でも手と声が綺麗過ぎるんだよな…………手タレか声優になったら天下獲れる、いや世界の頂点で戦える…………それほどのものだし……………
関わるか関わらないかやっぱり判断するために顔を見たい!!!
が、近づくとスーツ少女は曲がり角の向こうに隠れた。走って追いかけたが、角を曲がった時には彼女は消えていた……………!!!そして……
壁に一通の手紙と、赤いバラが貼りつけられていた。
手紙には……
『恐怖から目を背けないあなた………あなたは選ばれた人。あなたがもっと輝きたいなら、わたしのもとへおいでなさい。』
とだけ記されていた。
いや、充分以上に輝きまくってるしこれ以上輝いたら近くの紙とか燃えちゃうんじゃないの?
目が悪いんだろうか………だから扇子で顔かくしてこっち見なくてもしゃべれるのか………?
どうも謎の多い少女だ。また会えるだろうか………
「選びなさい、平凡な女の子のままでいるか、それともわたしとともに世界を手に入れるか……!!」
突然足下から声がした!!!
すぐそこの床に、スーツ少女が寝そべっていた………
消えたと見せかけて視角に入らない低位置に身をかくし、高い位置に目立つバラと手紙を配置するというトリックか…………顔は扇子でかくしていて見えない。
もう少し壁よりを走ってれば踏んでやれたのに。いやしかしそしたらスカートの中丸見えだな……
ふたなりだとバレるのはまずい。まだ交際対象にしていい顔レベルかどうかわからないからな……
頭がおかしいのは判明してるが。見た目がどの程度の等級にしても、お姉様にはしたくないな……
「ウフフ……わたしのこの気持ちがあなたにわかる?待ち望んだ素晴らしい人との出会いに意識野が羽を生やして飛んでいきそうな喜びと、あなたからあふれでる才能の光に燃え盛る嫉妬……わたしの心はロールケーキのように渦巻いているわ…!」
ロールケーキならそれほどの渦巻き具合でもなさそうだ。もともと非常識が洗濯機より渦巻いてるしなコイツ………
「まず立って顔見せてからしゃべりなよ。」
「やはり動揺しない………あなたなら世界の覇者になれるでしょう。聞きなさい、わたしが人生を賭けた道を………」
「いいから顔!!!礼儀としておかしいでしょ!!!そんなことじゃ就職出来ないよ!!!行くとこなくてブラックとか嫌でしょ!!!」
「わたしの目指すのは世界大会優勝……ただそれだけ……」
「…………え、なんかスポーツの話……!??意外だなー……………何やってんの?」
「勇敢なあなた……!よく聞いてくれたわね……!わたしの大切な、いいえわたしの全て………そしてあなたが一番輝ける舞台………!それこそが…………バンジージャンプよ!!」
「一人でやれ!!!!!!!」
「きっと近いうちにオリンピックで競技化するわ!二人でメダルを獲りに行きましょう!」
「一人で獲ればいいじゃん。」
「無理、わたしはビビリだからマネージャーとして世界を狙うのよ。」
俺は無言で扇子を持った手を蹴飛ばした。
一瞬顔が見えそうになったがしかし扇子ガードを守りきった変な人。
「フフフ………あなたは絶対飛びたくなる……自分の本心を確かめたくなったら、わたしのところに来なさい。」
俺が扇子をぐいぐい引っ張ってるのにしつこく顔かくし続けて何か言ってるキモい女。
「それとも怖い?あなたともあろうガッ!!」
扇子を守ろうともがいてて思いきりヒジを壁にぶつけた女。それで扇子を手放したが…………あれ、扇子が顔から離れない。なんか扇子がゆがんでる………コイツ扇子噛んでるッ!!!!そこまでして…………手で顔かくせばいいのに!!!!
「ところで話の途中だけど、もしバンジーに興味出た場合どこに行けばいいんすか?具体的な場所わかんないんだけど。」
扇子女、何も答えない。扇子噛むだけで精一杯そうなので、俺はしゃがみこんで横から女の顔をのぞきこんでみた。
全くそのやり方を想像してなかったらしく驚愕に目を見開いた横顔は…………こんな愛らしい女子高生見たことが無い……ッッッ……………………………………………
どうしてだ、貴族的な気品ある非常に整った美形で、プライドの高そうな、甘味が強いもののどこか冷たい瞳をしているというのに………間違いなくハイティーンだがアンダーティーンを千倍濃縮した以上のあどけなさだ…………
彼女の身体は性成熟に近づいているのに、何故幼児の魅力が消えようとしない…いや!!!むしろ成長している……どうしてか?…………
それは、彼女の精神が………それが、肉体のどんな性的器官より性的アピールをするとわかっているからだ!!!!!
つまり彼女の無意識下は性への渇望によって構成されており、それが彼女の発育を決定している!!!!!性への飢えによってつくりあげられたからだとこころ………あああ………彼女もまた、性の監獄に生まれた、純粋性的存在……!!!!!!
「わかるわ………あなたは今、人生を変えるような衝撃に心が陰陽師のマークより渦巻いている!普通の子の生活にはバンジーほどの刺激は無いものね……!」
「そんなことはいいからお姉様になって下さいッッッ……!!!」
これほどの美しさと個性………姉妹として添い遂げたい……!!!!
「ていうかわたしの顔を見たわね!あなたは許されないことをしたわ!」
反応遅いよ!!!やっぱり知能が低品質なのか?
萌えてしまう…!!!!
「あなた、自分の才能に驕って人の心を見失っている!!ああ何て恐ろしい目!まるで年端もいかない可愛い女の子がみんな痴女に見えてしまう病人のよう!!今のあなたに飛ぶ資格は無いわ!その心で澄んだ空を汚染してしまうもの!!」
「あまりにも言いがかりですッ!!そんなことより、さあ!!!stand&fight!!!立って、そしてあたしを壁ドンなりして思いつくままに性犯罪お願いします!!!あ……!!!!ヤバイ想像したらすごい勃った!!!!ちょっと待って下さい!!!」
スカートを突き破りそうな膨らみをかくすため、後ろを向く。
「あ、でも今ならスカートめくってパンツ脱がせてお尻むしゃぶるチャンスです!!!噛みついてもいいですよ、むしろそうして下さい!!!歯形が残るくらいお願いします!!!出血も大歓迎!!!!」
期待して待つが一撫でもされない。おかしいな……………
振り向くと、スーツの姫君は肩をわなわなと震わせていた。
俺に誘惑されただけでイッてしまったのか………
幼女の悪戯なおままごとでエクスタシーに達するとは………性感の異常発達が取り返しつかない。
まともに生きていけない体だ。性の最下層に堕落するしかない体…。
「何ていう邪悪な……淫らに穢れた悪魔の子!わたしはとんでもない思い違いをしていた!!」
いきなり言葉責めをしてきたお姉様は、指をパチンと鳴らした。
すると天井に複数の穴が開き、そこから仮面の紳士風の戦闘員が落ちてきた!!!!
「フゥゥゥゥゥ!!!!」
数人の戦闘員は皆、俺に攻撃を仕掛けてくる!!!俺は必死によけた!!!!
すると戦闘員たちは床に激突する寸前で再び天井に戻って行く!!!!
よく見ると足にゴム紐が巻かれている…………
床付近と天井をビヨンビヨンと行ったり来たりする戦闘員たち。
その間に俺のお姉様は廊下の奥の階段に移動していた。
「認めるわ、あなたは悪魔的天才……けれど!わたしは必ずあなたに立ち向かえる者を見つけ出すわ!!油断しないことね………あなたを決して世界の表彰台には登らせないわ、わたしが!!」
辛辣な言葉で俺の下腹部に甘いうずきを覚えさせてからお姉様はバッとたくさんのバラを振り撒いた。あまりに多くて美しい姿が見えなくなってしまう……!!!
バラが残らず床に落ちた時には、お姉様はどこかに消えていた……………階段を上がったに違いないが。
お姉様がいなくなったらしょうがない。俺はバンジー戦闘員たちを放置して廊下をどこへともなく歩きだした。
歩きながら思う。この孤児院、何でもありすぎだろ…………世界級の美少女達に簡単に出逢えるし……………
まだ一日目なのに人生経験の幅が広がるばかり。一応今日この世に生を受けたばかりというのに………
なんだか疲れて喉が乾いたな。でもこんなところで自分の体液飲むわけにはいかないし……しかし廊下の水道の水はやだな……
「おい!お前!」
とか言って再びさっきの三人組が現れた。相変わらず風景に紛れそうなほど鑑賞価値の無い生物達だ………
「俺………お前のこと、一目見た時から可愛いと思ってたんだ……!」
「俺も!」
「俺もだ!」
今さらコクってくる三人。
いらねえ!!!!!!!!
死んで以来モテ期が続いてるが不利益しかない!!!!
まあ、あの世でのモテはともかく、今はモテるの当たり前か……………しかし気色の悪い。ガキだから金せびったりも出来ないし、ほんとに何の得もないな…………
「俺達のうちの誰とつきあうか、選べ!!」
「なんでだよ!!!」
でも俺の分身は神速で励起した。内股もヌルついてる。この体、繁殖本能に忠誠心ありすぎる!!!
自然に胸元を開きそうになる両手を制御して後ろ向きになり股間の三角錐を隠す。
「な、なんで尻振ってるんだよ!誘惑してんのか?!お前、ビッチか!?」
アホかよお前らには潔癖で性的関心一切ねえよ心だけはな!!!体はお前らの子供産みたくてたまらないが…。まだ生殖可能年齢じゃないのに……いや多分全然妊娠出来るんだろうなー…………
まあ美少女はどんなに幼くても腹ボテになれるものだしな。当たり前か。
とりあえずこの場は逃げとかないとまずい。
「あたしそれどころじゃないから。じゃ。」
「何の用事だよ。手伝ってやるから話せよ。」
「え?いや、喉乾いてて……」
「じゃあ台所行こうぜ、果物とかあるからよ!」
ついてきてほしくないんだが、こいつらモテそうでもなくスポーツも勉強も出来なさそうなくせに押しが強いな!!!
無理矢理拒絶したいが体が言うこと聞かない。むしろ言いなりになりたがってるし、気が付くとガキどもの腕に絡みつきそうになってるし!!!
マジで気を強く持たないと、十分後には処女卒業してても意外じゃない………
何でこんなどうでもいい男のガキにはあはあしないといけないんだとブチキレそうになりつつ、でも多分顔はアへ顔気味で台所に着く。
「冷蔵庫の中探そうぜ。言っとくけど、俺は先生に怒られるの怖くないから勝手に冷蔵庫の物食べれるぜ!」
「そんなの俺もだ!」
「当たり前だろ!」
ウザいことこの上ないこと言ってる三人。
しかしちょっと落ち着くな…………
この孤児院に来てからこんな平凡な時間がなかなか無かったからな………体は別として気持ちはのんびりできるな………
三人組が冷蔵庫を開けた。すると、巨大な桃が転がり出た。異常に大きい。径が俺の背丈よりでかい。
怪奇事件だ!!!!三人組は惚れた女を守ろうともせず固まっていると思ったら、立ったまま失神していた。股間の付属物も勃ちっぱだが、これはビックリしたからではなく俺に対して勃ててたんだな…………
元来ゼロ未満の好感度がますます下がったのはいいことだが、生唾がとまらなくなるからこいつらの存在は無いことにして桃に注目しよう。
気持ち悪いが、確かに桃だし新鮮そうだ。流しを見るとフルーツナイフがあったので、切ってみることにした。
ぶすりとナイフを刺しこむと、
「くっ……」
という声がどこかから聞こえた。周りを見ても失神中のガキ三人しかいない。気のせいか。
桃を切る作業を続行する。でかすぎるからナイフを奥まで刺しても表面近くしか切れないが、まずはそれでザクザクと下の方まで切ってみた。
すると突然桃がボゴッと真っ二つに割れた!!!そして中から全裸の少女がまろび出た!!!!!!
その容姿は認識出来ない!!!!!何故なら規格を完全度外視した淫靡形質を俺の無意識が把握してから意識野に伝達する前に俺は激しくイってしまったからだ………………
汁まみれでばったり倒れた俺を、紫青色金属光沢の髪を揺らしながら見つめる目に憎悪がこめられてるのだけはわかるが、俺の下半身へのサービスかな?また汁噴いてしまった。
少女に声かけたいが、
「あへぇ………」
としか言えない……!!!服の中を顔まで飛んだ聖なる液が目に入って視界がにじむ。
「チッ…」
俺へのマイナス感情100パーセントの声も甘々……!!!!何回天国見ないといけないの……!!?!転生初日でリアルイキ地獄を経験できるなんて……………
ぼんやりしてよく見えないが少女はバックステップで俺から距離を離したと思ったら果汁で足が滑ったのか柱にしたたかにお尻をぶつけた。
「ひぎ!!」
全裸の、おそらく今の俺の二、三歳上くらいの少女のお尻痛打姿なんて絶対に見とかなくちゃならないのに…………目のヌルヌルが拭いとれない………
ただ、心の内の雑多な知識や無駄な思考活動を浄め消し去るような肌の輝きからわかる………あの少女も、人と精霊の中間の存在、いや人に似せてつくられた………正確に言えば少しだけ人間に似たところもある想念物質、お世辞や誇大な宣伝とは異なる読んで字の如くただそのままの美少女というエーテルである………!!!…………!!…………!………
少女は無言で、俺に嫌いという感情の波動を浴びせながらどこかへと走り去った。
俺は、恋の切なさに胸をナイフで幾度となく貫かれるような痛みを感じていたが、様々な液状物質の分泌の経過については割愛する。
気持ちが立ち直るまでにしばらくかかった。やっと起き上がる気になれて、いつまでも恋に溺れてばかりいてはいけないと自分を叱咤してよろよろと立つ。どうしても手が股間に行ってしまうが仕方がない。胸に残る疼きが悪い。
うっとりとしつつも、床の惨状には頭を悩ませざるを得ない。この広範囲の聖液と愛らしい液その他をブレンドした貴い美酒をどうしよう……………………………………
自分で舐めるには量が多すぎるし………掃除するしかないが、トイレの個室と違っていつ人が来るか…………
三人組もいつまでも仮死状態保たないだろ……それに全部拭き取っても匂いが濃厚に残ってしまう。
匂いはあきらめるにしても、どう考えても速やかに終わらせれる作業じゃない。さらに大きな問題は自分の体と服!!!!!早くシャワー浴びて着替えないと!!!
こんな奇跡のように美味しそうな匂い放ってたら、さすがに三人組も肉食獣の生涯最大に飢えてるけど体力はMAX状態的になって何してくるかわからない。少年犯罪厳罰化論に反対する人がいなくなるくらいの猟奇性犯罪になるな……………
考えれば考えるほどゲームオーバー級のピンチだ!!!!ついさっき同じくらいの危機乗り越えたばっかなのに……………ここは大量破壊兵器を湯水のように使う戦場かッ……?!
なんでこんな事故った原発の内部みたいな環境に転生させたんだ金の人ッ!!!!!!責任取れよ!!!!!!大半この体のせいだしそうなるとこういう風に生まれ変わる願望持ってた俺のせいだとか正論はいらねえんだよッッ!!!俺に功徳積ませてーんじゃねーのか一日経たずに人生終わりかねねーぞ!!!!いやこの体絶対手離したくねーから石にかじりついても生きていくけどよ!!!!でも功徳どころか淫行罪繰り返すしたくさんの男女の脳の性欲中枢以外の機能減退させて性ゾンビ化させる美幼淫魔になるだろな!!!!スーパー恐るべき法敵生まれんだぞお前のせいで!!!!そうならないようちゃんとケアしろよ適当な仕事してんじゃねえッ!!!!どうせ高い給料もらってんだろ!!!!!とりあえず出てきて話させろッッ!!!!!
俺の心の叫びが通じたのか…………空間に映像がモヤモヤと浮かびだした。やっぱりいざという時はゴリ押しすれば結構上手くいくな…………
しかし、映像に映ったのは奪衣婆だった…。
……………………
金の人の姿は無い…………………………………
「なんでお前なんだよッ!!!!!!」
「関係者がまとめて休憩入ったからお主を見とく役押しつけられたんじゃ。この憎たらしいガキ、口も聞きたくないから呼ぶんじゃないわ!!!」
「俺も会話するだけで吐き気するけど聞いてくれ、今、本気でヤバいんだよ!!!!助けてもらわないとどうにもならない!!!!」
「そんなこと言うてもあまり助けにならんぞ。わし、着物脱がす以外なんの才能も無いし。」
「お前、もうちょっとは優秀なイメージ持っちゃってたけど、お情けであの世の入り口に置いてもらってるだけの変質者かよ!!!!使えないなんてもんじゃねーな!!!!!誰か、俺の体中のヌルヌルを消す能力ある人呼んでこい!!!それぐらいなら出来るだろッ!!!」
「それくらい下っ端の鬼でも出来るが………でも皆、わしの言うこと聞いてくれないというか会話もしてくれないからな、休憩終わるまで待て。」
「急いでんだよ!!!!言うこと聞いてくれないと切腹するとかでどうにかしろッ!!!」
「うるさいねえ、休憩時間なんて短いから騒ぐんじゃないよ、馬鹿なガキだね。」
「あと何分くらいで終わるッ!?!!」
「人間の時間で言うと五千二百年くらいだよ。」
「あの世の時間感覚で短いだけだろ!!!!まあ、ゴミにまともな知能期待した俺がおかしいのか…………こいつ実質従業員じゃなくて厚意で面倒見られてる失業者というか患者というか………」
「まあ諦めるんだねえ………グヒッ、いい気味だよ!!!!」
「ゴミが笑ってんじゃねーッ!!!なんか方法無いか少しは考えろ!!!」
「いやじゃ。わし、お前が不幸になった方が面白いし。」
「そんなことでいいのかよ!!!お前、俺のこと結構好きだったんじゃないのか?!!見た目が変わったからって百八十度気持ちが変わるとか、自分に疑問感じないのかッ!?!!」
「相手の見た目が変わったら気持ちが変わるのが当たり前じゃろ。」
言われてみれば確かに当たり前だッッ…!!!!奪衣婆なんかに人生の大切なことを教わってしまったッ!!!!!
しかしここで引き下がるわけにいかない…!!!
「肉体の見た目は変わったが魂はもとのままだ。次に死んだらお前にいいことする……と言ったら?!!」
「!!!!ビョホ!!!!!!挿入してくれるか!?!!」
「ぐは……うおぇ…………素股で許して下さい………」
「うむ、それではお主を救ってやろう。」
全くもって死後に一片の希望も無いな………前向きに生きることだけ考えるしかない…
「さっさと汁をどうにか出来る人呼んできて……」
「ウウム、誰も来てくれんしな……待てよ?そうじゃ、わしの力で救ってやろう。」
「何ビッグマウスこいてんだ。出来ないこと言うなよゴミ。」
「閃いたんじゃ、陰核が刺激されたおかげかの。体表面の液体を着物と解釈すれば取り除くことが出来る。脱がすだけならわしはエキスパートじゃからな、中高年草食男子を脱がす時しかヤル気出さん主義じゃが。」
なんか意外に凄いとは思うが、セリフに不気味な文言が混じってるせいで感心する余裕が無い………
「そいじゃ、わしはそれだけやって寝るからの。お主が死ぬまで用は無いからもう顔みせんじゃないよ。ま、その体、正常な生存能力が欠けとるようじゃし、あまり待たんでいいかものう、ブヒュッ!!!」
空中の映像がモヤモヤぼやけていくかと思ったらそこから奪衣婆の手が伸びて魂の芯から震えてる俺の体に一瞬触れた。
そして手が即座に戻ると共に、映像は消滅した。
俺はハッとした!!!肌のどこにも美液が付いてない!!!!
奪衣婆…………あいつ、言うだけのことはあるなー………未来は考えないで目前の危難が終わったことを喜ぼ……………………………
!!!!!!!!!!!!!
全裸になってるーーーーーーーーーッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!
あの腐蝕婆ッッッッ普通に服脱がせていきやがってッッッ…やっぱ使えねえッッッッッッ!!!!!!
どうすんだ結局ピンチのままだ………床の性愛の水たまりはそのままだし…………
とにかくまず全力で服を手に入れなくては…………!!!ベランダはここから離れてるから洗濯物取ることも出来ないし、台所内に着る物はないのか……………………………………………
探していて、絶対に万難を排してでも気づくべきではないことに気づいてしまった。
上下セット、しかも下着まで付いてる衣装が三着、ある……………よな…ッ…………………
未だ時間停止状態の三人組………………あの服……………………………………
やだよ男の服脱がせて着るなんてッ!!!!!
体はハッピーで火照るが魂が病気になりそうだ……!!!!
やめやめッ、他の手段を考えろ!!!!食材や食器等を組み合わせて着る物を作れないか?
…………いや、それで恥部をかくせてもそんな姿、人に見られたらダメだな……おバカな格好のようだが、美幼女がやってたら笑いや侮蔑じゃ済まない、欲情の牙を存分に惹き寄せてしまう…
何かないのかッ……必ずあるッッ……逆転の発想……………ッッ!!!!!
でも結局三人組の服を着ることにした………………………………。ゆっくり考えてる時間が無いってこともあるが、それ以前に台所で全裸ってシチュエーションに体がはあはあしっ放しでとても頭が働かないのだ。壁に頭ぶつけて我を取り戻そうとしたが、それじゃ下半身の独壇場になってしまうと気づいて……………現実に屈した。
そうと決めたらあいつらが意識を取り戻す前に作業を済ませなくてはならない。脱がせ中に目を覚まされたら………疑問の余地無く途方も無い有り得ない誤解をされてしまうッ………何しろこっちは全裸……性的な解釈以外しようがない、どれ程おのれの性に関わる諸神経を安楽死せしめ、深遠な知性を身につけた覚者だったとしても、窃盗とは気づくまい。
この問題をどう解決するか………三人組はいつ目覚めてもおかしくない。かといって殺すわけにもいかないし……………
雑巾で目隠しさせとくとか………しかしそれじゃ不安だ……
もっとしっかりした外しずらい目隠しが出来れば…………
考えた末、俺は横並びに突っ立っている三人のうち真ん中の奴を選び、足を引っかけて転ばせ、顔面を巨大桃の果肉にめり込ませた。
勢いで首まで潜りこんでる。これは運がいい。よっぽど服脱がすのに手間取っても大丈夫だろう。
窒息?いや、覚醒したら本能的に桃食べて脱出するだろ、問題無い。人間はそう簡単に死なないものだ。
ではちゃっちゃと脱がすか、心底嫌だけど…………………
ハッッッッとした!!!!!残りの二人が目を見開いて俺を見ている……………!!!!!!
視線が肌に、キスマーク付きそうなくらい吸いついているッッ…………
何で二人いっぺんに目覚めんだッッ!!!接近しすぎて俺の体の匂いの刺激が許容値を超えたのか……………?桃に突っ込ませた奴はピクリとも動かないが。
ダメだッッッッ残虐傷害レイプがはじまるッッッッ!!!!!!!!
身構えたが二人はすぐには飛びかかって来ない………………膝がかくんとなり頭を不規則に揺らしている…………………よく見ると、眼球が左右別々にぐるぐる動いている………………口からは、唾液とは別種の、直感的に感じたところではリンパ液じゃないかと思われる液体を垂らしている………
ゾンビ化した………………
二人は俺に向かって来たいようだが、真っ直ぐ歩くことが出来ないようで、お互い進路妨害して壁にぶつかり、そんなつもりはないだろうが廊下に方向転換して、ふらふらと出ていってしまった。
ふう、とため息をつく。
過剰な美が早速、人の世に害を為してしまった……まあ結果としては良かった。
とにかく着衣奪取作業を終わらせよう。しかしやってることが奪衣婆と変わらないと思ったらますますやりたくない……………
こいつの服、果汁染み込んでベタベタするし…………………………………
中止だ!!!
他の手段をあきらめずに探そう。魂の尊厳を棄ててはならない…!!!
正しい心を取り戻したら運命も拓けるらしく、壁にエプロンが掛かっていた!!!!しかも子供用サイズ!!!!
昔風の素朴なデザインで可愛い。喜んで着る。
裸エプロンか…………ああ…鏡見たい…………胸がきつくてパッツンパッツンなのがまたヤバイし気持ちいい…………
だが夢の国に自分を解き放つのは早い、まだ床の濡れ濡れが解決してない。
素早く掃除するには……………院長だったら瞬く間に嘗めしゃぶり尽くしてさらに鼻血で部屋中染めて全ての痕跡消してくれるだろうにな……………
あいつまだ復活しないんだろか……………再起動にそんな時間かからないと思うが……………
危険だけど、大声で呼んでみるかな………
今の俺は強度の発情状態で怠惰になってしまってて、掃除なんて真面目な活動に向いてない。ぼやぼやしてると蜜のようなよだれでまた水たまり作っちゃうし、他の蜜も危ないし……………
仕事を終わらせるために、リスクには目をつぶろう…!!!
俺は大きく息を吸い込み…………可能な限り声を張り上げた!!!!
「居酒屋!!!…いや、幼女ミルクのご利用いかがですかー!!!!千二百円で二時間飲み放題でーすッ!!!!」
つい言い慣れた販促の文句を口走りそうなりつつも、俺はロリコンの耳目が到底無視できない蠱惑的ワードを声高らかに尚且つこの上無く可憐に謳い上げた…………!!!

(続くッッ)

平成ふたなり太平記~天地万象を灼け熱く猛き性欲

平成ふたなり太平記~天地万象を灼け熱く猛き性欲

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • コメディ
  • 成人向け
  • 強い性的表現
更新日
登録日
2017-09-22

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