*星空文庫

疑念妄想

守石 知生(Chise Moriishi) 作

届かない声を胸に
疑念ばかりが膨れ上がる

心の暗闇を吹き飛ばす風も
今は私を避けて通る

湿った空気が躯を包み
疑念の闇を増殖させてく

「己など都合の良い存在なだけ」

躯の穴から忍び込む
湿った空気が躯を満たす

「己など利用価値がなければ…」

私は何?
あなたは何?

私はあなたの何?
あなたは私の何?

何ナノ…?

Re:

私が私を 処する様にしか
君は私を 処せる筈もなく

暗闇の湿原
底なしの沼

私の中に そんなものは
許せぬと 視界を遮り

私のなかの 君だけを疑い
私のなかの 君だけを責め

私が私の「何か」であれば
私が君の「何か」でなくとも

暗闇の湿原 私だけで
すっくと 立っていられるでしょう

底なしの沼 私だけで
静やかに 浮いていられるでしょう

『疑念妄想』

『疑念妄想』 守石 知生(Chise Moriishi) 作

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2017-09-12
Copyrighted

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