マリオストーリー

これはマリオストーリーを小説にしたものです。
一応原作に忠実なつもりですが、キャラ付けは原作とは違うので、嫌な人は注意してください。

序章 始まりはいつも突然に

 ここはキノコタウン。さまざまな人が行きかう街であり、この辺りでは一番大きな街でもある。西エリアから土管に入るとマリオとルイージの家にでる。
「郵便でーす」
 外でポストが音をたてた。すると、家の中からルイージがでてきて手紙をとって家の中にもどっていった。
「兄さん、ピーチ姫からの手紙だ。ふむふむ、今日キノコ城でパーティをひらくからお城で待ってますだって」
「お城でパーティがあるのか。だったら服をきれいにしていかないとな」
「じゃあ、僕は先に行ってるよ」
 ルイージハさっさと家を出て行った。マリオもアイテム整理が終わって家を出て行った。キノコ城はキノコタウンの北側に位置し、東側には星のふる丘という、星の国に1番近いといわれる場所がある。マリオはキノコ城の扉をあけて、入っていった。
「うわあ、すごい人だな。」
 キノコ城の中では、たくさんの人が食事をしたりしていた。招かれた人の中にはキノピオ以外の種族もいる。キノコワールド中から人を招待しているのだろう。
「あ、遅かったね、兄さん。ピーチ姫は2階にいるみたいだよ」
 キノコ城の入り口の近くにいたルイージがしゃべりかけてくる。
「じゃあ俺はピーチ姫に会いに行ってくるよ」
 マリオは階段をのぼっていった。2階から少し階段をのぼった通路の先にピーチ姫はいた。
「ピーチ姫。」
 マリオが声をかけるとピーチ姫がふりむいた。
「あら、マリオ。きてくれてたのね。」
「もちろんですよ。」
 マリオがそう答えたとき、地面がゆれた。
「地震かしら。」
 ピーチ姫が窓の近くによると、ガラスが割れ、クッパと紫色の服を着て、眼鏡をかけた年老いたカメックがキノコ城に入ってきた。
「クッパ!これはどういうことだ。」
 マリオがクッパを見る。
「キノコ城はワガハイのクッパ城で天空に持ち上げているのだ。逃げ場はないぞ、マリオ」
「何ですって。」
 ピーチ姫が窓に近づく。あたりは真っ暗でところどころに星が輝いている。
「クッパ、またしょうこりもなく。さっさとキノコ城を元にもどせ」
「ワガハイに勝てたら、戻してやるぞ。」
 クッパが前にでてくる。
「さあ、ワガハイと戦え、マリオ。」
「のぞむところだ。」
 マリオも、前に進み出る。
「マリオ、気をつけて。」
 後ろをふりむくと、ピーチ姫が不安そうにこちらを見ていた。
「ピーチ姫、だいじょうぶですよ。」
「マリオ、お別れはすんだか。」
「俺がお前に負けたことがないのを忘れたのか」
 そういうとマリオは得意のジャンプでクッパを攻撃する。
「どうだクッパ」
「まだ勝負ははじまったばかりだぞ」
 クッパの引っかき攻撃がマリオに当たる。
「まだまだ。」
 マリオはもう一度クッパにジャンプで攻撃する。
「なかなかやるな、マリオ。しかし、この星の国から奪ったスターの杖があればワガハイは無敵なのだ」
 そういうとクッパは星がついた杖をかざした。すると、クッパの体が七色に光りだす。
「そんな小細工、通用するか。」
 マリオはジャンプでクッパを踏みつけるが、とてもかたく、はじき返される。
「どうだ、マリオ。これがスターのつえの力だ。」
 クッパはもう一度スターの杖をかかげる。すると、星型の衝撃波がマリオを襲った。
「うわっ。」
 マリオはキノコ城の外にはじきだされ、夜空に消えた。
「マリオ。」
 ピーチ姫は窓に近づく。しかし、そこにマリオの姿はすでに見えなかった。
「がっはっはっはっは。これでマリオもお終いなのだ。」
 クッパの声を背中に聞きながら、ピーチ姫は夜空を見つめたままだった。

プロローグ  星とマリオとクリボーと・・・

 

第1話 星とマリオとクリボーと・・・

マリオはどこかの林に落ちていた。
「だいぶひどい目にあったようじゃの。」
 マリオの上にひげをはやした年寄りの星がつぶやく。しかし、マリオは意識を取り戻していない。
「さすがにスターの杖をもったクッパには勝てなかったようね。」
「しかし、ここまでやられるとはな。」
 マリオの上に次々と星たちが現れる。
「今はできるだけの事をするしかない。」
 そういうと星たちがマリオの周りを回りだす。すると、少しだけマリオの顔が明るくなった。
「たのんだぞ、マリオ。」
 年寄りの星がつぶやくと、星たちはマリオのそばから消えた。
 すると林の向こうから足音が聞こえてきた。
「はぁはぁ、疲れた。あら、だれかしら。赤い帽子、ひげ、この靴・・・。マリオだわ。お兄ちゃん、こっちにきて。」
「どうしたんだ・・・。マリオじゃないか。どうしたんだ。」
「ここに倒れてたのよ。」
「急いで休ませよう。」
 そういうとマリオはふたりに運ばれて、林をぬけていった。
 マリオは夢を見ていた。
「マリオ、わしの名はチョール。星の精じゃ。」
 なんと、今マリオが夢で見ているのは、林で助けてもらった年寄りの星だった。
「マリオ、クッパが持っておったスターの杖は星の国の宝物で願いをかなえる事ができる杖じゃ。今のお主では勝ち目は無い。
 あとで、星のふる丘に来るのじゃ。そこで全てを教えよう。」
 星はそう告げるとマリオの夢から消えていった。
「・・・・・・さん。・・・・・・リオさん。・・・・・・マリオさん。」
「ん、ここは?」
「やっと気づきましたね。」
 キノピオが目の前にいて少しマリオは驚いた。
「あれ、確か俺はクッパに負けてそれから・・・・・・。」
「だいじょうぶですか。あんな傷でよく生きていたものですよ。ほっといたら死んでしまいましたよ。」
「そういえば、ひげの生えた星が星のふる丘にきてくれって。」
 マリオがそう言うとキノピオは顔をしかめた。
「でも、ここには誰も入って来ませんでしたよ。」
「じゃあ、あれはいったい。」
 マリオが黙りこんでしまったのでキノピオが声をかけた。
「もしかしてそれは星の国の星かもしれませんね。」
「星の国?」
「はい。星のふる丘は星の国に一番近い場所と考えられていて、そこで願い事をすると願いがかなうと聞いたことがありますよ。星の精はその願いをかなえる星たちなんだそうです。昔

聞いたことだから本当かは分かりませんけど。」
「だとしたら、星のふる丘に行けばいいんだな。」
「そうだと思います。そうそう、ここの村に住んでいるクリボーはみんないい人たちなので間違っても攻撃しないでくださいね。」
 マリオがキノピオハウスを出ると森の中に広がる小さな村に出た。
「あ、マリオさん。元気になったんだね。」
 さっそくリボンをつけた女の子のクリボーがしゃべりかけてきた。
「クリコ、あんまりマリオに無理させちゃだめだよ。」
「分かったわ、お兄ちゃん。」
 そういうとクリコは家のほうへ歩いていく。
「ねえ、マリオ。マリオって悪い奴からキノコ王国を守っているんだよね。」
 こんどは、お兄ちゃんと呼ばれた、青い帽子をかぶっているクリボーがしゃべりかけてきた。
「まあな。でもほとんどクッパだけどな。」
「すごいな。おいらクリオっていうんだ。おいらもマリオみたいになりたいな。」
「そういえばまだクッパ城にピーチ姫がいるんだ。助けに行かないと。」
 そういうとマリオは急いで門の前に走る。
「おや、マリオさん。わたしはクリパパです。クリボーのパパという意味ですよ。」
「それより、早く門を開けてくれないか。まだピーチ姫がクッパ城にいるんだ。」
「もうちょっといて欲しかったのですが、事情が事情ですね。分かりました。」
 そこまでクリパパがいったとき門の上にあのとき、キノコ城にクッパといっしょに攻めてきた年寄りのカメックが現れた。
「マリオ、残念だがお前はこの村から出られないのじゃ。」
 そういって年老いたカメックがつえを上げると、空から黄色い、大きなブロックが現れ、マリオの前の門を潰してしまった。
「くっそ。いったいお前は何者だ。」
「このさい教えてやろうかね。ワシはカメックババじゃ。これでお別れじゃマリオ。」
 そういうとカメックババは空に消えた。
「ああ、せっかく門を新しくしたのに。」
 クリパパがため息をつく。
「しかし、どうやってこのブロックを壊そう。けっこうがんじょうそうだな。」
「そういえば、クリじいがもっているハンマーなら壊せるかもしれません。」
「ハンマー?」
「そうです。クリじいのハンマーは威力抜群ですよ。」
「わかった。ありがとう。」
 そういうとマリオはクリ族の家族の家に入っていく。
「おや、マリオさん。怪我は治ったんですか。」
 入って早々クリばあがしゃべりかけてくる。
「あの、クリじいはどこにいるんだ。」
「ああ、じいさんなら物干し台を修理していると思うよ。物干し台にはそこの扉からいけるよ。
「ここか。」
 マリオは思いっきり扉を開けて、物干し台に足を踏み入れた・・・・・・はずだったが、扉の先には何もなかった。
「うわあああああ。」
 マリオは大声をあげながら下に落ちていく。

第2話 暴れん坊コワッパ登場!

「うっぷ」
 マリオは思いっきり地面にたたきつけられた。
「おや、マリオさんも物干し台から落ちたんですか?」
 マリオが顔をあげると横にクリじいが立っていた。
「いてて、物干し台?俺が来たときには物干し台なんて無かったけど。」
「物干し台はここにありますからな。」
 クリじいはそういうと後ろを振り向く。つられてマリオも後ろを向いた。そこにはぐしゃぐしゃに壊れた物干し台の成れの果てがあった。
「こんなところに物干し台なんてつくるなよ。」
「ははは、つくってしまったものはしょうがありません。」
「それよりも早くクリ村に戻らなきゃ。みんな心配してるぞ。」
「しかし、マリオさん。ブロックが落ちていて、クリ村への道がふさがっておるんです。」
 そこにはクリ村で見た黄色いブロックがあった。
「そういえば、ハンマーは?そいつがあればこいつを壊せるかもしれないのに。」
「ハンマーは落ちたときにどっかにいってしまいました。」
「それじゃあ、どうするんだよ。」
 マリオが頭をかかえる。
「まあまあ、きっとこっちの方に落ちてますじゃ。」
 そういうとクリじいは西の野原に入っていく。
「あっ、まってくれよ。」
 マリオはクリじいのあとをおって西の野原に入った。
 野原は木や草むら、ブロックなどがある。日差しも入ってなかなか暖かい。
「きっとこの辺に落ちているはずじゃ。マリオさんも探してくだされ。」
 クリじいは草むらを探し出す。マリオも草むらを探し出す。すると、草むらからハンマーが出てきた。
「おっ、ハンマー見つけたぞ。」
「そうそう、そのハンマーじゃ。」
 マリオはあらためてハンマーを見る。木製だが、結構強度がある。ブロックを壊したくらいでは傷はつかないだろう。
「よし、じゃあクリ村にもどろう。」
 マリオとクリじいが野原からでようとすると、卵の殻を頭と腰につけた黄色いひよこのような奴が現れる。
「おい、お前たち、ここがおれ様の遊び場だぞ。」
「あいつは、この近くのがき大将のコワッパですじゃ。」
「おい、お前ら。いつまでここにいるきだ。こうなったら追い出してやるぜ。」
 そういうとコワッパがこっちにと突進してくる。しかし、マリオは軽くジャンプでかわす。
「よし、今度はこっちの番だ。」
 マリオはさっき、手に入れたハンマーでコワッパを叩く。
「くそう、少しはやるようだな。よし、パワー全快だ。」
 コワッパはそういうとマリオに突撃する。さっきよりは速い。
「うわっ。」
 マリオは攻撃をかわし切れずコワッパの突進に当たる。
「これでもくらえ。」
 マリオはハンマーを振りかざす。ハンマーはコワッパに直撃した。
「こそう、この借りはいつか返すからな。覚えとけよ。」
 そう叫ぶとコワッパは野原から逃げ出していった。
「マリオさん。朝飯前でしたな。」
「ああ、早くクリ村に帰ろう。」
「そうですな。」
 マリオたちは野原をぬけ、クリ村への道をふさぐブロックを破壊する。
「マリオさん、ここからはクッパ一味のクリボーがいますじゃ。注意してくだされ。」
 ブロックの先に現れた道はなかなか揺るやかだ。クリボーがいなかったらピーチ姫と散歩を楽しみたいな。マリオはそう思った。
 クリボーはいろいろなところからマリオに攻撃をしてくる。木の陰、あるいは石の影、あるいは上の道から。
「何でこんなにクリボーがいるんだ。」
「そりゃあ、ここが綺麗だからでしょう。ワシの勘ですけど。」
「おい、マリオ。」
 ふいに声をかけられて、声の主の方をみる。クリボーとトゲクリボーとパタクリボーだ。
「ここでお前をしまつしてやるぜ。」
 そういうとクリボーが体当たりをする。しかし、マリオは軽くクリボーを踏みつける。
「うわっ、強い。後はまかせた、パタクリボー。」
 そういうと、クリボーは逃げ出す。
「よしきた。」
 そういうとパタクリボーはマリオに体当たりをする。しかし、マリオはジャンプでかわしてハンマーで攻撃する。
「たのむ、トゲクリボー。」
 そういうとパタクリボーもクリボーを追って逃げ出した。
「クリボーとパタクリボーの仇!」
 トゲクリボーはマリオに頭突きをする。
「こんなもの、俺にはきかないぜ。」
 マリオはトゲクリボーの頭突きをよけ、ふみつける。しかし、トゲクリボーのトゲにささってしまった。
「くそっ、痛い。」
「どうだ、俺にはジャンプは通用しないぜ。」
「だったら、こいつならどうだ。」
 マリオは力いっぱいハンマーをふりおろす。
「ぐわぁ。」
 トゲクリボーは叫びながら、二人の後を追う。
「やりましたな、マリオさん。」
「ああ。このハンマーもだんだんと慣れてきたぞ。」
 そしてまたマリオたちはクリ村に向けて歩き出す。
「マリオさん、そろそろクリ村ですぞ。」
 クリじいがそういうと、クリ村の柵が見えた。
「よし、この柵をあけて・・・・・・。鍵がかかってるんだけど・・・」
「あっ、すみません。鍵を開けるのを忘れておったは。」
 クリじいが鍵をさすと、がちゃりとという音とともに柵が開く。
「ふう、なんとか戻ってこれたな。これでキノコタウンに戻れる。」
「マリオさん、わたしたい物があります。ちょっとまっていてください。」
 クリじいが家の中にもどると、今度はクリオがマリオにしゃべりかけてきた。
「マリオ、どこいってたの?」
「ちょっとハンマーを取りにな。」
 そこまでしゃべるとクリじいが家からでてきた。
「マリオさん、このバッチをあげます。」
「なんだ、これは。」
「このバッチはガツーンジャンプという技を使えるようになる代物ですぞ。ためしにつけてみてください。」
「こ、こうかな。」
 マリオは胸にバッチをつける。
「似合ってるよ、マリオ。」
「ほんとにぴったりですな。ここから、キノコタウンまでいくにはマロンロードを抜けていかなければなりませんからな。」
「マロンロード?」
「さよう、マロンロードはクッパ一味のクリボーがおります。まあ、マリオさんには余計ですけどな。それに・・・・・・。」
「それに?」
「最近、クリキングと言う奴がマロンロードに城をかまえておるようで。」
「クリキング?」
「はい、キノコタウンには奴を倒さなければいけません。」
「そうか、まあ、だいじょうぶだろ。」
「そうですね。」
「マリオ、おいらも連れて行ってよ。」
 クリオがマリオに近づいていった。
「マリオさん、クリオは物知りでフィールドのことなどよく分かります。微力だとは思いますが冒険のお役にたつでしょう」
「わかった。こいよ、クリオ。」
「やったー。」
「そうと決まったら善は急げです。急いでキノコタウンへ。」
「わかった。いくぞ、クリオ。」
 そういうと、マリオは黄色いブロックを破壊し、クリ村を後にした。

第3話 初ボス クリキング

 マロンロードはキノコタウンに続く一本道で迷うことはなさそうだ。しかし・・・・・・。
「きたなっ、マリオ。」
「またか。」
 そう、いたるところからクリボーが飛び出してくるのだ。
「マリオ、きりがないよ。」
「しかたない、逃げるぞ。」
 そうして、マリオたちはジャンプ台がある、少し開けた場所で休憩をとった。
「ふう、ここはクリボーはでてこないようだな。」
「マリオって大変だね。でも、クリボーでもマリオをくたくたにできるって、なんかうれしいな。」
「うれしがるなよ。」
 マリオとクリオがしゃべっていると、前から赤いクリボーと青いクリボーが現れる。
「お前がマリオだな。」
 赤いクリボーが口を開いた。
「だったら、なんなんだ。」
「俺の名はクリレッド。」
「おなじく、クリブルー。クリキング様の邪魔はさせないぞ。」
「おまえら、クリキングの手下か。」
「お前らのせいで、こっちは迷惑してるんだぞ。」
「おまえは、たしかクリ村のクリオだな。おまえもクリキング様に忠誠を誓えばいいのに。」
「だれが、お前達なんかに。マリオ。」
「ああ。」
 マリオはそういうと、ハンマーをにぎりしめる。
「俺達と戦う気らしいぜ、ブルー。」
「やっつけろ。」
 そういうと、クリブルーが速攻でマリオにずつきを当てる。
「うわっ。」
「マリオ。これでもくらえ。」
 クリオがクリブルーにずつきをすると、クリブルーは少しひるむ。
「いまだっ。」
 マリオがすかさずクリブルーをハンマーでなぐる。
「ぐわっ。」
「だいじょうぶか、ブルー。」
「おまえもだっ。」
 マリオは間一髪いれず、クリレッドを攻撃した。
「うう、ここはひとまず退散だ。」
 そういい残して、二人は丘のほうに逃げていく。
「あっちはクリキングの城があるほうだよ。」
「じゃあ、まとめてやっつけてやる。」
「その意気だよ、マリオ。」
 クリキングの城はクリレッドとクリブルーと戦った場所とそんなに離れておらず、歩いて2、3分だった。
 クリキングの城は城といっては意外と小さく、マリオの家くらいの大きさしかない。そのとき、城の2階から大きなクリボーが現れる。どうやらクリキングのようだ。
「お前がクリキングだな。」
「いかにも、そして、お前が俺様のかわいい子分を倒したやつだな。」
「そうです、クリキング様。」
「マリオとかいったな。お前など、クッパ様の出る幕じゃない。俺様が倒してやる。」
 そういうと、クリキングはマリオたちの上に飛び掛かる。続いてクリレッドとクリブルーも。
「おっと。」
 すぐにクリキング達の攻撃をかわしたが、その衝撃で近くに生えてきた栗の木から栗がおちてくる。
「いてててて。」
「いまだっ。」
 マリオがひるんでいるうちに、クリキングが体当たりをした。
「だいじょうぶ、マリオ。」
 クリオが近寄ってくる。
「ああ、だいじょうぶだ。でもどうすれば。」
「そうだ、きっとクリレッドとクリブルーはさっきの戦闘で疲れているはずだよ。さきにあいつらを倒せば。」
「わかった。」
 マリオはクリキングの後ろにまわりこむと、クリレッドとクリブルーに奇襲を仕掛ける。
「うわっ。」
 二人はいとも簡単に倒れてしまう。
「あとはおまえだけだ、クリキング。」
「なにをぬかすっ。」
 またクリキングは体当たりをくりだすが、マリオは軽くジャンプでかわす。
「これで、終わりだ、ガツーンジャンプ。」
 マリオはクリキングに思いっきりガツーンジャンプで攻撃する。大きな衝撃がマリオには感じられた。しかし、その衝撃でマリオははじき飛んでしまう。
「マリオ。」
 クリオがマリオに駆け寄るが間に合わず、マリオは地面に叩きつけられてしまう。
「だいじょうぶ。」
「ああ、何とか。ところであいつらは。」
「いまです、クリキング様。」
 クリキングたちは急いで城に飛び込み、自分達の城に立てこもってしまう。
「しまった、逃げられた。
「クリオ、静かに。」
 マリオは城の扉に耳を当てる。少しだけクリキングたちの会話が聞こえたからだ。
「ふう、ここまできたらあいつらも追ってはこれないだろう。」
「さすがクリキング様。」
「ところでお前達。スイッチはどこに隠した。」
「はい、草むらに隠しておきました。あそこなら絶対見つかりません。」
「なんだと、もしマリオがスイッチを押したらどうするんだ。」
「あ、すいません。」
 するとクリキングたちはいきなり大声で、
「マリオー。草むらにスイッチがあるけど、絶対おしちゃだめだぞ。」
 と叫んだ。
「どうやら、草むらにスイッチを隠したらしいね。」
「そうみたいだな。じゃあ、あれかな。」
 マリオは城の隣にある木のそばの草むらを探し出した。すると、青色のスイッチが現れる。
「おっ、これだな。」
 マリオは勢いよくスイッチを踏みつけると、城のほうで音がする。
「な、なんだ。」
「うわあ。」
 すると、クリキングの城が分解し、クリキング達は空へとはじき飛ばされる。
「やったね、マリオ。」
「ああ。」
「あっ、橋が架かってる。」
 クリキングの城の後ろの崖にはいつの間にか橋がかかっていた。
「よし、これでキノコタウンへ行ける。」
「うん、急ごう。」
 マリオとクリオはキノコタウンへと走っていった。

第4話 流れ星と星の子

「星の降る丘に来いって星の精はマリオに言ったんだよね。」
 クリオがたずねる。
「ああ、星の降る丘はキノコ城の北東にある場所だ。行ってみよう。」
 キノコ城があった場所をぬけ、マリオたちは星の降る丘に足を踏み入れた。
「ここが星の降る丘か。」
 薄暗い空から降り注ぐ無数の星を眺めながらクリオはつぶやいた。
 星の降る丘は一日中夜の様な場所であり、常に流星が降り注いでいる。そのせいか星空に一番近い場所と呼ばれている。
「ああ、でもいまは先を急ごう」
 丘をさらに進んでいくと、すこし高いところに出た。
「まっていたぞ、マリオよ。」
 声のほうをみると、クリ村でみた、ひげをはやした星がいた。しかしその姿は霞んでいた。そしてさらに六人の星が現れたが、同じく姿は霞んでいる。
「ワシらは星の精。星の国でスターの杖を守っていた者だ」
「スターの杖・・・・・・。クッパが使っていたやつか。」
「そう、奴は星の国を襲い、スターの杖を奪っていった。そしてワシらはカードに封印されてしまった。たのむ、マリオよ。わしたちを助けてくれ。そうすればクッパの持つスターの杖の力も打ち消すことができよう。」
「わかった。ところでいったいどこに捕まっているんだ。」
「わしは東のノコブロスの砦につかまっている。まずはここに来てほしい。」
「わかった。助けに行くぞ、クリオ。」
「うん。」
「たのんだぞ、マリオよ。」
 マリオたちは丘を降り、入り口あたりに戻った。すると小さな星がマリオたちの目の前に現れた。
「なんだ。」
「あ、マリオさんですよね。僕はティンクっていいます。これ、ピーチ姫からの預かり物です。」
そういうとティンクは星型のペンダントをわたす。
「?ペンダントか。」
「これはアクションペンダントといって、マリオさんの攻撃力を上げることができるそうです。」
「そうか、ありがとう。」
「キーキキキ。見つけたぞ。怪しいと思ってクッパ城からつけてみればやっぱり。さあ、今渡した物をこっちによこしな。」
 いきなり現れたカメックがいきなりさけぶ。
「そんな、つけられていたなんて・・・。」
「だいじょうぶ、俺に任せろ。このペンダントの力も試してみたいしな。」
 そういってマリオは前に出る。
「ありがとうございます。そのペンダントはマリオさんが攻撃する直前に効果を発揮します。」
「わかった。」
「ごちゃごちゃうるさいぜー。これでもくらいな。」
 カメックの杖から魔法が放たれるが、マリオはそれをかわす。
「いくぞ、クリオ。」
「うん。」
 そういうとクリオはカメックに頭突きをする。
「うわっ。」
 クリオの頭突きを受けたところにマリオがすかさずガツーンジャンプで攻撃する。
「くっ、予想以上より強い。ここは一旦引かないと・・・。」
 そういって、カメックはほうきに乗り、空へと消えていった。
「クッパの奴、やってくれるな。」
「マリオ、それよりも早く星の精を助けに行かないと。」
「お願いします、マリオさん。僕ももう一度ピーチ姫のところへ戻ります。」
「わかった。ピーチ姫のことを頼む。」
 そういうとティンクは星空へと消えていった。
「よし、俺たちも行くとしようか。」
「うん。」
 そういうとマリオとクリオはキノコタウンへと戻って行った。

マリオストーリー

マリオストーリー

スターの杖と呼ばれる人々の願いを叶える宝物を奪い、その力で宿敵マリオを倒し、ピーチ姫を手に入れたクッパ。 クッパに封印された星の精たちを解放し、ピーチ姫を助けるため、マリオの旅が再び始まります。

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-08-23

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

Derivative work
  1. 序章 始まりはいつも突然に
  2. プロローグ  星とマリオとクリボーと・・・
  3. 第1話 星とマリオとクリボーと・・・
  4. 第2話 暴れん坊コワッパ登場!
  5. 第3話 初ボス クリキング
  6. 第4話 流れ星と星の子