ねえ、ダーリン?

ねえ、ダーリン?

私たち、似ているわ。


いったい いつから


こんなことになってしまったの


愛することをやめられないまま

何度も抜け出す部屋


ねえ ダーリン?

あなたなら わかる?


ただ2人で居たかっただけ



いろんなものから 逃げて

夜に何度も散歩して

朝から隠れ続けて


気が付けば 世界は酷く歪んでいた

まっすぐ 歩けないほど

正しい色が一つもない街


ねえ ダーリン?


わたしのせいだと言うの?



この手だけは 忘れないように

何度も繋ぎ直して

その度に


傷は増えて わたしの手は汚れていく


ねえ ダーリン?


そのことに 気づいているの?



クレイジー


クレイジー



わたしだけじゃなく

あなたもよ


ダーリン


ほら見て

いつの間に みんな遠くから
指さして こっちを見てるわ


ねえ ほら そして
いつの間にか みんな

私たちのこと見えなくなってるわ




あなただけが居ればいい

君だけ 居ればいい

2人で居たかっただけ

それだけよね



ねえ ダーリン?


わたしたち


クレイジーよ


あなた 気づいてた?

ねえ、ダーリン?

ねえ、ダーリン?

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-08-31

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted