*星空文庫

来世契約説

星空トクマ 作

  1. 死生観っていいものですね。
  2. 2
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死生観っていいものですね。

 いい天気だな、
こういう日をなんていったかな。
とつぶやきながらも心臓発作で亡くなった人、まさか、そんな日に無くなるとは思ってはいなかっただろう人がいる。
その人は、後悔や反省などはなかった、自分のしてきた事に自信があったし
また天使たちが道路に横たわるその体を囲んで祝福をしたので、その彼の自信も間違ってはいなかった。

 天使たちがよいしょ、こらしょと声をあげ羽ばたいて、
天国の扉へと魂を運ぶ。
天国に運ばれたものは宗教家だ、
その装束は真っ白で、観るものをいぶかしむような目で見させる事はあったが
数珠や衣装自体の細かな装飾が
荘厳な風景を漂わせている、
ある国の少数派宗教だった。

天使たちの前に、少数派の宗教家が天国にやってきたのだ。
彼はなぜか、すっかりと気持が晴れたような顔をしていて、
天使も、とくにそれがきになるわけではない理由があった。
そして、大天使に相談をもちかけた。
『このままでは天国と地獄がパンクするそうじゃないですか?』

『あなた、どこでそれを?』
不思議そうな大天使。

『不幸な人間からきいたんですよ、長いですが、話ます?』

『いえ、結構、そこで、何か案でも?』

ごにょごにょごにょ
そして、大天使は叫ぶ。

『なんだって!!』

しかし眉間にしわを寄せて、
雲の上、天国の白い庭園で首をひねりあごにてをあてて考えぬいたあげく、
賛同する。

『仕方がないなあ、何のバグか不具合かしらないけれど、君の運命は不運続きだ、
前世も得に悪いことはしていないのにねえ。
そして少数宗教で認められる機会もすくなかったろうに、本当に人の為を思って布教をして
人を騙す事がなかった、
仕方がない、掛け合ってみよう。』


大理石の床、そして大理石の柱に
肩をもたれかけさせた
付き人の
天使はなぜか流行の音楽をくちずさんでいた。

『ふんふんふんふふーん』

(なんとかウィンプスじゃねえか。)


雲の上は今日もご機嫌な魂で溢れていた。

大天使は、大天使議会に彼が耳打ちをしたその話をもちかけ
その宗教家の名前をつけた。

アガル・ルル法

これは、前世でおこなった因果を来世で償わせる平等の機会を与えようというものだった、
まだ運用試験をしてみなければ
うまく機能をするかわからない
だが宗教家は欺瞞か智恵か、こうささやいたのだ。

『天使さま、人が反省しなければ、来世でも同じ失敗をします、
だとすれば、悪人である事を反省する機会が少し少ない気がします。
新しい法律では、罪を罪と認知できるようにしましょう。』

そして、来世で、罪人とその被害者の糸を結ぶ事にしたのだ

因果の主従関係を真逆にした。

窃盗犯は来世でその被害者によって悪口をいわれる罰を受けたし、

詐欺師は、来世では口下手になって、その事を非難する人間はつねに
その被害者だった。

しかし、ひとつだけ問題がおきたという。

それは、不倫の罪がアガル・ルル法によって
裁かれた時のお話だ。

前世で不倫をした人間。

彼女はアンナといったが、
浮気をされたほうは彼女を猛烈に恨んでいた
そして、ついに、彼女に仕返しをしてしまったのだ、
それは、浮気をするという仕返しだった

そこで天使たちは判断を困ってしまった

『いったいどんな罰を与えたらいいものか』

そして、
結局来世でも二人はくっつく事になった。
しかし、男女は真逆になった。
トムとリサ。

次は先に不倫をしたのは
リサのほうだったが、
彼はリサを許し、
その時に前世の因果はたちきられた。

天使たちは悩みあぐねたあげく、
因果の糸をそのまま来世につなげてしまった。
二人に任せようという事になったのだ。

『来世契約説』

『来世契約説』 星空トクマ 作

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2017-08-14
Copyrighted

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