*星空文庫

輪液から伝う

西園寺リル+美乃アンナ 作

輪液から伝う



   


  



   




 

神様



どうか

このまま

いま見つけないでください。










拡大鏡越しに、もつれる手で揺らすボールペン。


「わすれないで」






横で寝ているあなたに

近寄って

触れてみた

固くってあっつい

愛しくて

思わず口に含んでみた

あなたから漏れる

息で

私の口の中が濡れる

たまらず

そっと口を離し

横たわる

あなたが私に触れてくる

導くと

ゆっくりと

入ってくる。


あいしている。

あいして。







「わすれないでいてね」



折り目の弱い便箋を、名前二文字だけ記す封筒へ。










神様



どうか、

このまま、

眼を覚まさせないでください。




   


  



   




 

『輪液から伝う』

タイトルに苦しんだ。

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich

『輪液から伝う』 西園寺リル+美乃アンナ 作

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2017-08-13
Copyrighted

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