命だけを待つ

命だけを待つ


   



   



   



   



   



   



 




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





明日のおまえの歌を待つ

いや、

おまえだけを待つ

命だけを待つ


なんどでも


なんどでも


いう


なんどでも いうぞ


    いいか、  もう、   


              おまえだけだ


生きていてくれさえすればいいんだ

ずっとこの地上に残ってくれ


やさしいおまえを思い出しながら

夜が心細い

糸のように


ノミの心臓でノミの心臓の命を願う

夜にすがる

いま


祈りを棄ていた

だが

祈る

どうか

やわらかい明日をあたえてくれ


濁ったものなんて

なにひとつないこころ   ずっと生死を考えた



   



   



   



   



   



   



 

命だけを待つ

故人の存命中に書いた。

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich
先端KANQ38ツイッター https://twitter.com/kanq38

命だけを待つ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-07-30

Copyrighted
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