おやすみ

おやすみ

   



   



   



   



   



   



 



一時期笑った

一時期支えた

一時期苦しめた

一時期夢を見た

一時期苦悩した

一時期を分け合った




一時期なのか、これほどまでの恋が




一時期が

終わりで

すべてのうちの どれほどになっただろう




“リル、あたしを忘れるの?”

“ありがとうね、ありがとうね”



苦悶の息で おまえは告げて、潰えた




終わりは

残りの永久か




おまえはまだおれの詩歌を待ってくれるだろうか

なんのために書いてきた傷のない歌か

自分のためだけに書いたのではなかった

唐突に消えて

今までがわからなくなった

今日だって書いていた

すべてが誤算に消える

計算などあるはずもなかった

あっけない  

数行の朝




眠りたくない

眠っている間も

目が覚めてからも

いろんなものが降ってくる

同じ時間が継続することはない

でも傷みは傷みだ

最後の最後で

おまえにしくじったおれと出会った

おまえが哀れで

おれが許せず

結末が過ぎていかない




いま呆然としている

空虚の中から

歩くだろう

悪人ではないが

良い人間ではなかった

決して

最後まで おれは




おまえが綺麗だった




避けられなかった終わり

予期でも 唐突でもなく 消えゆく

・・・・・・終わった



「生きなければ」

ちぎって かじる 涯てから 朝焼けに誓う

        「生きなければ」




詩は終わるだろうか

あの詩たちは永久なのか

誰に言うでもなく 



           「おやすみ」

   



   



   



   



   



   



 

おやすみ

寂しいですね。

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おやすみ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-07-19

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