あてな

暗い昼に それとなく
わたしの 背中に
蔦をまわし
手相を確認して
わたしのことを
わたしより 思慮する

告げられた ひび割れの
始発電車が
赤胴色の
溝に沿って
彫り刻まれた
線路を たたん たん と
進むのです

言葉を 信じたくない
あなた に
わたしの言葉を 添えるのは
それでも
あなた という
宛名は 温かいから
耳たぶに 感じた 吐息みたく

あてな

あてな

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-07-17

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