舐めた銃創

舐めた銃創

   



   



   



   



   



   



 



撃たれて

蜂の巣

身を伏せず

ただ最後の優しさで撃たれ続けた



“Je ne t'aime plus(もう愛してない)” だなんて 

少年と少女に救いがないさ

“Salut!(じゃあね)” でよかった



良い人間じゃなかった

悪者ですらなかった

銃創だけを舐めた



歌や思い出の以前だった

いまはただ背負う

昨夜起こった 小さな審判の日



トマトのパスタ食べたいな

いままですべて 投擲してきた

パスタ食べたい



「人々」の正しさはどこにもなかった

「人々」が 

「人」だけになった



「もうどこからも気持ちも勝ち目も生き残りも消えたんだよ」

Cloudy が 赤い



Elegy が 白い

誰にも黙して手のひらに秘め悲喜劇を閉じる

   



   



   



   



   



   



 

舐めた銃創

映画を撮るように書く。

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich
先端KANQ38ツイッター https://twitter.com/kanq38

舐めた銃創

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-07-12

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