Oxygen

肺胞に染み渡る酸素
風に乗って届いた透明な空気の匂い
あの─空を変わらずに照らす太陽の光
ここ─に残された時の忘れ形見
曇天の草原を吹き渡る風
遠くから忍び寄る夕闇の空─
いつまでも子供のままではいられない

古い記憶の中に刻み込まれた
焼きリンゴのとろけるような甘み

花の彩に心休め─る
葦に宿る朝露は
誰かの零した涙─の欠片
北の空─に架かるオーロラは
遠い瞳に映る幻惑の色
白い息が凍てつく寒さ
霧中の湖に─浮かぶ花束
古都の石畳に散らす紅葉
窓の外に音もなく─降り積もる雪

あのむこうの高みに登っていく箱舟
人っ子一人いない─ビルの─静寂
仮想現実の中の美しき大地
暗闇─の中で手をかざす魔術師
乾いた心を潤していく光の粒

ほんとは誰だってそうなんだろう
事件は会議室─で起きてるんじゃない、
画面の中で起こっているんだ!——

いつか心の中に思い描いた
漆黒に浮かび上がる青嵐

ただひたすら瞳の奥に潤いを求めてた
その後釜はどれが埋めるのか

論理が生み出す形無き神秘
ガラス玉の中で屈折した想い
新世代に残された反抗の凱─歌
卑しさなど生活にはつきものだと─
わざとらしいreboot─は躓くばかりで
ほんとは誰もが何かに依存していて
暴露癖─は未だぬぐいきれぬ(さが)
自由という名─の幻想─が生み出す力
愛という名の電気信号
それは未だ絶えることのない鼓動

To near you, to be free.

現実歪曲空間をくぐって
いつしか嘘─は真実になる——?─

Oxygen

Oxygen

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-06-30

Copyrighted
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