砂漠の旅 23

彼が心の痛みに気づいたのは彼がいつも起きる1時間ほど前だった。激痛だった。ただ彼は横になって寝たその姿勢のまま浅く息をしてじっとしていた。動悸が止まらなかった。

(ああ、脳が暴走してる。体が溶ける)彼は思った。彼は「正しさ」と「それ自体」の狭間にある時に体が溶けるのかもしれない。そしてそれはけして悪い事とは言えないはずだ。
ゆっくりとしたスピードで彼は半壊になってゆく。

茶碗の再生の力は彼の崩壊に追いつかなかった。しかし彼は恐怖を感じなかった。えぐられるようなやりきれない心に比べれば、半壊になることに何の感情もわかなかったし、彼は茶碗を、そして茶碗の変化を信じていた。安心して信じていた。

彼の手に握られていた茶碗はそのまま彼の半壊の体に飲まれてゆく。彼は今までの様な脂質と肉の塊、ではなかった。「そのままの青年の容姿」と「油泡と肉の塊」の間の様な、何とも言えないへんちくりんな状態を保持した。(その姿は割と彼自体なのかもしれない)
しかし彼は死んでいない。彼は少し、長い夢を見た。
蜃気楼の穏やかな町の夢を。
ちなみにそこは彼が次に向かう「嘘の町」ではない。

砂漠の旅 23

ちょっと無理な転調だったかもしれない…。ちょっと辻褄が合わない感じになってしまいました。急に変わってしまってすみません。21までな感じの方がよければそうします。ご意見お待ちしております。
ちなみに21までな感じはまたやってくるかも。お楽しみに!
しかしほんとにもう手持ちの玉がないっす。完全に推敲が追いついておらず、22、23も文章にできてない部分が多い気がします。投稿のペース落とすかもしれないです。どうかご了承くださいませ。

砂漠の旅 23

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 冒険
  • 青年向け
更新日
登録日
2017-06-21

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