アンナさんは元気ですか

アンナさんは元気ですか


   



   



   



   



   



   



   



いつでも

恋しい

空をみて 

風が吹いても

泣きそうになる

あんまりにも恋しいから

忘れるために

口内炎の口

激辛MAX食べたり

縄跳びしたり

スクワットしたり

でもやっぱり

身体が愛しい

気持ちいいから

SEXは

気持ちいい運動だから



あなたの過去

すっごいスケールなの

スケールがすっごいの

あたし

自信なくしちゃう

きっと

愛しあった女のなか

一番ヘタなんじゃないかな

あたしのSEX

それでもね

あなたの街 行くの

ぐるぐる渦巻き 見るの

きっと見る

見たいの 渦巻きの海 



ときどき

アンナさんは元気ですかって

あなたに訊く

元気だよ、

だって君のことだよ

あなたが言う

あたしのことだけど

あなたが名づけた名前だけど

ときどき

あたしは

見守ってる

あなたが語る

あなたが書く

アンナさんを祈っている

あたしがいる



あたしに

アンナさんを名づけた彼は

本当に

初めてのこと

いっぱいくれる

たとえば「かわいい」

誰にも

言ってもらえなかった

恋人なら

当たり前なの?

「色っぽい」なら

言われたけど

彼以外に

男を知っていても

これは初恋

初恋と決めたから



ママをなくしてから

屋上がいつも

居場所だったあたしは

ずっと前から

もう人に関心がなかった

SEXを知ってからは

ますます人から心が離れた

エクスタシーなら

自分ですればいい

そんなことすら思った

彼に会って

切ないや恋しいが

あるんだと知った



彼は寂しそうだけど

彼の寂しさは

きれい

でもあたしは

本当に本当に

寂しい

虫の心臓のように

寂しい

彼が激しく

あたしに怒る

そんなとき

彼になら

ころしてもらっていいと思う

それを彼に言うと

寂しそうだけど

でも本当

それ変なのかな



ベランダから

飛び降りるって言ったとき

おろおろする彼

かわいそうに思えたけど

すこし

かわいかった

やさしくしてって泣いた

彼は本当はやさしい

でもあたし

言葉足らずだから

不器用だから

彼の細い神経を

刺してしまう

いつも泣く

彼に泣く



うれしくても

かなしくても

彼で泣いてる

本当は

怒っていい

ガミガミでいい

学校のテストの前日だって

荒れてもいい

離れなければ

あたしに飽きなければ

彼が怒って

あたしの38度の熱

でもたかが微熱

いてくれたら

彼があたしに

楽ならいい



どうか

彼に

あたしの中に

出してほしい

いつでも屋上にいて

死にたがっている

あたし

彼は

生きていいんだと言ってくれた

いつも死にたいから

中に出してほしい

早く命を残したい

彼と生きたい

生きる理由

ほんとにそれだけ

彼の子を産むの



だからあたし

いつか行く

ぐるぐる渦巻きの

彼の街

甘く愛しあう

熱い子作りよ

大きなお腹で

大学生

官僚でもなるわ

詩書きの一人ぐらい

養うわ

誓うのよ

明日も大事なテスト

でもいいの

熱のときは優しい

毎日熱でないかな

リル、優しいから



   



   



   



   



   



   



   

アンナさんは元気ですか

とにかく書く。

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich
先端KANQ38ツイッター https://twitter.com/kanq38

アンナさんは元気ですか

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-06-18

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted