こい

どんな感情?

いつの間にか誰かを目で追っている。

そんな恋がしたかった。

好きって何だろう。
嫌いって何だろう。

考えても考えてもよく分からなかった。

とてつもなく退屈だったあの日。

彼のことを好きになろうと決めた。

「彼」は、お調子者で、軽口を叩くのが好き。
私のことを独特のあだ名で呼ぶ。

その声を聞くたび、心臓が波打つ。

彼と同じ委員会に入りたい。
彼と隣の席になりたい。
彼とお喋りしたい。

憂鬱だった毎日は、何となく色を変え始めた。

ああ、なんて幼かったんだろう。

ただ、がむしゃらだった。

ガリ勉だった私は、ますます周りに溶け込めなくなった。
そんなことにも、気づかないくらい子どもだった。

こい

こい

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-06-13

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