睡眠中の夢
目が覚めた時、忘れてしまうことが多いのは、
夢があまりにも現実離れしているため
記憶を引き出すツマミができないから。
1.猫
猫に下着を盗られる夢を見た。
覚えてもいなくて、メモにそう書いてあった。
筆跡からして自分が書いたに違いないが、書いた記憶もない。
何時、どこで、どんな猫に、何の下着を、どのようにして、
盗られたのか書いておけよ!と思った。
2.パソコン
天体の絵を自動生成するソフトにはまっていたら、
強い眠気に襲われて眠りながら無効な文字を打ち続けていた。
眠気が一瞬弱ったとき気づいて横になって寝ていると、
夢の中でもパソコンの画面を見続けていて、
ただしそれは呪いのソフトであり、
出てくる指示に従わないと死んでしまうようなもので、
平面的な単色の背景に意味不明な貧弱なものが見えた。
書いていると笑ってしまうがその時は本気で怖かった。
ウェブ上で作った本が全部消えてしまった夢を見た。
消されたのか故障なのかわからなかったが、
ログインもできなかった。
しばらくの間その夢の記憶を現実だと思っていて、
心の底では「どうでもいい」という感覚があって
バックアップしてないから、別のサイトで
再び一から作り直そうなどと考えていてるうちに
夢だったことに気付いた。
3.トイレ
トイレに入ったら、
いつも天井から水滴が落ちる箇所から
鍾乳石ができて垂れ下がっていた。
夢の中だけの家で洋式の便座に座ると
左の壁一面に本棚があり、読んだことないが
興味深い本がびっしりと並んでいた。
時計の秒針の音が妙に耳につくので辺りを見回すと、
多数のいろんな時計が壁や天井にまで貼り付けられていた。
すべて稼動しているが指している時刻が皆違っていた。
4.あり得ない感情
こんな夢を見た。
アンドロイドが人間の代わりに危険な仕事をする世界だった。
その世界で私は女性型アンドロイドだったが、
男性型の特定の一体に恋愛感情を覚えていた。
ただしそれは、人間ではない機械だから
そんな感情など絶対ありえないものであり、
何かの勘違いであり、否定すべき感覚であり、
解消しなければならないエラーだった。
しかしなぜか、私はその感情のまま動くことを選び、
彼に抱きついて言った。
「私はあなたを愛している、あなたと結婚したい。」
5.不気味な生物
カマキリの顔を見ていると、
それが下から沸騰して人の顔になっていった。
マンション最上階の家で留守番をしている時、
網戸にオオワシがとまっていたが、
怖くて遠巻きに見ていると、
時間とともにくちばしが網に食い込んでいった。
かごの中に豚と貝が入っていて、
貝が不気味な管を伸ばして豚の体に取り付いて、
消化液で豚を溶かしていく様子を見ていた。
豚を全部溶かして食ってしまった貝は
大きくなって変身して、
人の姿になってどこかへ行ってしまった。
一匹の蛆虫が風呂の湯の中にいて
見るたびに少しずつ大きくなる。
洗面器の中に入れておいたが、
目を離しているうちに
洗面器の直径ほどに成長していた。
みるみる洗面器からはみ出すほど大きくなって、
ついに口をガバッと開けた。
姿は太短い蛇のようだった。
そこで恐怖を感じて私は叫んだ。
「お父さん、助けて!」
夢はそこで覚めた。
腰の左側というか左脚の付け根の外側に、
細長い腫れ物ができた夢を見た。
触っても痛みはなかった。
同じ夜なんだけど夢の中では別の日に、
その腫れ物が皮膚の外側に出てきて
太腿にくっついていて、まるで寄生虫だった。
一匹だけど親指くらいの太さで紐のように長い。
家族に見せると彼はそれをひょいとつまんで地面に捨てた。
その虫は地面を素早く這って、
公園の売店の中に入っていった。
6.転げ落ちそうな地面
隆起と陥没だらけの地面の上で、
しばらく過ごさなければならない夢を見た。
同じような夢は昔から何度か見たことがある。
その地面の凹凸は人の大きさよりはるかに大きいので、
くぼんでいるところには水が溜まって池になり、
凹凸の間が急な坂になっており、
そういうところに足を踏み入れると転げ落ちてしまう。
陸地は乾いた砂なのに、池は深くて底が見えず、
ぬるぬるした水草やぶよぶよした生き物が
浮遊している気がしてならない。
以前に見た似ている夢では池に入って泳いでいた。
なぜかそこでしばらく遊んでいなければならない事情があり、
気持ち悪い生き物が触れることはなかったが、
池の底が見えないことに不安を覚えて、
さっさと乾いた砂地の陸地にあがった。
後でその場所から解放され、
飛行船のように空中をゆっくり進む物に乗って、
低めの上空から広い範囲の風景を眺めた。
7.世界が終わって始まるような風景
何日も何年も?続く大雨の後、
厚い雲で真っ暗だった空に、
いろんな色の光が現れ、それを眺めていると、
父がそばに来てこう言った。
「珍しい光景だからよく見ておきなさい」
それから何日か、何年経ったか、
水浸しだった不毛の地面に緑が茂って、
適度な湿度を持った透明な空気がそよ風になった。
変わる前の風景が無数の高層ビルが立ち並ぶ
別世界だったことを忘れようとしていた。
8.恥ずかしい刀
その日、何にするか悩んで着た服が
何だか変な感じなので鏡で確認すると、
大小の刀を二本、帯に挟んでいた。
それで女らしい格好のつもりだった
自覚の無さに恥ずかしくなったけど、
その武器はどうしても必要なので
どうしようかますます悩んだ。
という夢を見た。
睡眠中、自分の右手が棒を握っているのに気付いた。
その棒は自分の股間から生えていた。
なんだこれは?それが何なのか気付くのに数秒かかった。
これはもしかして陰茎?
何だか余計な物が生えてきたものだ。
先端をいろんな方に向けながら触っていると、
夫のより細いけれども長い。
バナナくらいなものだった。
「陰茎ってこんな感じなのか、ははは!」
と思いつつ、あっという間に慣れた。
そして次の瞬間、目が覚めた。
あれ?私は女だったんだっけ?
自分が誰だったか思い出すのに数秒かかった。
9.浮気の夢
小柄な独身の男を横から抱いて
「あなたと先に出会っていたら
私はあなたと結婚したかった。」
などと自分が言う夢を見た。
しかも、その夢は二度めで、
最初に見た夢の続きだった。
その男は現実に存在しない
夢の中だけの人だった。
しかし今度は、彼の反応を見たり
返事を聞く前に目が覚めてしまった。
好きでもない男とセックスしている夢を見た。
生々しい話は省略。
面倒くさくて気持ち悪かった。
なぜか空中に奇妙な人形が浮かんでいて、
生きているというか魂が宿っているような物で、
人形といってもよく見ないとそうだと思わないような、
なんとなく頭と手足のある木片の下腹部に
刃物のような金属の棒が刺してあった。
私はその棒を木から抜いた。
手足のあちこちがかゆくてよく眠れなかった。
ところが夜明け前に急な眠気に襲われて夢を見た。
その夢に、以前好きだったが興味なくなったはずの
「ひきこもり君」が出てきて、彼は現実そのままの姿だったが、
私はなぜか美しさを感じてクラクラして腰が抜けた。
そして、このチャンスを逃がしたら終わりだと思って
彼に「私はあなたが好きだった」と告白した。
その直後に夢から覚めたが、なぜか金縛りになっていた。
恐怖感はあまりなかったものの
金縛りが非常に嫌なので即刻解こうともがいたが、
これまた強烈なチカラで縛られていて解くのに難儀した。
夢の中で私は現実の自分とはまったく別人で、
未婚か既婚かもわからない。
二股とか浮気とかいう、恋人が二人いる夢を見た。
一人は何も知らなくて、
もう一人は私の浮気を知っていた。
どちらの男も現実とまったく関係のない夢の中だけの人だった。
浮気を知らない男といっしょにいる時、浮気を知る男が来た。
知らないほうは何を見ても疑わない、怪しまない。
私以外に本当にまったく無関心なのだ。
私は知らない男に「今日はここまで」と言って別れ、
知る男といっしょになった。知る男は、
知らない男と私が話していた恋人同士の造語を気にして
その意味をたずねた。
私は「何のことかしら?」と返した。
相手が違えば私はもう別人であり、
別人のことなど記憶になかった。
しかし、肉体は同じなので思い出すことはできる。
しばらく後で私は何のことをたずねられたのか理解したが、
知る男は私の「何のことかしら?」という言葉で、
自分が知りたいことを得たようだった。
10.子守唄
いろんな人がいる公園のような所で、
そばにいた知らない女性が、
彼女の連れている一人の友人か恋人か家族かに、
まるで子守唄のように歌って話していた。
歌というのは普通に話すのと違って
言葉はゆっくり進んでいくが、
集中していないと聞き取れない。
私は彼女の言葉に耳を傾けていて、
その内容が日常の些細なことなのを聞き取った。
11.癒着母子
女が電車の中で座っていた。
最初は女の顔しか見えなかったが、
その女が顔を少し動かすと、
下から子供の顔が出てきた。
しみの多い汚れた女の顔とは違う
子供の肌はつやつやしてきれいな感じだった。
そして、その子供の父親がそばに立っていた。
彼は子供のことをまともな頭で考えていた。
女はいわゆる母親なんだろうが、
子供を育てるような大人ではなく、
子供を玩具にしている大きな幼児に等しい。
父親は自分の責任に悩んでいるようで
私に何か話しかけてきた。
私は「お子さんに同情します。」と言った。
父親も私も母親の姿をした大きな幼児を責めなかった。
引きこもりの男性が自分の顔の
でっぱったところを切り落とし、
手の皮を厚くはがすように切り取るのを、
背後霊のように見ている夢を見た。
なぜか血は一滴も出ていなかった。
昔から何度も繰り返しているうちに、
切り取るところに血が通わなくなったからなのか。
彼が自らすすんでしているわけではなく、
彼の母がそうさせていた。
ある日、彼の母宛に脅迫状が届いた。
筆跡は彼と同じだった。
母の陰湿な虐待に耐えかねた彼が
ついに復讐し始めたかのようであり、
母が通報したことで周囲の人たちが騒ぎ始めた。
しかし、私は知っていた。
脅迫状は彼の母が彼の筆跡を真似て書いたのだ。
彼は母を愛しているだけであり、
復讐などする者ではない。
12.練習できない演劇
まるで学校の文化祭みたいな夢を見た。
たまに同じような夢をみる。
演劇の悪役が忙しすぎるため
一瞬だけその悪役の代わりをやらされることになっていた。
覚えているのは台詞だけ。
化粧と衣装は同じだけど、
元の容姿が違うので同じ悪役に見えない心配や、
「なりすまし」役に見える心配もあった。
しかも、練習していなかった。
同じような他の夢でもいつも練習していない。
13.卒業できない夢
大学で授業を受けていて、
内容がさっぱりわからなくて困っている夢を見た。
現実に卒業した大学でも似た状況があった。
私には大学なんて無理と同時に不要だった。
大学というのはもっと頭がよくて、
自分で研究したい何かを持っている人の行くところだ。
夢の中にいた私以外の学生たちも、
自分で決めたテーマの研究成果を積極的に報告していた。
その内容も私にはまったく理解できなかった。
自分の無知や無能さで大学を卒業できない夢は
昔からうんざりするほど何度も見ていて、
夢の中でも退学したいと思った。
また大学に通っている夢を見た。
現実では卒業した大学を精神的に卒業してないのだろう。
最近、夢では退学しようと決めたのに、
今度は卒業研究に進もうとしていた。
現実と同じように私は最低必要な知識も技術も持っていないので、
自分が何をすればよいかわからず途方に暮れていた。
夢の中でも卒業しなければならないだろうか。
自殺しようとしたあの日、おかしくなって別人になって
そこから精神的時間が止まっているからか?
今度の夢では研究室を決めねばならず、
現実と似ている研究室を選ぼうとしていた。
現実と同じ道を歩むべきなのか?
それとも、いつまでも卒業できないままでおればよいのか?
現実ではまともに何もできなかったが、
論文を形だけでも提出すればよいだけだった。
日本の大学にまともな学校はほとんどない。
私は小学生の自由研究並みの無知で
幼稚な論文を書いて卒業させてもらえた。
夢でも同じことをしろと言われても私は嫌だ。
母の夢を叶えるためでしかなかった卒業や就職だった。
こんな無意味な虚しい芝居はやめたい。
自分がまだ大学生で卒業できそうもない夢を見た。
こんな夢は百回見たかもしれない。
現実に卒業した大学は、今から思えば
卒業せねばよかったという以前に、
入学自体が過ちだったかもしれない。
本当は中卒ですぐ就職したかったし、
それが私にとって幸福な人生の道だったと思う。
成績が学年トップなのに名門高校を受けずに
就職するなんて選択肢があるわけがなく、
母や教師の勧める高校を嫌々受験して、
しかもその入試の重要そうな問題に
支離滅裂な解答を書いたのに合格してしまった。
高校では決して成績は良くなかった。
そもそも私は心臓肥大と低血圧で脳の血が足りなくて
頭を働かすのにストレスを感じるほど努力が必要で、
学問なんぞ苦痛でしかなかった。それでも予備校に通い、
大学までも名門校を受験させられ合格して卒業してしまった。
その後はさらに大手コンピュータメーカーの求人に乗せられ、
面接でろくに話すこともできないのに採用され、
本質的にアホな私に無理な技術を求められる職場で、
ろくに仕事ができないまま十年以上耐えて限界になって退職した。
今までの人生すべて無駄な失敗だった。
今回の夢の中で自分はまだ大学二年~三年だった。
ただし、今回気付いたのは現実との時間の差だ。
夢の一年は現実の十年に相当しているように感じた。
だから、卒業するならまだ二十年ほど
同じ夢を見ることになるだろう。
しかも、現実の在学中に感じていた重苦しい不快感や
報われない苦労と同じ感覚があった。
そして、余計なことを思い出した。
高校から大学時代、自立しようと頑張る私を
なぜか許さない母は以前にもまして
意地悪や嫌がらせを繰り返し日々エスカレートしていた。
そのストレスで生理が半年来ない時期があった。
14.名を交換する夢
私は背後霊のような存在で、
一定期間ある女性を見つめていた。
あの世の書物に彼女の名がすでに記載されていたが、
彼女は世に認められるまでその名を知らなかった。
ある日、彼女はこの世で記載通りの名を与えられた。
その時、彼女は私の名を目にして、
与えられた名ではなく私の名が欲しいと言った。
私は彼女と名と入れ換えることにして、
彼女は私の名を得た。
どちらの名も漢字のようなものだったが、
現実には無いし記憶がぼやけたので表現できない。
15.父の家
父と同居していて、
一部屋を占領するほどのプラモデルを作ろうとしている夢を見た。
しかも、その完成形は列車か高層ビルのような箱型の、
現実には見たことのない乗り物だった。
父と同居している夢は他にもあって、
室内の構造がリモコンで変えられる家の中にいて、
前もって教えられていたものの、
変わっていく部屋の中でおろおろしていた。
現実とは異なる実家にいて、
朝起きて顔も洗わず何も食わず
そのまま出勤か通学かで外出しようとしている夢を見た。
なぜか両親は不在で、
父の複雑怪奇なオーディオ機器一式の
無駄な電源を切ろうとしているが、
電源スイッチがどこにあるかわからなくて探していた。
同じような夢を過去にも何度か見たことがあって、
家は毎度違っていても、「見た目は奇怪だけど
同じ趣味の人にはこんなのが格好良いのだろう」
という感じのオーディオ機器が必ずあって、
私はそれの使い方がさっぱりわからなくて、
タイマーで自動で動き始めたりするのをただ見つめている。
そして、遅刻しそうになる。
夢の中ではいつも完全に遅刻だ。
16.生首の夢
会社が移転する説明会を、
会社から離れた集会場へ聞きに行く途中、
他の人たちとは違う道をひとりで通った。
その道は運河の横にあって途中、
草木が繁茂していて枝を避けながら
まっすぐ前を見ずに歩いていると、
木の枝のところどころに
千切れた布切れがたくさんからまっていた。
そして、視界の上半分に不気味な物があるのに気づいた。
見えているのは死人の首の下半分で、
その首は一つの枝に刺さっていた。
上半分は茂っている草木に隠れて見えなかったが、
それはすぐそばにあったのだけど、
首全体を確認する勇気などなくて、
その場をさっさと通り過ぎて、
目的の説明会に出席した。
説明会が終った後、
死人の首を見たことを警察に通報したほうがよいか、
通報するならもっとはっきり確認しなければならないと思い、
同じ道を再び通ろうとすると、
監視しているような人が立っていて、
通るにはカネを払えと言った。
その人にカネを払って先を進んでいると、
結婚式の行列に出会った。
その行列の中の一人がなぜか私にこう言った、
「ここから生首が見えるのですよ」と。
夢はそこで終わって目が覚めた。
17.医師が殺された
夢の中だけに存在する、
ある名医のいる病院に行ったら、
広い待合室が大勢の患者で埋め尽くされていた。
何十分待ったか、
やっと診察開始の時刻になって、
その医師が待合室に姿を現したが、
最初の患者を呼ぶわけでもなく、
くだらないパフォーマンスを始めた。
こいつはテレビでこういう芝居を宣伝されたから有名になっただけか、
と夢の中では思わずただ待っていた。
そのうちトイレに行きたくなったから用を済ませて戻ってくると、
待合室が大騒ぎになっていて医師が血まみれになって倒れていた。
18.遅刻する高校生
また見た、同じ夢、高校に遅刻する夢。
変なことに、今の歳で高校の制服を着て、
なぜかもう一人いっしょにいてくれる人がいて、
今の歳のまま昔の高校に行こうとするわけで、
交通機関や周囲の建物が当時とまるっきり
違うところを迷うのは当然で、
気付いたら駅前の巨大ホテルの中にいた。
そんなホテル昔はなかった。
現実で遅刻したのはたった一度。
しかも、登校先はふだんの校舎ではなく、
知らないスポーツ施設の水泳教室の初日で、
当時体調が悪くて遅刻しないほうが無理だった。
体調悪いのなんかで欠席するの許されなかった。
親が病気だと認めない激痛の医師の診断書なんかあるわけないから、
体のどこが悪いのか説明できないし、
遅刻した他の生徒たちといっしょに長い叱責を受けた。
19.人をさばく夢
二人の男が一人の男の死体を横たえて
とんでもないことをしていた。
鼻から上の顔面を筋肉ごと切り取って、
次に両脚をぶつ切りにしようとしていた。
近くの隠れた場所からこんな声が聞こえた。
「今日は何を食うの?」
醜い女の腹から摘出した奇形の胎児を切り刻む夢を見た。
胎児といっても手足が無く、ほとんど肉の塊だった。
その夢は昔に見たのだけど、
その意味が最近わかる感覚を得た。
醜い女は祖母を表し、
奇形胎児は母と私が癒着したものを表す。
奇形胎児の内臓に別の胎児が内包されていて、
私はそれを取り出そうとしていた。
20.二度見た夢
以前、夢の中で死んだ友人が、
夢の世界ではやはり死んだ人のままで、
現実に二人でいっしょにやろうと話していたことが
できなくなったと思っている夢を見た。
今、思い出すとそれほどのものではない男の顔を見ていて、
その時は世界一美しいと思った。
彼の目を見ていると美しさのせいで
私は身体の力が抜けて静かに倒れた。
彼は身分の低い人で、
自分は大金持ちに買われたと話していた。
その夢は二度目で、一度目とまったく同じだった。
その後、違う場面で古い友人と二人で牛乳を飲んでいた。
あまり美味くないなどと話しながら、
彼女と私の手を重ねて違いを見ていた。
彼女の手はやや濃い色で健康的だった。
私の手は緑っぽくて病気のような感じだった。
これと同じ夢も二度見た。
夢の中だけに存在する観光地に
知人のグループといっしょに行っていた。
似た場所は現実に存在しないと思うが、
海面が巨大な階段状にそそり立つような人口の地形があり、
その階段の両端を猛スピードで通り過ぎる列車があり、
いっしょに来ていたグループの人達は最初、
その階段の左端で階段の頂上に登る順番を待っていた。
順番が来て巨大なコンクリートみたいで座席のない円盤に乗り、
階段の頂上に到達する直前、
円盤が九十度傾くような不思議な動きをしたのに、
円盤から落っこちることもなく
周囲の風景が九十度傾くこともなく、
天地がひっくり返って同じ風景に戻ったような感じを覚えた。
その瞬間に現実では味わったことのない感動を覚えて、
知人が興奮してその場に関係のない話をしゃべり始めた。
私はその時、「感動をこんなふうに私が話して
聞いてくれる人はどこにも一人もいない」と思い、
孤独と寂しさと悲しみを感じた。
その夢の中では、その観光地での感動に似たものを
味わえるシミュレーションゲームが存在しているらしいが、
私がその場所に来たのは二度目だった。
21.どうでもよい夢
巨大な神殿のようなビルの中に入る夢を見た。
この大きさは空調設備が古いためだと、
そばにいる人が教えてくれた。
用事があって数人いっしょに中に入ると、
劇場のような広い空間があり、
客席にあたる場所が木造の階段状になっていて、
踏むと沈むような薄い板でできていた。
階段のところどころに硝子の窓付きの部屋があり、
その両側は谷底のように深い構造になっていて、
そこに落ち込まないように歩こうとして
周囲の薄い板につかまると手が痛かった。
部屋の窓の内側に、
争うことを戒める言葉がいくつか書かれていた。
同行者の奇行で電車に乗るのに二度失敗して三度目に、
同行者を見捨てて、
老婆が乗ろうとするのを腕で邪魔して先に乗って、
空いた席に座った。
同様に勝手な性格の同行者も乗ってきて別の席に座った。
現実の私はこんな酷いことはしたことがない。
幾つかの駅を通り過ぎて私の横の席が空いて、
その老婆と身内らしい人が座った。
しかもそこは優先席で、
何か言いたげな彼女らの顔を私は無表情で直視した。
しかし私のそういう顔は非常に怖いらしく、
彼女らは怖気づいて何も言わなかった。
理想の男性像を描いた絵を捨てたのだけど、
それが夢に出てきた。
顔が不気味で違う感じに変わっているのに
その絵だと自分では認識していた。
22.狭すぎる部屋
現実も夢の中でも引越しだらけで、
夢の中にしかない家が多数あって、
夢を見るたびに違う家に住んでいる。
ある日、人体実験同様のことをしている医療機関で働くことになり、
家から通う暇がないので寮で寝泊りするのだが、
案内された部屋がなんと、
幅数センチほどしかないのだ。
ドアももちろん同じ幅である。
しかも、その狭い空間に入れると言われた。
その夢は一旦そこで途切れたが、
別の日にその続きを見て、
私は幅数センチの部屋に入ってしまった。
23.コミック
親に心配された何をしてもだめな男児が、
活発で優秀な他所のお兄さんに
「正しい生き方」を教えてもらう話を読んでいた。
そのお兄さんが主人公かと思うほどの活躍ぶりで
物事は進んでいくがある日、
お兄さんは部屋の隅にじっと座って
黙ったまま動かなくなってしまう。
問題の男児には何の変化もなく、
いつも通りの日々を過ごしていた。
24.地獄への入り口
どこか知らない施設のある場所で、
どこにつながっているか知らない穴を見ていた。
一見してフタに見える板が内側から穴をふさいでいて、
その板の上に乗って少し待っていると、
板だけがエレベーターのように降下して、
はるか下のどこかに到着するらしい。
私はただ遊びに来ていたようなもので、
その板に乗ろうとすると
板の上に「死ね」という落書きがあった。
苦笑しながら乗って待っていたが、
何も動かないので乗るのをやめてその場から立ち去った。
遊園地みたいな娯楽施設にいる夢を見た。
スタートからゴールまで進んだら
もらえるTシャツが置いてあって、
夫がゴール地点でTシャツをゲットしていた。
その様子を見ていた私は自分もTシャツをもらおうとして
同じコースを進んでいくと、
気付かなければ通り過ぎてしまいそうな穴があって、
私は本当はその中に入るべきだと思って入った。
自分の背丈より少し深いだけだと
勝手に思って足が床に着いたと感じた所で、
落ちないよう支えていた手を離すと、
床などなくて最初ゆっくりと落下していって、
だんだん速度が増して暗くて怖い風景に変わって、
奈落の底まで落ちていく感じになり、
本当に死んで地獄に落ちると思ってしまい、
生前、地獄なんか存在しないと考えていたけど、
これが現実なら自業自得だと覚悟した。
しかし、いつの間にか底に達して気付いた時
なぜか数人がかりで豪華な衣装を着せられていて、
次に喫茶店のメニューみたいなのを見せられ、
ただの喫茶店の中にいるとしか思えない風景だった。
25.毒母
現実にあり得ない夢を見た。
母と夫と私が浴室のような狭い部屋にいて、
母はいつものように偉そうにしながら好き勝手し放題で、
行儀悪く遠慮のない母の足が私の頭上に来て邪魔になり、
私はそれをつかんで払いのけると、
母は「あなたが私に気遣ってよけなさい」と言った。
私は「この糞女!」と言って怒った。
夢とはいえ絶対にありえないことだった。
しかも、母の顔を右手でつかんで握りつぶした。
こういう怒りや暴力は自分がやってしまうと
苦しい感覚や罪悪感がつきまとうものだが、
ついにすべきことをしたという実に爽快な感覚だった。
しかも、その女は現実の母に似ていない娘だった。
夫はただ、その様子を見ていた。
夢の中だけの家にいて、
現実の自分とは別人の子供として、
現実と似ている母と同居していた。
ある時、友人が手作りの惣菜を土産に遊びに来て帰った後、
その土産を食おうとすると母が
「どうせ不味い余り物でしょ、それ」と言った。
私は無視して食おうとすると母は
「そんな物を食うとお腹を壊すわよ」。
私は「腹を壊してもいい」と言いながら
いよいよ口に入れようとすると、
「食べてはいけません、病気になるから捨てなさい」と母。
それでも無視して食い始めると、
「親の言うことを聞きなさい!
それが嫌なら今すぐ家から出て行きなさい!」と
母が金切り声で怒鳴った。
私は「躾になってない、言うことも人間じゃない」と言った。
そこで目が覚めてしまったが、
現実の母はこう言う。
「あら、お母さんは人間だわよ、
いつも正しい躾をしているし、
子供は親に服従するのが人間よ、
それをしないアンタこそ人間じゃない。」
26.漏れる水
夢の中だけの家にひとりでいて、
キッチンで飯を作ろうとしていると
天井から水滴が降ってきた。
降ってくる方を見上げると、
シャンデリアの真ん中からポタポタと漏れていた。
どうしようかと考える前に、
水滴がつながってみるみる水量が増して、
水柱になってドッシャーと降ってきた。
それはどうも天井が壊れたのではなく、
シャンデリアにそういう機能があるようで、
それが壊れたのだと思い、
そこでやっと水道の元栓を閉めようと考えたが、
元栓がどこにあるか知らなくて探し回っていたら目が覚めた。
27.葬式だらけ
狭い範囲の地域に集中している、
顔を見たこともない親類十数人のそれぞれの家で
別々に葬式が行われている夢を見た。
私は亡くなった人たちに関してほとんど何も知らないし
見に行った程度なんだが、
同じ日に葬式するなら一か所にまとめればよいのにと思っていた。
しかも、不思議なことに棺をまったく見なかった。
28.父のために生まれてきた?
実の父母と同居していて、
家事をしない父に文句を言った母に私が
「父に不満を持つのはやめてほしい、
嫌なことはすべて私にぶつけてほしい」と涙ながらに頼んだ。
おそらく夢の中だけで涙が出ていた。
私は夢の中であまり感情を持たない人間で、
いつもは目が覚めてから初めて感情を覚えるのに、
夢の中で泣いたことは初めてのように思った。
さいわい母は承諾したようだった。
しかし目が覚めて、誰だこの感情は?と思った。
現実の私とは違うし、
過去の記憶にもそんなこと一度もなかった。
29.正月
目の前の豪華な祭壇に正月のごちそうが
たっぷり供えられている夢を見た。
それがなぜか自分が祀られているようで、
この世で味わったことのない幸福感を覚えた。
目が覚めた後、現実と掛け離れた変わった夢を見たと思った。
30.超常現象の正体
ある超常現象が
一人の変人が作り上げた見世物である事実を、
監視カメラのような手段で知った夢を見た。
運河の横に続く歩道の途中に突然、
異次元へ吸い込まれるような暗い穴が出現して、
そこから時々白い煙が噴出する。
私はその様子をビルの最上階からずっと監視していて、
その穴が閉じるように消えてゆく瞬間を見た。
穴ができる瞬間と穴が消える瞬間だけは他に誰も見たことがない。
目撃されるのは、穴ができる前と、
穴が開いている時と、消えた後の風景しかない。
穴が消えた直後、まさにその場所で
一人の男が手品の道具一式セットをたたんだ。
たたんでしまえば単純な箱になるが、
誰も見たことない機械のような物で、
それを使う最中に遭遇すれば
宇宙人だと思い込んでしまいそうだった。
31.心の底から叫んだ
現実と違いすぎる世界だから、
現実に適した言葉で具体的に書けないのが残念だ。
長年服従するしかなかった不当な支配や呪縛の主に対して、
拒絶する感情をこめて吐き出そうとした勢いで目が覚めてしまい、
目が覚めて出せるようになった声で言葉にして叫んだ。
「それはもう通用しない、さっさと引き下がれ!」
その声を出した直後、枕元でピシッ!と音が鳴り、
そばから何者かの気配が離れて部屋から出ていく音がした。
32.無題
沖縄のリゾートホテルで眠っている時、
大勢の人たちが何かに突き落とされるかのように、
崖の上から海に落ちて死んでいくイメージに襲われて金縛りになった。
33.他人の薬
何の時代のどこの国か小学校の演劇か知らないが、
王様とその妃と数人の側近が、
ドリフターズのコントみたいな部屋にいて、
王様はボケーとしたバカ殿みたいな人で、
妃は子供みたいなお姫さまであり、
彼女にとって王様は父親であり、
彼女は側近のうち特定の男の妻みたいな態度でいるのが
日常的習慣だった。
私はその夢の中に参加していて、
面倒なことを何でも呑み込む役割を持つ
地味で目立たない側近の一人だった。
夢の中で私はある日、
身体を若返らせる手術を受けていた。
それと同じ手術を王様も受けていたが、
妃だけは頑なに拒み続けていて、
王様が受けるのも妃が嫌がっていた。
私は妃に呼ばれて、トイレで用を済ませるついでに
目に付く場所に置いてある薬を飲むよう言われ。
それですぐにトイレに入ると、
王様が飲むはずの薬がそのトイレの室内に置いてあり、
それのことだと思って飲んでしまった。
しかもその直後に気付いたのが、
その薬が精力剤であることだった。
34.心霊動画の夢
引っ越す前の家にいる夢を見た。
その日、寝る前にネットで心霊動画を見たせいだろう。
多すぎる家電の電源コードの都合があって、
いつも少しだけ開けていた襖の隙間から、
誰かが覗き見している気配がして、
そちらを直視したが何もなかった。
それでも私はあきらめきれず、
視線をそらせば再び見えることが多いので
今度もそうしようと心で思ったと同時に、
突然起き上がって気配の主を確認した。
思うことと違って体を動かした時、
見てはならないものを目撃したり、
あってはならない体験をするかもしれない。
直視して再び見えたことは現実では一度もないのに、
そこに不気味なものが確かにいた。
短く千切れた黒髪で、人間らしくないほど
変形して一部分を失った灰色の歪な顔が
あわててさっと引っ込んだのだ。
心霊動画によくある典型的な映像。
事故で大怪我をしたりして人が死ぬ時、
顔や体が変形したり分断されて、
一部分が欠けることがあるだろう。
まさにそんな感じだった。
その人にとって見られたくない、
私が見てはいけないものを見てしまった
そういうことかもしれない。
いや、夢だからよかったものの、
現実だったとしても恐怖は同じだった。
35.黒い芋虫
水槽の中で何かを育てて実験していた。
ある時、不気味な卵塊から黒い芋虫が出てきて
数分単位で増殖しはじめた。
一匹の大きさは小指くらいだった。
その実験は芋虫の繁殖ではないし、
芋虫が実験を台無しにするという理由以前に
その虫が排除すべき許せないものだった
私は水槽の温度を沸点まで上げることにした。
水温が上がるにつれて芋虫の動きは弱くなり、
沸点に達するあたりで動かなくなり、
全滅した様子になった。
36.席を失ったディナー
夢の中だけの両親と現実には知らない誰かもう一人と、
ある飲食店で食事をしていた。
その店は、自分で取りに行くコース料理で、
私は魚料理を、自分を含めて四皿分取りに行った。
その時、店員に高級なのを勧められたが
私は夢の中でも貧乏だったので、
自分が払える範囲の安価な魚を選んで席に戻ると、
両親ともう一人がどこにもいなくなっていて、
その席に学生たちが座ってドンチャン騒ぎをしていた。
私が困惑していると、近くの誰かが親切に教えてくれた。
「最初あなたと一緒だった方々は、里親になってくれないかと
誰かに相談されたとたんに怒って帰ってしまわれました。」
私はせっかく買った魚を捨てるのはもったいないし、
自分の席も無くなっていたので、
持って帰って一人で全部食うことにした。
そして、あの両親と関わるのはこれで最後にしようと思った。
37.爆発したかもしれない
他人の車に一度乗せてもらった日の夜、
その車に異変を感じたので見に行くと、
車全体が熱を帯びていて、
外からその熱源が見える状態になっていて、
通常閉まっている蓋が開いていた。
熱を帯びているのは蓋が閉まっていないせいだと思った私は、
開いていた蓋を閉めてみた。
しかし、その直後「もしかして、まずい」と思った。
蓋を閉めると爆発するから開けてあったかもしれない。
そう思った次の瞬間、その夢は終わった。
38.多すぎる海老
その夢には長いストーリーがあったが、
目が覚める直前以前を忘れるのが夢の記憶の特徴だ。
だから、目が覚める直前の記憶しかここに書けない。
私は卑劣な誰かに酷いことをされた直後、どういうわけか
店主自身がその加害者である店で料理を注文して食っていた。
注文した料理は海老が入っているものだったが、
食っても食っても深い皿の底から新たな海老が出てきた。
もともと小食の私にとって多すぎる量だった。
食べ残しに罪悪感の強い私は無理して最後まで平らげた。
それまでの間、早食いの客たちが何度も入れ替わっていた。
私は食欲のなさに苦しみながらやっと食い終わった時、
他の店なら必ず「ごちそうさま」と言うところが、
私に卑劣なことをした者の店でそんな挨拶など
必要ないだろうと考えて、黙って店を出た。
私が出るのを店主はすぐそばで見ていたが、
客が店を出る時は「ありがとうございました」と
言うのが当然だろうが、その店主も黙っていた。
私は食っている間からずっと
「この店で私はなぜ食うのだろう?」と思っていて、
ここには今後二度と来ないほうが自然だろうと思った。
39.蝶とマジック
口から蝶を吐く男の夢を見た。
彼はマジシャンだったが、女装していた。
覚えているのはそれだけだ。
40.関係ないクリスマス
何だかさっぱりわからない夢を見た。
クリスマスに興味もないのに、
夢の中までクリスマス一色の風景だった。
私は「水上バス」という船に乗っていた。
その船は海岸沿いを進むが、
客の希望で可能な限りどこでも停まってくれる。
客が突然ここで降りたいと言うと、急いで接岸する。
ある場所で私も「ここで降ろしてくれ」と言うと、
船は接岸するのに数分かかったが、
適当な場所で停まってくれた。
降りる時、現実には持っていない手帳のような物を
見せるように言われて見せると、
それを見た人がなぜか悪魔の名前をつぶやき、
「(悪魔の名前)にもらったのか?」などと聞かれた。
その人が見たと思われる文字を確認すると、
手帳のような物が紙ではなく、
現実の私が持ったこともない
カードと携帯電話が一体化したような
電子的なものだということに初めて気付き、
私には読めない記号が表示されていた。
悪魔にもらった覚えなんかない私は黙っていたが、
乗船料金を請求されなかった。
41.必要な情報が無い
学校のような施設の中で新学期が始まり、
自分がどの教室へ行けばよいのか知らず、
迷子同然に校内をさまよい歩く夢を見た。
その学校では新しい学期ごとに
属するクラスの教室が替わる。
だから、新しい教室を知らせる連絡とか
所属クラスごとに全員の氏名を記した名簿や、
時間割などの資料が配られるはずが、
自分だけ何も持っていなかった。
現実に昔から似た状況があった。
病気で学校を休んだのが原因で、
忘れられて連絡してもらえなかったり、
必要な情報や資料を持っていなかった。
就職しても似た状況があった。
必要な情報を手に入れられず
何時どこで何をどうすればよいのかわからない。
リストラ以前に退職した原因でもある。
夢の中でも今まで以上に嫌になった。
なぜ自分だけこうなのかと思った。
その答えは間もなく頭に浮かんだ。
自分から情報を得ようとしないからだ。
そして、その原因は、自分から情報を
得ようとすることが、生きるために
誰もが自然にやり続けることだという
当たり前なことも知らないからだった。
42.姿を変える異星人
赤ん坊ほどの大きさの身体をした
不気味な動物をいじめていたが、ふと
「こいつの正体は何だったったけ?」
と思った時、意識が少し過去へ戻り、
その動物も少し過去の姿を見せた。
それが異星人だったことを確かめた私は、
ますますいじめ続けた。
そうすればするほど、それは姿を変えた。
43.子蛇を守る親蛇
大蛇を見ていると、それは一匹ではなく
多数の蛇が群れを作って全体として大きな一匹に見えていた。
さらにそれを見ていると、その蛇の群れが、
多数の子蛇を取り囲んで守っている構造が見えてきた。
44.眠りから覚めないと言われた
現実の世界と同じ夫となぜか別れた後、
現実の知り合いにいない映画俳優みたいな
逞しい体格のスキンヘッド男といっしょに歩いていた。
彼は私に「今見ているものはすべてあなたの夢で、
現実の世界にいるあなたが長い間目を覚まさなくなった。」
と言った。私は「あなたも夢の存在?」と聞いた。
彼「いや、私は現実に存在する。」
私「それでは、目が覚めてもあなたはいるのね?」
彼「そうだ。」
実際に目が覚めると彼の姿はなかった。
いやもしかして、目に見えないだけかもしれない。
2012年5月10日(木)
Lucy
睡眠中の夢
他人の夢には興味を持てない。