白も黒も透明でもいい

白も黒も透明でもいい



   


  



   


  



アンナの朝は早い

人々は歩く歩く

アンナも歩いている



「バイバイって言ってるときかわいかった」

「じゃあいつもはかわいくないの?(`o´)」



「ここが帰る場所で、 いまがただいまならいいのにね (>_<)  

 行ってくる!」



なくしたものも愛してる

愛して愛してやまず

そっと諦める



そうやってあたし生きてる

リル 笑っていてね

本当にホッとする



「えらい?」

「えらい、鼻血出るほどえらい」

「ほめてるの」

「うん、鼻血出るんだもの」



「すごいでしょ?やったー、リルにほめられたー」

 朝の電車も光差す



まどろみ解けない 朝のエスプレッソ

魔法かけよう 人の移ろい



こどもちゃんでいいんだよ

街に霧が降りるなら

あの子に訊こう



ランプシェードが 夜明けに踊るよ

たのしいこと 夕べぜんぶ終わった


朝の薬 数えながら

おまえの名前も

数える

   朝が優しい



セックスの話ばかりしてたら 朝が来た

ここ

樹下の草で休む



朝も夕暮れも斜光 まぶしく 

どこへ行くんだい 

        ポタージュ飲めよ



愛が難しくない

朝 見つけたよ

おまえも 見つけた  

   陽射しが差した



飛行機雲見つけた

お手紙 拾う

この街 おまえが訪れる日



朝の水 やさしければ

フレンチトーストもハッピー

海が近いよ



もしも寂しいなら

それを口にする人 しない人も

     きっときれい



午睡から覚めたら顔なでる風

だれかへの思いやりを感じた



暖かい僕の季節にやさしくできるおまえがいた

海がいいな



信じてほしいから宙返り七回しよう

ふらふらでも見える



昨夜残ったこのシチュー

生きていてよかったと思える日がふえた



グラジオラスが咲いたらここに運命がある

陽射しのなかに ずっと



最初に髪の毛をふれてみる

さがす

秘密の鍵穴があるから



まだ眠いのは

きっとシュークリームと

アンナの夢が足りないんだ



「失うものはないんだ」

「いっぱい失っちゃうよ」

「わかちあえばいいさ」



「リルのファン多いから不安なの」

「おまえはファン一号じゃないか」



手紙を出したことのないおまえに送るレターセット

かわいかった



「あたしのこころ少しだけ黒いの」

漂白剤ならおれのこころに



歌が浮かばない夕方

写真を眺めマカダミアをかじっている



「欲張りだからリルにちょっかいだしたの」

他に運命などなかった



白も黒も透明でもいいさ

こころをこころに溶けさせればいい



どんな色でもいいじゃないか

陽も月も いつもおなじ色なんだから



語れないこころ

ぜんぶおれに投げろ

なにもできない 抱きしめるてやる




   


  



   


  

白も黒も透明でもいい

幸せな短歌ならなおいい。

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich
先端KANQ38ツイッター https://twitter.com/kanq38

白も黒も透明でもいい

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-05-21

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted