さみしげもまたきれいだった

さみしげもまたきれいだった




   


  



   


  




ががががが

コンクリートつめるショベルカー

一日が動いている



寝起きの気分気持ちよく定めたい

工場は昼飯の無音



風を切って走る車 土手沿いの道

ほんの少し陽が眩しく



醒ましてくれるコーヒーと煙草

想う人の聴く歌を聴こえたい



夕べのたくさんの涙をおもう

新しい日は

届いただろうか



この羽の音をを分かちたい

静かすぎるこの土地

ときおり寂しく



歌うようにとおりゆく

風の道

五月ばかりがこの部屋へ染みる



気持ちをはこべたら

ここ 曇りゆくけれど

気持ちだけは

気持ちだけを



おだやかな

心だけで

寂しい日 きれいな日を 染められたらならば



やさしい気持ちと

守れる気持ち

春は続くから 春を祈るなら



しっかりなリル

この空は おまえが描くんだ

染められる空じゃない



ここからさ

抱きしめる連れてゆく ピクニック

ずっと描きたいのだから



「お月さまきれいだよ。

 お願いしましょう」

どのへんでほほ笑んでいる?



春はきっと旅立つ

ここから 行くべきところ

道すがらは

楽しく



歌が花弁のかるさならいい

種子を蒔けるといい

実がなるからね



三時のチャイム

歌をそっと包む

愁いを帯びずこの先を歩く



奇跡に祈らない

きずなの手を握る

あの日その日の花畑を



花畑はずっとさみしげに歩んだ

さみしげもまたきれいだった



朝の水の流れだけをみている

水は生きる

藻がそよぐ

水の音



傷み 願いの

お守りのピアスを知る

どうか

ここから 生きてほしい



うつむいて くるしくしない

顔をまっすぐにして僕を応援する



ほかになんにもいらない 好きでいていいなら

冬から 春へ

ここへと。



ふんわり

    ふわっと

 がんばらず 愛する

かたとき このさき いつかのひも



歌をしんじているぼくだから

夕方六時のチャイム こわくない



寂しいは

おなじいろ

きれいだった

寂しくないつらさよりも ずっと



「ただ愛する」を手折らず

身を横たえて

撫でて

ずっと一緒にいた



のみの心臓なら

あぶの魂がついている

小さくてもこころ



素敵だよ、と言ってくれた 聴いてくれた

今日だって

愛だけで詠む



けわしい山道なら

咲く花をみつけるのも楽しい その一日



綺麗な寂しいものを

澄み切った寂しさで じっと二人で愛でる



誰にも渡さない けっして

強い意思の人に選ばれたのだから



君を愛するように

    僕を愛せばいい

          やさしく

アンナといる日々




   


  



   


  

さみしげもまたきれいだった

寂しい気持ちのときに書いた。

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich
先端KANQ38ツイッター https://twitter.com/kanq38

さみしげもまたきれいだった

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-05-14

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