微睡

夜が明ける前の空気みたいに
どろっどろに
煮崩れて、溶けて
汚く、暗く
そのくらいの終わり方がいいよ

綺麗な終わり方なんて綺麗なだけだからさ。



今日も帰ってこなかった
2人の部屋だよなんて笑ってたくせに
2つの歯ブラシとマグカップ
無機質な存在感

私1人取り残された気分。



こんなにほったらかしやがって
今度会ったら絶対別れ話してやる、とか
いつもいつも思うんだけど
顔を見てしまったら
声を聞いてしまったら
そこで私の負けが決定



馬鹿みたいに惚れている。
馬鹿みたいに好いている。



彼を?恋を?彼に恋してる自分自身を?



ああもうどうだっていいや
あと30分もしないうちに朝だ


甘えて、甘やかされて
依存して、依存されて
ギブアンドテイク
恋愛ってそういうもん。



ギブ、ギブ、ギブ、ギブ。
いつかのテイクのために
私は毎日毎日愛を注ぐんだ。

微睡

微睡

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-05-07

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