女子高生

まあ、そうですよね、
そんなもんですよね。

自虐的な笑いを含んだため息が部屋に響く。



一週間前から鳴らない携帯。
「仕事が忙しい」と言い張る7つ年上の彼。
それを信じられない私。
LINEのトーク履歴。
最後の着信履歴。
土曜日の、深夜。



絶望するには十分すぎる程の材料が揃っていた。




「んー…」


さあ、どうしようか、これから。


まだ17歳。
どこにでもいける、
誰とでも付き合える。



こんなにも固執する理由は、なんだ?




「…安定感、かな。」




寄ってきた犬を膝に乗せて、徐に顔を埋めてみる。




いやいや、
安定感のある人なんて
腐る程いるはず。




相手にとってはきっと

私はアクセサリーのような感覚で

そのもの自体が、というよりも

それを纏った自分が、好きなわけで。




本日2度目のため息。




あーわかってる、わかってるんだけどなあ


なんだか私も
かわいそうな私が好きなような、そんなような。





もうこんな夜は寝るに限る。




打ちかけた「もう別れようか」なんて
ありきたりな文句を一文字ずつ消して


携帯の電源も落として

明日のバイトは休んで

自然に目が醒めるまで。



じゃあね私、おやすみ。

女子高生

女子高生

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-04-29

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