埋まることのないSTORY

人を好きになることなんてたくさんあった。恋愛ってこれなんだってずっと思ってた。

別れよう。

何度この言葉を聞いただろうか。
慣れなのかなんなのか知らないけれど、僕はたった一日。
何年付き合った女もたった一日あれば立ち直ることができた。
だって代わりを探せばいいんだから。

そんな僕に神様は罰を与えたのだろうか?
だとしたら僕はそんなに悪いことをしたのだろうか?
神様、あなたの罰はあまりにも過酷ではないでしょうか?

今回もまた別れを告げた。
当たり前にいた人だから少し寂しい気もするが、気にも留めなかった。
僕の悪いところなんだろうか。
すぐに次の出会い、恋を探してしまう。

そんな時君と出会った。
綺麗系で、センスも良くて優しい子だ。
ただ連絡があまりとれないところは少しネックだったが、自分の好きなように行動できる点から君は都合がよかったのかもしれない。
ぼちぼちの頻度でデートしたり相談相手にもなってみたりずっと一緒にいることはできないけれどなんだかんだ楽しんでいたのかもしれない。
好きって言っても君はうまく交わすから付き合ってたのかは定かではない。
いわゆる友達以上恋人未満っていうやつだ。
それでもよかった。
君が傍にいてくれるだけで僕は安心感に包まれていた。

やがて月日はながれ、なぜ君が滅多に好きって言葉を言わないのか分かった。
君には彼氏がいた。
僕が出会うよりもずっとずっと前から。
少しショックだった。
でも関係をやめることはなかった。
君も僕も何も言わないからただズルズル長引いてしまっていただけなのかもしれない。
でも僕は君が離れないことに少し安心していた。
それ位君との時間は幸せで満ち溢れていた。
ずっとこの幸せが続けばいいのに。
我ながら女々しいなって自分に苦笑した。

バイバイ

君は言った。
また別れが来た。
いつもの僕だったらすぐに新しい出会いを探すのになんでだろう?
頭が真っ白で何も考えられなかった。
仕事はしても何かしら抜けていた。
泣いても泣いても泣き足りない。
何もしたくなくて食事も眠りにつくことすらできなかった。でも涙だけは一丁前に止まらなかった。
何が悲しいのかもわからなくなっていた。

これが恋ってやつなのか?
僕は彼女を愛していたのだろうか?
彼女を引き留めればよかった?
どうすればよかった?
誰か、助けて

三日後、彼女からメールを受信した。
いつもの彼女のメールの内容だった。

彼氏と別れちゃったんだ。気付いたら奏でのアドレス入力してた( ^^)

それから彼女とはまた友達以上恋人未満の関係に戻った。
あえて付き合うとかそんなことはお互いに言わなかった。
いつの間にか僕の涙も止まっていて食事もとり睡眠もこれでもかって位寝ることができていた。
彼女は魔法使いか何かなんだろうか?
嘘。僕は気づいてしまったんだ。
好きを通り越して彼女を愛してしまってたんだって。
もう大事な人は簡単に手放すもんかっ!
失うまで気づかないなんて僕もなんてバカなんだろうね?
彼女の彼氏に僕はなれるかなんて分からない。
好きでいたって無駄なだけなのかもしれない。
でもいつかなれたらラッキーじゃん?
さすがに十年後とかなると悲しくなってくるけど笑
でもそれでも僕は君に何度だって恋をする。

埋まることのないSTORY

君が幸せならそれでいいって思ってたけど、やっぱり君と二人で幸せになりたい。

埋まることのないSTORY

恋愛を知らなかった僕。教えてくれたのは決して振り向いてくれない君。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-04-25

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