桜貝

振り向き様に わたしを見つめた

君の顔は 桜貝のようだった

海で拾った  小さな小さな貝殻に

錐でぽつんと穴を開けた

まるで 君のほほのようだったから

君がここにいるような気がしたから

突き抜けるような蒼い空

ざあと吹き抜けた風に

わたしのスカートが揺れた

ちゃぷちゃぷと揺れる

水面を見上げていたら

君の足音がきこえて

ふりむいた 私の顔は 桜貝
 

桜貝

桜貝

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-04-24

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