Hello,

君が僕に「こんにちは」と笑いかけた
それが 僕らの出会い

少しずつ 少しずつ
同じ歌を口ずさんで
同じ道を歩いて
同じ物語を辿って
心同士が寄り添えあえる そんな関係になった

ずっと そばにいるから
口で言うだけならどんなに簡単で
お互いが想い続けるにはどんなに難しいことか
きっと誰もが わかっていること

それでも
君の手を離すことはないと心に決めて
君とどんな形であっても 笑いあっていたいと
願って 僕は君の隣にいることを望んだんだ

忘れることが怖いと君は泣いたけど
忘れることが 誰にも食い止められないことでも
君を想うことだけは 誰に止められたって
僕はやめないから
だから 何度だって君に恋をして
何度だって 君に笑いかけるよ

「こんにちは」
また今日も 君が僕に微笑みかける
出会ったあの頃と 全く同じように
君はもう 僕の名前を呼ぶこともない
僕と過ごした時間を 思い返すこともない
それでも 君が僕に笑いかけてくれるなら
何度だって笑い返して こう言うよ

「こんにちは、いい天気ですね」
君と出会ったあの日も よく晴れた
穏やかな空の広がるこんな日だった

Hello,

大切な人の記憶から、今まで共有しあえた大切な思い出が忘れられてゆくことは本当に悲しいことだと思います。
それでも、ふと見せてくれる笑顔やかけてくれる言葉で、出会った時のいとおしさが溢れてくることがあります。
相手が笑ってくれるなら、自分も同じように何度でもその人に恋をする気持ちでいたいと思ってできた物語です。

Hello,

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-04-19

Copyrighted
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