野原

あおい はる 作

 の、はらに、いる、くま、の、子、こどもの、くま、こ、ぐまを、あたしは、じっ、とみつめる、午後、三時、おやつの、じかん、なので、まもなく、あたし、は、あたし、ではなくなる、タイム、に、突入する、ので、ぼく、になります、が、ぼく、も、どうか、あのくま、を、こぐまを、みていて、あのこは、ひとりぼっち、だから、いま、ものすごく、ラーメンがたべたい、気分、ちゅるちゅると、ラーメンを、すすりたい、感じ、だけれど、あたしは、しばらく、ぼく、になりますから、ぼく、が、ラーメンをたべても、あたし、には、麺をちゅるちゅる、すすることも、できない、し、スープの味も、わからない、し、煮たまごに歯を、立てたときに、じゅっ、とあふれる、半熟の黄身のなめらかさも、わからない、し、だから、ざんねん、ね、これから、あたし、は、ぼく、の、じかん、ラーメンは、また今度、それより、こぐま、のことを、よろしく、ね、の、はらで、ひとり、モンシロチョウを、おいかけまわす、こぐま、のこと、つかれたのか、ちいさくてかわいらしい、きいろい花にかこまれて、すやすや、ねむる、こぐまちゃん、のことを、そう、きいろい花は、こぐま、をぐるりと、かこんで、花のひつぎ、のように、三時をすぎて、あたし、そろそろ、ぼく、になる。

 くちびるを、かんで、かんだところから、血がでる。
 その血をなめると、なんだか、いやらしい気持ちになるのは、なんでかな、と言ったのは、ともだちの、なんとかちゃん、なんとかちゃんの、なんとか、のぶぶん、つまり、なまえにあたるぶぶんを、あたしは、すぐにわすれるから、だめだぁ、ともだち、の、なまえ、おぼえても、ぼく、になったあとだと、わすれてる、たぶん、ぼく、のともだちじゃない、から。

 花のゆりかご、こぐまは、生きているよ、ぼくのところまで、寝息が、きこえてくるよ、ぼく、ではなく、あたし、の、ぼく、に、伝わるかな、わかんない、ぼく、が、ぼく、であるあいだに、思ったこと、感じたこと、きこえた音、さわったときの感触、たべたものの味、なんかが、あたし、の方と共有、もしくは、あたし、の方に伝達、されているのかは、不明、だ、いまとてつもなく、チャーハンがたべたい、気分、ごはんが、ぱらっ、ぱらっの、チャーハン、ラーメン屋さんに、行こうかな、と思う、こぐま、の観察を、だれかに頼まれているような、気がするけれど、そのだれかは、だれなのか、わからんし、おなか、すいたし、だって、もうすぐ、夕ごはんの、じかん、だし、こぐま、は、すやすや、気持ちよさそうにねむって、いる、し、なんだかちょっと、肌寒い、し、の、はらの絨毯は、あたたかそうだな、とか、こぐま、のおかあさんは、いったい、どこにいて、そもそもこぐまは、どこからやってきたのか、とか、考えてみても、ぼく、は、くま、じゃないし、くま、にきいてみても、きっと、わからないし、ことばが、さ、
ああ、おなかすいた、ね、
おふろにはいって、あたたまりたい、
ふかふかのおふとんのなかで、ねむりたい、
家にかえれば、ごはんがある、おふろもある、おふとんもある、おかあさんが、いる、おとうさんも、おとうとも、家族がいる、あたし、もいる、ぼく、ではない、あたし、も、いる、夢をみる、たのしい夢、こわい夢、かなしい夢、しあわせな夢、ふたりぶん、みる。

野原

野原

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2017-04-18

CC BY-NC-ND
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