離した途端嘘になる

一、二、三
言ってしまった途端、意味が無くなるゴミになる
言わなくても分かってた
奴らが考えている事くらいは
穏やかな顔でいれば何でも許されると思うな
自分達にとってメリットの有るものと無いものに分けて、最後には私に苦痛を強いる
率先して前に進む奴についていく人生なんて嫌だ



一、二、三
消える足音
抜けていく


言ってしまった途端、気持ちが無くなる気が変わる
消費していく日々、要らない領収書が増える
考える必要性はないけど、考えている
時が刻々と過ぎていく、焦る思い
そうしている内に差し迫った事態から逃げて、また一つ、肩の荷が降りる


その手を掴んだ以上は絶対に離しはしない


過ぎ去ったことは考えない方がいい、奴らはそう言って去っていった
いつも、自分には想像も及ばない所で事が運んでいるのをただ、見つめている

高層ビル、未だに消えぬ、地上に煌めく哀しい星々
仮初の美


手に入った途端、興味が無くなる嘘になる
この世はつまらないと不貞腐れ砂利を蹴った
溢れていく、形容しがたい何かが
理由のない心に沈殿している
反吐の様なもの
痛む背筋
喪失感が襲い掛かり
声が枯れるまで泣き続けた
生きていると幾度も
惨たらしい目に遭遇する



どこまでも
抜けていく
一、二、三
シャッターを押す
始まりの合図
誰かが私を呼んでいる


いつも
正直者が馬鹿を見る
兆しを見せては枯れていく
降り注ぐ、誰もいない地面に向かって
小雨の僅かな暖かさも知らずに
自分の肉体と魂を引き裂いたら
空いた穴を見つける事が出来るだろうか



一、二、三
いつかは終わるのに、何故こんなにも
私達は足掻くのか
奴らはまるで、怒りの感情を忘れた修行僧の様に、無防備な状態の私に忍び寄る
枯渇させようとする


理想と現実は天国と地獄
千差万別の喜びと悲しみ
突破できる問題は問題ではない


真実を嫌うのなら、綺麗に隠すしかない


一、二、三
消えた気配
さっきまで一緒にいた影を探す
私達は永久的に失くす為に生きる
重要な事から目を逸らし
忘れて、そして自分にとって必要なものを追い求めて、歌い、踊り、奏で、時に瞑想し、生きていく
そして、必要なものがやっと手に入ったら、また手放す
存在する意味を見出す為に
失くす為に生きていく



命脈する
過ちの連鎖
一、二、三
詫びる必要はない
進まなくては失くせない
でも、失くす前にもう一度、
皆、何かしらの傷跡を遺して逝く


綺麗に隠して

手に入れて

離して

楽になろう



一、二、三
スリーステップ
何もかも、クリアになって
いつか、何かしらが終わるまで


一、二、三


終わらない

あなたにとっての新しい日々が
素晴らしいものであります様に

離した途端嘘になる

真実というものは、心の中にしかない。
言葉にして、離してはいけない。
読んでくださりありがとうございました。

離した途端嘘になる

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-03-21

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