人罪【シンサイ】


あの日震えた魂

あの日流れた生命

瞬きするほどの時間で消え去った

そこに住んでいた人の営みが

遠く離れた人間を震撼させた


はずだったのにね


人間は傷付けるんだ

何年も前の災厄を






何度も   何度も  何度も    何度も

 なんども
        ナンドモ
                   なんども

   何度も        何度も

     なんども         ナンドモ


 何度も    何度も       何度も

 何度も     何度も  なんども

 何度も 何度も 何度も     何度も

なんども  ナンドモ
                なんども
  なんども   何度も
                   何度も
 ナンドモ 何度も   なんども





ひっくり返して 思い出させて

放射能にやられたやつだとか

家族のいないやつだとか


          偶然


          運良く


惨劇を目の当たりにしなかったゴミ屑共が

心無い人でなしどもが

罵り、嘲る。




    可哀想だ    心が痛む


なんて自慰的な感傷に浸る自分が大好きな奴らが

人間のマジョリティ


心から人のために考えられる人は

もはやヒトじゃない。


「ヒトはそんなに綺麗じゃないんだよ」

「口ばかり 愚痴ばかりの汚い生物なんだよ」


腐った人間の腐った言葉の掃き溜め

それは他人に降りかかった災厄の痕。

人罪【シンサイ】

人罪【シンサイ】

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-03-11

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