何色
感情は不思議だ
感情を僕は色で例えたい
透明ではなく
確かにある何かしらの色
他人に分かるくらいの感情
それは明らかな偏り
はっきりした色
時に偏りは切実に光る
自分の意に関係なく偏りに支配されて
自分がその色に染まってしまったり
色々なことが分からなくなったり
しかし感情は不思議で
誰もいない夜に透かすと
たいてい原色ではない
いつも複雑な色味があって
煤けているのか
深みを含んでいるのか
感情は場所によって無意識に色を変える
例えば今の自分を生かす方向に
色の海を操る 舟のオールで自在に
その人の目 夜空の色
色が何層にも重なり 混ざっているとして
根底は生きている(消えるかもしれない)
と言う事実の画用紙
その次は生きたい、と言う無意識の色か
あるいは生きねば、と言う決意の色か
その上に重なる色
快楽に向かう色 慈しみの色…
色は簡単に些細なことで転調するくせに
身が切れる程切実なものだったりもする
断片のナイフは簡単に刺さるのに
ふわふわ一瞬で溶けもする
僕
感情においての
理不尽なくらいの正直さ
臆病な不器用さ
ひとかけらのごまかしくらい許せ
もし愛に切実さが寄り添うなら
そこには自然乾燥された
死の匂いが香る きっと
皆
刺せるほど知って
その上で互いに近づきあう
その天日の無機質に
ゆっくり腐らせることを覚えて
死を生に掴ませる
(僕にとって破壊と悲しさと愛は
同じ発色を含んだ)
例えば心食われる事の恐怖へ疼く
そして 自分の破壊性への疼き
拳をにぎり 月を見て 階段下り
破壊
やり場のない空虚に変わる
浮き出た風穴に吹き込んだ
それも同じ力みからやって来る
悲しさ
さらさら欠けながら舞う蝶々
こぼれかけた前提から なんとか綻べば
不安定で 小さな余剰
愛
空から生まれた僕の小さな勇気は
そのあてもなさは
何色 何色
2017/2/9
何色