赤について

隣に住んでる女の子は
綺麗な髪飾りを付けていた
狐百合の様な赤だった
お母さんから貰った優しい赤


私の貰う赤はいつも
恐ろしい夢の様で
夕暮れの赤を見ると
瞼の辺りが熱くなった



私は腕にいくつも赤い筋があった
その白い腕に浮かんだ一際目立つ
赤い筋を辿り
私はまた想起する



隣に住んでる女の子は
薔薇色の口紅を塗って
いつもお母さんと出かけていた
お母さんから貰う赤
色好い赤


私の貰う赤はいつも
痛かった
身体中じんと痺れて
熱を帯び
やがて赤く腫れあがった
私の身体は赤くなった後に
菖蒲の様な紫色に変化した
それだけは特別
でも身体より別の部分が痛かった
もっと
もっと痛かった



私の赤はそんな色



そうして何年経っても
巨大化した事物が私を荒らしていく

噛み砕いて飲み込んで
残りも全部舐めて
吐き出して
全部全部吐き出して


最後に

赤い金魚を吐き出した


今夜も夢の中で

あなたは私を殴る
あなたは私を蹴る 
あなたは私を捻る


でも
あなたの私を見る目は

きっと私に似ている
憐みの
赤い色


噛み砕いて飲み込んで
吐き出して
また飲み込む



私の赤は

私の赤は

私の赤は


そんな色




わたしの

赤について

読んでくださりありがとうございました。

赤について

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青年向け
更新日
登録日
2017-02-21

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