医者

「お次の方どうぞ」
看護師の声に呼ばれ、私は診察室の中に入った。
「本日はどうされましたか」
医者は優しそうな目をしていた。
「実はやけどをしてしまいまして」
私は医者に右の手のひらを見せた。
「結構ひどいね、どうしたの、これ」
「はい、実は私勇者なんですが、先日ドラゴン退治に行きまして、その時手から必殺技の【ファイアピラー】を出したんですね。その時にやってしまいました。あまりに熱すぎて【雨の精霊】で雨を降らせて手を冷やしました」
「君、レヴェルいくつ?」
「ええと、今は16ですね」
「だめだよー、【ピラー】は18超えてからじゃないと体に良くないよー。
じゃあ塗り薬出しとくから、一日二回、ちゃんと塗ってね」
「ありがとうございます。あの、あともう一個あって」
「なに、どうしたの」
「実はそのドラゴンが炎属性で、【ファイアピラー】が全然効かなかったんですね、それで左手で【絶対*零度】を出したんですが、その時に凍傷になってしまって」
「ああ、こっちもひどいね、【絶対*零度】はレヴェル20からだから、今度から気をつけて。
ちなみに【絶対*零度】でドラゴンは倒せたの?」
「それが、やけどの応急処置で使った【雨の精霊】がクリティカルヒットしまして、無事倒せました」
「じゃあなんで【絶対*零度】出したの?」
「僕こう見えて近視なんですね、だからドラゴンが苦しんでるの見えなくて出しちゃいました。
手から放たれる氷のかたまりが届く前にドラゴンが倒れたのを見た時は混乱しましたね」
「そう、ま、とにかく無理はしないこと。凍傷の塗り薬も出しておくから、薬局でもらってね」
「はい、ありがとうございました」

医者

医者

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-02-14

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