詩のディシプリン

詩のディシプリン

  






 



  






 


女が見ていた

散文の中で覗き見していた



ゲリラだった



韻文のテト攻勢は尽きなかった

終わりを見ていた

終わりはいつもなじみの殺し屋だった。



  






 



  






 




その一行のラインを見つめていた

修飾が入荷されていた



僕のものではなかった



ダーウィンが進化論を撤回した

アインシュタインが相対性を絶対化した



僕はただただ眺めていた



織田信長が自慰に耽る傍らで。



  






 



  






 



硬質な文章の遺骸。

埋葬はいつもの翡翠の痙攣のリズムで。



韻が


印画


因果



                              ただ眺めていた。



失望するにはICBMによる文体の破壊。

奈落の底で発火するデートリッヒの大根足。

練馬大根の抽象的新感覚の雲泥


                              ただ眺めていた。




  






 



  






 



パパはね

実はモーホーなの

君はね

試験管で培養されたの

面白いでしょう

面白いというのはね

君の堕落

君の追随

君のウンコ



どうだい


そろそろ枯山水の上で自決するかい?


                              ただ眺めていた。




  






 



  






 




「特別な韻文セラミックの自傷オナニーは自浄粛清の対象と決まりました」



                              ただ眺めていた。



  






 



  






 




「かあちゃん、春巻き、五七五個、詠んだぜ」

「それを言うなら、巻いた、って言うんでしょう、駄目なとうちゃん」

「ママ、ぼくも春巻き、しこりたいよう」

「巻くっていうんだよ、ママなんざ言うんじゃねえよ、ブルジョアみたいで気持ち悪い」



                              ただ眺めていた。




  






 



  






 




かわへにげた

やまでしんだ

のぐそをふんだ



500機の変態飛行

7000隻の漢方射撃

50000発の酔縛投下



「いんぶんをよんで」

「なかよく」

「くびくくりましたとさ」

「ちゃんちゃん」



                              ただ眺めていた。



  






 



  






 




「上等兵殿、敵の韻文部隊が上陸して参りました!」



わたしはその直後、迷妄していたのだった。

カボチャにすべきか、

エンドウマメにすべきなのか。

実存は絶えず紺碧の気性。

絶対悪こそは褌のプロレス。


「上等兵殿!」

「うるさい、球体人形めが!」



                              ただ眺めていた。




  






 



  






 



ねえキスしてよ

だめだよ、プラモデルに忙しいんだ

なにつくってんの?

五つの死地後さん

それよりファックして

おまえもなんかつくれよ、この淫売

じゃあ、韻文でもへし折るわ

それを口にするな、この肉便器


                              ただ眺めていた。




  






 



  






 



貴様と我輩は動悸の櫻 此の清浄なる興奮分娩は究極のギエテ

チヤペルは退廃の撲殺 微粒子を詳細に勘当す 我輩の憂愁

幽閉され分譲空路を嬢が頓死 生花店の飽和は勤労の閼伽黒

我輩は貴様を愚弄す
 
ウオトカは配慮して君臨

我輩 暁 散る


                              ただ眺めていた。




  






 



  






 




プリンをフックでビンタした

ワインはパンツにクラクションをビジー

ボンペイウス、ミー、ハングリーだ

パースペクティブはオーライ?

グッジョブ!! ユー、へヴィーなマシンだ

え?ナマでベイビーをミステイク?

オーマイガッ!!!


                              ただ眺めていた。





  






 



  






 




わたしはさめざめと泣いていた。

それはわたしのパトスではなかった

こんな警鐘をいかに消毒すべきか

メランコリーは必須の防備服なのか わからない。

韻文なんて陰惨な廃墟だ

それはわたしの破廉恥ではない

正常なグッドバイで飛行すべきだ。


                              ただ眺めていた。





  






 



  






 




ぱぱぱぺぺぺぽぽぽ

ぶじゃふじゅみりょおきがぐ

じぇりちゅあぼがむはあ

ぴーぴぴぴ
 
じゅどどどど

ばじゅーん ぱじゅーん

ぎゅががががが

びびびばばばどぅびどぅびどぅび


どくん


どっかーん


                              ただ眺めていた。





  






 



  






 




「てぇへんだあああ、てぇへんだああ!!」

「どおおしたいっ?熊さん」

「彦べえさんとこのガキが熱だしいいいて、しまいやがったあああ」

「そりゃあああ、お医者さまをををを呼ばなきゃなあああ、おいいいい」

「奉行がうるさいぜぇぇぇぇ」


                              ただ眺めていた。






  






 



  






 





知ってる?人民主義者は19世紀のハインラインだったの。

とてもロマンティックよね、この単独滑走。

太陽は赤と黒のコンセンサス。

それはムーヴメント。

決して孤高のための礼拝じゃないの。

投下された懸案はイカロスと燃えるわ。

マチルダ、記憶の攻略はまだ?


                              ただ眺めていた。



  






 



  






 




Talking about suicide,

Yeah, my mission.

Call me after coffee.

You look so good.

Kill your wife.

OK?

Very good.



                              ただ眺めていた。



  






 



  






 




詩の投下実験。


自由内定同盟を粉砕す

流れは変わるか


に待つべし

Emotion 浄化する

        淫 と 殺

ぐあああああ



         それは絞死のありがちな前兆か?

複  合  す  る  ペンシル  Ich  und  du

敗 記号




                             ただ眺めていた。



  






 



  






 




ししししししししししししししししししししししししししし            
詩            
詩            
詩            
詩            
詩            
詩 CCCCCCCCCCCCCCCCC



                              ただ眺めていた。



  






 



  






 




もう踊れやしないのさ

俺がてめえに仕掛けたんだ

陰惨なローマ帝国をな

てめえはもうすぐ亡失するんだ

既存の魂をな

魂ってのはケチャップとデパスの混合性ジャンジュネなのさ

てめえがどんなに吐露しようがそれは遅発性ポジショナリーさ

この電報ムスコ!



                              ただ眺めていた。




  






 



  






 



ぼふね、るみちゃんのぱんてぃーぬがしたいの、

おちんちんちょこちょこしてほしいの、 ぴゅぴゅるってするよ、

ぼふ、 それからね、こちょこちょってるみちゃんをぱふぱふするの、

るみちゃん、いやああーんっっってなるよ、

ねえいい?いいよね、

がまんできない



                              ただ眺めていた。




  






 



  






 




私は花を手向けた

祈ることはしない

碑銘にはこうある

「止まるな」

それはささやかな生涯への暗喩

ここではなく

フィールドでもない

私は祈らない

それはかの人の意思ではない

強靭な決意だ

アジトで至高を終わらせたい

この逃避行が終わろうとしていた


                              ただ眺めていた。




  






 



  






 




おかん、金くれや

金言うとんねん

だれがおどれの乳見せえいうた

おまんの売女には性懲り尽きたぜや

おいどんは家出でごわす

なんば言うちょる さっさあ金出しゃもんせ

出したらおはん許すぜよ

うちよう言わん、どすこい

ほんのこつ、変態ばい



                              ただ眺めていた。



  






 



  






 



「君はルンプロか、それともプチブルか」

「どちらでもない。革命戦士だ」

「ではゲバ棒を握りたまえ」

「僕は無差別な都市ゲリラを賛同できない」

「では査問だな」

「山崎君、君は間違っている!」

「躊躇は許されない。革命に犠牲は付物だ」

「違う!」



                              ただ眺めていた。




  






 



  






 




た  いしょう

だ  ますな危険

な  んばしちょっと!

が  んばれまけるな無責任
 
め  んそれーたむ、取って

て  イ淑ハマモリタマエ

い  やああああん

る  んば采配

だ  め、もう、やだ、、、

け  んかだな、店出るか

だ  んぼーるは資源ゴミです!!!



                              ただ眺めていた。



  






 



  






 


召集令状が来たよ

正さん・・・

僕は君を守るためにお国を守るんだ

わたし、聖戦なんて信じない

節子さんは非国民だ

あなたに行ってほしくないだけ

僕は必ず帰ってくる。

信じていいの?

節子さん・・・・


性交


一機のB29。 快晴の空。 到達。



                              ただ眺めていた。





  






 



  






 





          殺



           女


囚             


                      さ



          り


            の
                  う



            笑


     い



「ケケケケケケケ」


                              ただ眺めていた。



  






 



  






 





にんげんだもの げんきだそうよ だめでもいいじゃない やりなおしはきくよ  ぽじてぃぶ、ぽじてぃぶ げんきはつらつ  あしたをはしろう きぼうだそうよ ぼくときみはいっしょだよ そうみんないっしょ  みんなこきゅうして みんなひかりをあびてる だからね おまんこしよう



                              ただ眺めていた。




  






 



  






 



もう退屈していた いいかげん飽きた もうあいつを許さない 今度来てもセックスしない わたしは半分の自分しか許していない そう思うことで自分を保った 連絡が来なくてもいい あしたあいつが首を括ってもいい わたしは半分だけ ぶち壊さない 真綿で絞める



                              ただ眺めていた。



  






 



  






 




シンナー

四畳半

ヘロイン

壊れかけの鏡台

資本論

福音派

メガチャーチ

「共闘せよ!」

封鎖

バリケード

いちご白書

赤軍

M作戦

消耗

天使の恍惚

ピンク映画

交番爆破

ピース缶

同棲

神田川

よど号

山荘



イメージ


消像



どこ?



                              ただ眺めていた。



  






 



  






 



悲劇的に何かを求めることは実存の一類型だ

では悲劇的以外の要素は他にあるのか

NON

すべてが悲劇的だ

自明ではない存在

確信のない現存在

君はその不明瞭な地雷地帯の上で悲鳴をあげざるを得ない

それが時代の感覚だ

20世紀以降のメジャーコードだ

誰一人抗えない



                              ただ眺めていた。



  






 



  






 





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                              ただ眺めていた。





  






 



  






 




だれかが見ていた

韻文の中で覗き見していた



おれだった



散文の教授回診は終わろうとしていた

始まりを見ていた

始まりはいつも縁のないの非定型ディスチミア患者だった。




  






 



  






 



その一行の死を見つめていた

俺が入荷されていた

詩ではなかった


レーニンが白色テロでローマ法王を惨殺した

ラブロックのガイア仮説が証明された 

地球は故意に膨張を繰り返し液状化した


俺はただただ待っていた



ゴドーがイマラチオに耽る傍らで。



  






 



  






 

詩のディシプリン

短歌を作っていたら自由詩が書けないピンチに陥った。
自由詩を調律しなおすために書いた。

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich

詩のディシプリン

  • 自由詩
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-02-08

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

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