大人失格

彼女という存在

彼女は月に約3〜4日、会社を休む。
体調不良という名目であるが、たぶん違う。
そんなことは同僚の誰もが承知の上だろうが、特に追及されることもなく、日々は動いている。
彼女は知っている。これを続けていると、評価は上がりもしないが、下がりもしないことを。
それが、自分にとってなんの得もないことを。

大抵の人は、彼女は元々内向的な人なのだろうとか、彼女には何か心を病む何かがあったのだろうとか、そんなことを思うだろう。
しかし、そんなことは特に何もない。
ただ一つ、理由があるとすれば。
彼女は、人が働いている最中にぼーっとしているのが、快感なのだ。

それは、ただの怠惰と言われればそうなのかもしれないが、彼女が仕事が出来ないわけではない。
上司とも、特別仲良いわけではないが、冗談を言い合う程度には仲は良好で、同僚とも、頼り頼られ程度には関係性を築ける。
じゃぁ、何が?
と思うかもしれないが、ホントに理由はないに等しい。
「それ」に生きているような感覚を覚えるのだ。
「それ」が彼女の存在というやつなのだ。
大人として失格なのだ。

他人という存在

彼女は大学時代に悟ったことがある。
他人は私にそれほど興味がないということである。
それは、決して悪い事ではない。
他人に責任などない。
私にも責任などない。
相手を想うことが、っていう人もいるが、そんなことは誰かが提示た一つの「やり方」であって、負うべき責務ではないのだ。
人は自由に生きていい。
社会に従事るのもその人の生き方だ。
社会に属さないのもまたその人のそれだ。
そして彼女は、どちらになりきる事もできないまま、生きている。

彼女が会社を休んでも、誰も責めはしない。
それは、責めるべき責務がないからだ。
彼女の務めている会社は、元々ベンチャー企業と言われる企業で、そもそも明確なルールなんてものはハナから特になかった。
とはいえ、最近では人数も増え、事業も拡大してきており、会社としても成長期にあり、それなりのルールみたいなものは暗黙的にできてきている。
この頃では、朝の遅刻や、休み、帰宅時間などもうるさく言われるようにもなってきた。
そんな中でも誰も彼女を責めないのは、彼女を責めることが自分の地位に関わることではないからだ。
それは優しさともとれる行為でもある。
そんな他人の中で、彼女も最低限ルールと、責任をこなしつつ日々を動かしている。
優しさとは、大人として必要なものか。
大人失格である彼女を責めない他人は大人なのか。

仕事という存在

彼女は仕事を始めて10年目になる。
他の会社に務めたことは無い。
いわゆる新卒入社というやつだ。
それだからだろうか、ルールは自分で作るという傾向は強い。というより、自分のルールでないと仕事ができない。

仕事は人生にも大きく左右する。
彼女はそう考えている。
仕事の考え方は、私生活の考え方にも成りうる。
だから、彼女は仕事のやり方を常に欲している。
仕事の内容云々ではなく、仕事のやり方に拘る。
結論には、ぶっちゃけあまり興味がない。
だからだろうか、達成感というものをあまり感じたことはないのだ。

ただ、彼女自身が不思議に思って自問自答していることがある。
「仕事が嫌いなのか?」ということ。
答えは
「いいえ、どっちかと言うと好きです。」
なのに、仕事には生きてる感覚を得られない。
これに疑問をずっと感じているのだ。
だからと言って、安易に辞めることもできない。
今の生活基準は守っていきたいし、第一辞めてどうする?
そんなどっちつかずの葛藤の中で彼女は仕事を続けているに過ぎない。
大人失格な彼女を大人にするのは本当は仕事なのではないのか?

私生活ということ

大人失格な彼女の私生活。
彼女の中には2種類の私生活がある。
仕事に行ってない時の私生活。
生きていると実感するという仕事に行ってない時の彼女は何をしているのか。
他人からみたら、特に面白くもないだろう。
朝からぼーっとテレビをみて、気が向いたらご飯を食べて。
たまにネットを見て、眠たくなったら寝る。
そんな私生活なのに、生きている実感があるとはどういうことなのか。
社会的には、消えているに等しい。
なのに、彼女の心の中には、他人を欺いているという感覚。
これこそが、彼女を生かしている。
すべては、許されているだけなのに。
滑稽な事実。それが彼女の存在意義だったりするのだ。
彼女はそんな私生活も必要なのだ。

そして、もう一つの私生活。
仕事に行っている時の私生活。休日の私生活。
彼女の好きなものは、お酒である。
あ、ダメな大人の代名詞ですね。
そう、酒豪なのである。
お酒を飲んでいる時は彼女は自由だ。
大人失格な彼女だが、お酒を飲む知り合いは多い。
他人も彼女と飲むのが好きだ。
基本楽しくお酒を飲み、愚痴など言うこともなく、たくさんの量を長い時間飲む。
特にビールが好きで、ビールなら永遠と飲んでいる。
ダメになり、笑い、ホントに大人失格。
お酒の失敗も、それなりに。
そんな時間も彼女を生かしている。
大切なダメな時間なのだ。

彼氏という存在

彼女には何ヶ月か前まで彼氏みたいな存在がいた。
(書きかけ)

結婚ということ

彼女の結婚観は…
(書きかけ)

夢ということ

そんな彼女の夢は…
(書きかけ)

大人という意味

大人とは何だろうか…
(書きかけ)

そして未来ということ

彼女は自分を変えられずにいる…
(書きかけ)

大人失格

大人失格

大人って何だろうか。 彼女は分からないまま生きている。 会社には約10年務めていて、それなりに。 満たされないのはわかっているけど、辞めるのも続けるのもどっちつかず。 そんな彼女の夢は…?

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更新日
登録日
2017-01-31

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  1. 彼女という存在
  2. 他人という存在
  3. 仕事という存在
  4. 私生活ということ
  5. 彼氏という存在
  6. 結婚ということ
  7. 夢ということ
  8. 大人という意味
  9. そして未来ということ