南極1号

南極1号

  







   






   

   







 

ウッ、なんだ、この衝撃的な異臭は!


   







   







   







   






てめえ、どうやら会う前に

焼肉食ってきやがったな・・・・・

食ったら歯をみがけ!

ジョーシキだろーが!


   







   







   







   






たのむ、

耳たぶなんか噛んでくれるな!

顔を舐めるな!

ましてやキスなんざ、いいから!


   







   







   







   






ちょっと顔を離せ、

キムチ+ニンニクの口臭がたまらん!


   







   







   







   






ちゃんと、手コキで、  

擦ってやってるだろうが!


   







   







   







   






ああ、

首筋から焼肉臭、

もっと下からは毎度のイカ臭・・・・・・。


   







   







   







   






「タマってて我慢できないよ~」

っつうから、

出すのを手伝ってやっている。


   







   







   







   






こうやって必死こいてシゴいてる、

睾丸もソフトに揉んでいる、

亀頭の裏スジなぞったり、

尿道口を親指で・・・・以下省略。


   







   






いやあ、ホント、

手馴れたもんだ、

ホメちぎりたいぜ、

なに見て覚えた? この手管!


   







   







   







   






しかしだ、しかし・・・・・・

・・・・・・・ううゥ、さみいィ。


   







   







   







   






そっちが下半身を脱ぐ必要性は認める。

しかし・・・・・
      
なんでこっちも

オッパイ出さにゃならんの?!


   







   







   







   






なぜに!

なぜに!!

オナニー手伝うのに

オッパイ揉まれる必要があるか!!!


   







   







   







   






なぜに!

おまえは

オナニー手伝ってもらいながら

チチまで吸うか!


   







   







   







   






サービスしてもらってんのが

心苦しいからか?

だったらはじめっから

こんなこと頼むなよ、

おい!


   







   







   







   






あーもういーから、

乳首なんざ吸ってくれんでいい。

そういう技巧は今日はいいから。


   







   







   







   






なんかイヤなんだよね。

こういうときに

チチ吸われるのって。

てめえの

ママンになったような

寒気が走るから。


   







   







   







   






あー、

せいぜいよがってくれ、

好きに悶えてくれ、


   







   







   







   






でも

オナニー手伝ってやっとるときに

名前呼ぶのだけは堪忍してくれ!

てめえだけ気持ちいいのが

ムカついてくる!


   







   







   







   






前の生理から28日目。

今日は3日目。

出血大サービスデーの

オナニー補助の大サービス。


   







   







   







   






生理痛はひどい方だ。

ホント、

つらくてイヤになる。

仕事なんか

集中して出来ないことだってある。


   







   







   







   






日頃は やらない

つまらんヘマをしでかして

超ブルー。

帰りの電車で

立ちっぱなしで

更に

超絶ブルー。


   







   







   







   






あんましひどいと

イライラは募り獰猛になってくる。


   







   







   







   






いつだったか、TVでみた南極の映像。

氷山から海に落っこちてくる ペンギンの群れ、

そいつを待ち構えて

流氷の合間を徘徊するアザラシ。


   







   







   







   






そう、

あの牙をむいた南極のアザラシみたいに

猛り狂いたくなる。


   







   







   







   






かわいいペンギンたちを

たちどころに片っ端から襲いかかって

食い尽くし、貪り尽くし、

滅ぼしてやりたくなる。


   







   







   







   






そんな猛り狂った女が

「猛り狂った肉棒」 とかを

「愛撫」 する。

「愛撫」だって? 

こーりゃ、

かーさん、まいったね!、と。


   







   







   







   






あー、早く出してくれい、

手がだるい、腕が疲れた・・・・・・


   







   







   







   






なんだ・・・・・・どうした・・・・・・?

なぜに体をずらす?


   







   







   







   






やっぱせにゃいかんの?

・・・・・・ったく、

一度してやったらクセになる。
      
しょうがない、

いつかコーフンにまかせて

してやってしまった己のサダメ。


   







   







   







   






わかった。

何もかも目をつぶってやりますよ。

好きなんでしょ、これ。


   







   







   







   






ただしなー、断っとくがなー、

イクときはちゃんと知らせろよなー。

顔にかけるのは1万歩譲って許すが、

おまえ、フェラで、

口ん中で出したひにゃ、

おまえのこれは

ペンギンと同じ運命だかんなー!


   







   







   







   






いつだったか飲んだとき、

吐き気が数日よみがえった。

なんで男の「オカズ雑誌」のアマどもは、

こんなの飲んで喜ぶっての?


   







   







   







   






ああ、つくづく恥だ。恥の極みだ。

この頭の上下運動。

滑稽だ。

アホ図だ。

この姿、写真にでも撮られたならば

切腹して果てるしかない。


   







   







   







   






あー、自分で動かすな、

のどチンコにあたるだろうが!

あのなー、頭を掴むな!

髪をかきむしるな!

帰るときまたブローせにゃいかんのは誰だか、

お前、今、分かってるか?


   







   







   







   






たのむ、動かすな!

頭を掴むな!

ついでに名前も

いいかげん呼ぶな!
      
泣きそうに名前呼ぶな!

てめえのママンではない!
      
お願いだ!

後生です!

南極のアザラシにはなりたくない!!


   







   







   







   






この地獄の出血大サービスを乗り越えれば、

ようやく解放される。


   







   







   







   






ゴムを買いに行かなかったおまえ。

ピーマン野郎+マザーファッカーな、
      
お前の全て一切が、

何もかもが、

消失する。

この女の中からゼロになる。


   







   







   







   






そのときを、そのときを・・・・・・

心から待ち望んで・・・・・・

待ち侘びて・・・・・・


   







   







   







   






今は恥を偲んで、

引き受けてやろう。


   







   







   







   






何の因果か

女に生まれてしまった、

この現世。


   







   







   







   






目下、

生理の出血大サービス中のある日、

南極のアザラシみたいに、

獰猛なはずが、

おフェラ大サービスご奉仕しちゃってる、

こんな あたし。


   







   







   







   






ただいま、

南極1号、

実演中です。


   







   







   







   






トホホホ・・・・・・・・・


   







   







   







   






ゲッ!・・・・

イクときは言えと、・・・・・・・

うげっ・・・・・・!!!!


   







   







   







   






・・・・・・・・・・・オエ・・・・・・・・。


   







   






   

   







 

南極1号

女性の目線から手淫とオーラルセックス(フェラチオ)について描いてみた作品。
南極観測基地の第一次越冬隊のために「南極1号」というダッチワイフが作られたという話があるが、実はこれは「都市伝説」の可能性も高く事実かどうか定かではないらしい。

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich

南極1号

  • 自由詩
  • 短編
  • 青年向け
更新日
登録日
2017-01-24

Copyrighted
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