セカンド・ストーリー・オンライン

当然ですが、この物語はフィクションです。
VRMMOを題材にしたゲームものです。

1.プロローグ

 私の名前は黒木揚羽(くりきあげは)(15)、中3女子です。
 受験勉強が大変な6月中旬に私は兄経由でとあるゲームを手に入れました。そのゲームの名は《セカンド・ストーリー・オンライン》というVRMMOゲームです。レベル制でありながら、スキル構成次第で格上のプレイヤーにも勝てる。そんなロマン溢れたこのゲームは、正式サービスが始まってから既に2年が経過しているというのに未だにその人気は衰える事を知らないのです。私の兄の黒木昴流(くろきすばる)(17)は、1年前からこのゲームを始めている。いわば私の先輩な訳である。そんな兄も兄と私の幼馴染である井原美玲(いはらみれい)(18)さん経由で貰ったのが切っ掛けだったのだけど。
 そんな訳で私はワクワクドキドキしながら家に帰ると美玲さんが居た。

「あ、美玲さん、こんにちわ!」

「揚羽ちゃん、久し振りね」

「はい、お久し振りです!」

「早速だけど、やっと手に入れたのね、アレを」

「そうなんです!2年待ってやっとです!」

「楽しみにしていたわ!じゃあ部屋に行って設定をしてしまいましょう!そして一緒に遊びましょう!みんなあっちの世界で待ってるわ!」

「はい!ご指導の方、お願いしますね!!美玲さん」

「うん!あ、そうそう。私は向こうでは”ムゲツ”っていう名前だから、そう呼んでね!」

「はい!」

 そんな感じで約2時間に渡る初期設定を行いました。
 VR専用ギアをパソコンに接続して、ゲームをインストロールし、パスワードやメアドを入力し、最後はVRギアを使った脳波の検出。これに引っ掛からなければ、やってもOK!というサインです。そして私は難なくクリアしました。さてと、美玲さんも先にインしちゃったし私も行きましょう!VRの世界の中に入るための魔法の言葉を唱えてね。

「ダイブイン!!」

 こうして私の第二の人生が始まろうとしていた。

2.アバタークリエイト中…

 さあ!やって来ましたVRの世界!!と、思ったらここ何処ですか!!?まるでパラレルワールドというか、異空間というか、そんな場所に一人佇む私です。そんな時に声が何処からか聞こえました。

――ようこそ、セカンド・ストーリー・オンラインの世界へ。これから貴方のあちらの世界でのアバタークリエイトをしていきます。

 キャラクター作成の事ですね。
 そして目の前に私とよく似た、否、そっくりさんが出てきました。

――そちらをモデルにクリエイトして下さい。

――まずは名前の方を入力してください。

 半透明な画面にローマ字の書かれたキーボードが出た。
 私は”クロハ”と入力し、決定ボタンを押します。
 
(ポーン)

 するとそっくりさんの頭の上に黄色でクロハと出ました。

――続いて種族を決めて下さい。

 出てきた種族は、人間・エルフ・ドワーフ・魔族・獣人の5つでした。 
 私が選んだのは人間です。

――魔力を使用しますか?はい/いいえ

 もちろんはいで。

――ではステータスをご確認下さい。

HP:100/100
MP:10/10
EP:40/40

STR:5 
DEX:5
AGI:5
INT:5
VIT:5
MND:5
APP:5
LUC:5

 凄まじく平均的ステータスだと思います。

――STRからLUCまでに100ポイントを振り分けて下さい。

 これは美玲さんからの忠告で気を付けなければいけない事があると事前に公式ページのキャラ設定の所を読んでいたので助かったかもしれない。

STR:5→10(+5)
DEX:5→10(+5)
AGI:5→55(+50)
INT:5→10(+5)
VIT:5→10(+5)
MND:5→10(+5)
APP:5→20(+15)
LUC:5→10(+5)

 面白味もないけど最初だしいいと思います。
 
――武器を選んで下さい。

 目の前に武器が幾つか出てきました。
 初期装備というやつでしょうね。
 短剣・長剣・刺突剣・大剣・槍・鎌・槌・斧・杖・弓・銃・日本刀・ガントレット・鞭などがありました。
 私はまず武器を一つずつ持って動かしてみる事にしました。
 剣類は刺突剣ならいけます。短剣は軽すぎますし、大剣は重すぎますし、長剣は少しキツイです。
 他の武器は今の私では使いこなせないような武器ばかりでした。
 さて2つに絞った結果、刺突剣にしました。
 レイピアというやつです。三〇士で有名なあの剣です。

――では容姿の方を変更して下さい。

 取り合えず髪型は上品なゆるふわの金髪にしました。長さはお尻辺りまで伸ばします。
 そして瞳は碧眼です。
 金髪碧眼、ファンタジー世界の基本ですね。
 顔はもう少しシャープにしてみます。
 そして一番大事なおっぱいは巨乳ではなく、美乳くらいにしておきます。
 身長は…せめて165くらいは欲しいですね。はい。
 そんなこんなで終えました。
 体重ですか?それは秘密です。

――では最後にクロハ様、貴方の冒険に幸多からん事を。第一エリア・シアの復活広場へ転移致します。

 こうして私の体は光に包まれた。

3.絡まれてスキル習得

 光が天の上から落ちました。
 それが私です。
 あ、こっちでは”クロハ”です。
  
「イタタタ……」

 まさかお尻から落ちるとは思ってなかったので、こんな古典的なリアクションをしてしまいました。
 そしてそんな私を見る周囲の人々。
 え、注目の的ですか?今の私。
 いやいやいやいや…何処に注目を集める要素があるんですかね?もしかしてAPP効果というものでしょうか?確かAGIの次に高くしましたしね。

 取り合えず何時までも地面に尻餅を付けたままでは恰好悪いので立ち上がり、お尻らへんをパンパン払い土を落としておきます。しかし、やはりと言うべきでしょうね。初期装備ってどうしてこんなにダサいんでしょう……。そんな事を思っていると声を掛けられました。

「おい、嬢ちゃん。一人なら俺らのとこに混ざらないか」

 男性の声です。振り向くとやはり男性でした。
 しかも5人です。
 声を掛けてきた人は上の中といったレベルのイケメンでした。 
 鎧装備が中々の様になってますが、少し迫力?威圧?威厳?雰囲気が軽くて残念な気がします。もしかして私と同じくらいか、少し前くらいに始めた人でしょうか?
 そう言えば、美玲さんがパーティーの上限は6人までと聞いてます。
 なるほど、私で6人なのですね?
 でも、どうしましょう。
 私はこの世界では美玲ではなく、ムゲツさん達と楽しむと決めているんですよ。しかし、この人はさっきから物凄く悠長に話していますね。もしかして自分が断られる事なんて思ってもみないんでしょうか?凄い自信です。そんな時、遠くの方から私を呼ぶよく知る声2つ聴こえました。

 あ、ムゲツさんですね。あとのもう一人は兄の声ですね。
 
「それでだね…」

「すみません、知り合いが来たのでもう解放してもらってもいいですか?」

「何を言ってるんだい?君は僕たちとパーティーを組むんだ!」

 少し感情が入りましたね。
 そして乱暴に腕を掴まれそうになったので、ヒョイと回避し股を蹴りました。イケメンは涙目で股間を抑えて、パーティーメンバーも何故か自分の股間を抑えています。そっちに痛みは入ってませんよね…?イケメンだけですよね?

「すみませんけど、無理ですので。それに知り合いがもう到着しますから」

「そんな事はさせない!知り合いだが何だか知らないがな!!おい!お前ら囲め!!」

 そしてあっという間に私は5人の男性に囲まれてしまいます。
 どうしましょう……
 何だか本格的に面倒くさくなってしまいました。
 ヒョイヒョイヒョイヒョイ回避していたら、手練れの人が一人居たみたいで腕を掴まれてしまいます。しかも結構な力ですから無理に離すことも出来ません。

「離してくれませんか?」

 私はゆっくりとそう言います。

「無理だな。アンタ、中々の上玉だしな。ウチのリーダーが気に入ったんだ、無理矢理でもパーティーに入って貰うぜ!!」

 周囲の人々は、こちらを見ながらもまるで見て見ぬ振りを貫いています。何だかファンタジーの世界で現代社会の闇を見た気がするのは気のせいでしょうか……?

「…なして…!離して…!!離してってば……!!もう……〈離しなさい!!〉」

 口から出た言葉が合図となり、私の手を掴んでいた男が何かの衝撃で吹き飛びました。私はイケメン達を睨み付け言いました。

女性(レディ)に対するマナーがなってないですので、貴方達も反省(おしおき)が必要です!〈お座り!!〉」

 イケメン達は、突然ガクッとまるで何者かに操られたかのように、私の目の前でお座りをしました。

「〈次のログアウトまでずっとそうしてなさい!!あの男と一緒にね!〉」

 そして、やっと知り合いが来ました。

「ごめんね。遅くなっちゃって…」

「肝心な所で役に立たねえ兄ですまん…」

「何とかなったので大丈夫ですよ、2人とも!それよりも私、お腹空いてしまいました。何か奢って下さいな」

「そうね。じゃあ先にご飯にしようか!」

「その前にこいつら晒しとかないと、また新規の女性プレイヤーが迷惑行為されるぞ?」

「ならさっき動画取ったから、掲示板で早速晒しておこうか。証人ならここに沢山いる訳だしね?」

 …ムゲツさん、何だか凄く怖いです。
 周囲の人達がビビりまくってます。
 普段優しい人が怒ると怖いを地でいってますね。

「そう言えば、いつの間にスキル取ったんだよ?えーと…」

「クロハです、兄さん」

「俺の事はバルでいいぞ?こっちじゃ生まれが別だしな、どうせ」

 私はそこで初めての単語を聞きました。

「……生まれ?何ですか?それ」

4.ヴァルバリー家の末裔

 私達は現在木製の大きな家にいます。
 約50人くらいは入れるのではないでしょうか?
 え?ここが何処かそろそろ教えろって?
 そうですね。
 ここは、ムゲツさんがリーダーを務めるギルド【月の光(ムーンライト)】のギルドホームです。
 活動内容は、戦闘と生産だそうです。
 と言っても、生産をやっているのはムゲツさんだけですけど。
 しかもギルドの面々を見れば、リアル知人ばかりです。
 これは私にも入れという事でしょうか?
 まあ、その前に生まれです。
 生まれについて教えて貰う為にこの家にやってきたのです。
 私はムゲツさんにメニュー操作を教えて貰い、自分のステータスを初めて見ました。


Name:クロハ・ヴァルバリー

種族:人間LV3 (+2up)

生まれ:ヴァルバリー家の末裔

HP:100/120 (+20up)
MP:10/30 (+20up)
EP:40/60 (+20up)

STR:10 (+0)
DEX:20 (+10)
AGI:75 (+20)
INT:15 (+5)
VIT:10 (+0)
MND:10 (+0)
APP:20 (+10)
LUC:12 (+2)

固有スキル
[言霊LV4]

スキル:SP2
[魔力LV2][魔法才能LV2][刺突剣術LV1][地獄耳LV2][][][][][][]

控え:なし

その他
・初心者ポーション×5 
・マナポーション×3 
・スタミナポーション×3


 簡単なプロフィールは、こんな感じです。
 ありましたね、生まれが。
 えーと、私の生まれはヴァルバリー家ですか。
 一体どういった家系なのでしょうか?
 押すと説明が載っていました。


■ヴァルバリー家■
20年前に全滅した筈の元伯爵貴族。30年前に何者かの罠に嵌り没落した。再興するために頑張っていたが、ヴァルバリー家の人間だけが持つ”とある力”に目を付けられて以来、何者かに狙われるようになり、ずっと隠れながら生きていたが結局一族全員が死亡したかに見えた。しかし、偶々一人だけ生き延びていた少女がいた。それが貴女です。


 何とも言えない説明文です。
 これを見た私にどうしろと言うのでしょう?
 まさか復讐でもしろと?
 嫌です。すみません。例えロールプレイをするにしてもです。復讐はいけません。
 だって私、平和主義者なので。
 
 あ、バルがリビングから良い匂いがした器を運んできてくれました。ポトフでしょうか。キャベツ、ニンジン、ベーコン、ウインナー、ジャガイモ。ポトフですね。
 スプンで掬い一口ごっくん。

「美味しいです」

 そして余程お腹が空いていたのかもしれませんが、私はあっという間に器に入ったポトフを食べ終えました。そして2回3回とおかわりを頂きました。皆さん何故か微笑んでいます。何故でしょうか。そして口直しに食後のデザートであるプリンも頂きました。香ばしいカラメルソースが卵とマッチして最高でした。


 少し休憩……

 
 そして自己紹介です。
 皆さん私とリアル顔馴染みですが、こっちの世界では初めましてなのでそう演技する事にします。

「どうも初めまして。私はクロハ・ヴァルバリーと申します。今日から始めた新人ですが宜しくお願いしますね。」

 こんな感じでいいでしょうか。

「ふふふ。じゃあ改めて自己紹介をしようか。私はこのギルドのリーダーをしているムゲツよ。よろしくね」

「俺はバルだ。因みにサブリーダーをしている。よろしくな」
 
「…私は、ミケ…」

「私はユンフィよ、よろしくね!」

「僕はカシアです。どうも」

「あっしはミントだ!」

「余はユーラシアである」

「……ジンだ…」

 皆さんとても個性のある自己紹介でしたね。
 キャラが立っていてとても分かりやすいです。読者にも優しいですね。しかし崩すと途端に分からなくなりますので出来ればそのキャラのままでいて下さい。お願いします。さてky…自己紹介も終わった所で私は皆さんとフレンド登録しました。この世界での友人が一気に8人も出来ましたよ。リアルでもそんなに居ないのに、変ですね?

 そしてこのままギルドに入ろうと思ってやっぱり辞めました。
 最初ですし、ソロで冒険をしてみたいというのがありますしね。ギルドに入るのはそれからでも遅くはありません。皆さんも納得してくれましたし良い人達ばかりですね。私を無理矢理勧誘してきたあの方達とは大違いです。ギルドの友人リストに登録すると何時でもこのホームに入る事が出来るそうですので私も登録させて貰いました。

 ここで一度、落ちました。

5.ある日の森の中1

 現実に帰ってきた私はベッドから起き上がります。まだ少し慣れないのでゆっくりと動きます。すると美玲さんも帰ってきました。彼女は「分からない事は公式ページなどを見て調べるか、私達に聞くこと」と言って自分の家へ帰宅しました。その後、私はシャワーを浴び、チャーハンを作って食べて後片付けをしたら、公式ページを見てからログインしました。

   ■

 こちらは現在夕方です。
 最初にする事はまずスキル枠を埋めましょう。
 現在スキル枠は10個あり、その内4つが埋まっていますから6つ入れられる事になります。
 この最初からあった10枠に関してはSPのポイントを使わなくてもスキルを取得出来るそうです。
 スキル習得の仕方は、自身の行動によって身に付くのだとか。
 生産や戦闘は分かりますが、魔法はどうやって習得するのでしょうね?
 これに関しては公式にも載っていませんでしたし、もしや掲示板を見ないといけないのでしょうか?
 
「ん~……ん?何でしょうか?これは」

 私は小さな鳥居を見付けてしまいました。
 祀られているのはどんな神様なのでしょう。気になりますね。
 それにこの読めない文字。
 これぞ正にファンタジーの謎要素です。
 私は静かに手を合わせ一人静かに自己紹介をしておきましょう。

 ……何処のどんな神様か存じませんが、初めまして私はクロハ・ヴァルバリーです。何とぞお世話を掛けると思いますが、よろしくお願いします。

 すると私の体が一瞬暖かくなりました。
 頭の中にアナウンスが鳴ります。

 ――土地神から"魔除けの加護"を授かりました。

 静かに目を開けると小さな鳥居は無くなっていました。
 私はその場所に会釈をして離れました。
 暫く歩いていると森の入り口を見付けました。
 なので入ってみる事にします。 
 一言でいうと森ではなく樹海ですね。
 迷ったら終わりです。
 メニューからマップを広げておきましょう。そして上書きダウンロードを小まめにしておくことにします。

「ん?何でしょうか、この桃色の実は?とても美味しそうです」

 私は木に生っている実を食べました。
 甘くてとても美味しいです。でも何でしょう……足が痺れて来ましたよ?その実をもう一度よく見てみます。


桃白痺の実 レア度1 
甘くて美味しいですがきちんと処理をしなければ麻痺の状態異常に掛かります。
 
 
 ……ですよね~。ってもう遅いんですけどね!
 どうせですし、もう一ついただきましょう。そして耐性スキルでも取得しましょう。こんな機会は滅多にありませんからね、ええ。おや、これは赤い実ですか。ムシャムシャ……お、お腹…お腹が……!!座り込み地面に手を置きます。すると何か黄色い小さなまだ熟していないであろう実を掴んでいたので、自棄になって口の中に入れてしまいました。そして私はその場で倒れました。

「…ん……」

 目を覚ますと、私はまだ森の中にいました。
 しかも倒れた場所から一歩も動いていません。
 
「う~ん……!」

 体を起こし、伸びをして、ステータスを見ます。



Name:クロハ・ヴァルバリー

種族:人間LV3

生まれ:ヴァルバリー家の末裔

加護:魔除けの加護/[VIT+50%]

HP:70/120
MP:20/30
EP:43/60

STR:10
DEX:20
AGI:75
INT:15
VIT:50 (+40) [+50%]
MND:30 (+20)
APP:20
LUC:32 (+20)

固有スキル
[言霊LV4]

スキル:SP2
[魔力LV2][魔法才能LV2][刺突剣術LV1][地獄耳LV2][(New!)状態異常耐性LV1][(New!)採取LV1][(New!)植物知識LV1][(New!)かくれんぼLV1][(New!)自然回復LV1][(New!)鉄の胃袋LV1]

控え:なし

その他
・初心者ポーション×5 
・マナポーション×3 
・スタミナポーション×3



 眠っている間にスキル6つも習得してました……。
 しかも10枠埋まってます…確かここからはSPを使って習得をしなくてはいけないはずです。
 まだ魔法も覚えてないのに……トホホ。
 まあいいでしょう。取り合えず私はさっきまで自分が食べていた実をたくさん採取し、イベントリに放り込めます。その後は森の中を探索し、枝・草・茸・花・石などを採取しておきます。すると何かが近づいてくる音が聞こえました。私は剣を抜き構えます。そして飛び出してきたのは白い兎でした。こっちに跳びかかって来たので「〈お座り!〉」と言霊が発動してしまいました。白兎は急に地面に叩き落とされます。そして私は全ての剣術スキルに入っている初期アーツ〈スラッシュ〉をお見舞いしておきました。

「〈スラッシュ〉!」

キュ――!!

 白兎のHPは0になり光の因子となって散りました。
 
「…そう言えば私、初めてモンスターらしいモンスターを倒しましたね……」

 少しの余韻に浸っていると再びラビットが現れました。しかも今度は3羽です。

「いいでしょう、かかって来なさい。相手をしてあげます!」

 少しテンションがハイになった私はこの後、兎を50羽以上狩り続けていたらLV7になりました。そして森深く来たところで、頭の中にアナウンスが鳴りました。


――一定の条件をクリアしましたので、これよりフィールドボスが出現します。速やかに対処をお願い致します。


 と。え?フィールドボス?何ですか、それ?


ドドドドドドドドド……!!!


 私は見ました。
 兎を。
 ただし、5メートルの巨大兎を。


【??????】LV?? 


 色は黒。
 

グギャアアアア――!!!


 咆哮を上げ、口から何か煙が吐き出されました。
 状態異常系の煙っぽいですね。
 私は初期武器であるレイピアを構えます。
 
「さあ、行きますよ!!」

 そして私と巨大黒兎は同時に足を瞬発しました。

セカンド・ストーリー・オンライン

こんな感じで進めます。
これからも宜しくお願いします。

セカンド・ストーリー・オンライン

正式サービス開始から二年経過してもなお、その人気は留まる事をしらないそのゲームの名は《セカンド・ストーリー・オンライン》という。レベル差がありながらも、スキル構成次第で格上プレイヤーに勝てるという、そんなロマン溢れるゲームが話題を呼び、ゲーマーから、普段はゲームなどしない者達の興味まで搔っ攫っていった。そしてやっとの思いで手に入れた中3の少女がダイブインする時、また新たなストーリーが幕を開けようとしていた。

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-01-20

Copyrighted
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  1. 1.プロローグ
  2. 2.アバタークリエイト中…
  3. 3.絡まれてスキル習得
  4. 4.ヴァルバリー家の末裔
  5. 5.ある日の森の中1