僕の孤独を照らしてくれたのは。

僕の孤独を照らしてくれたのは。

欠けたピースは

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始まりは

目が眩む程、キラキラしていて

いつも笑い合っていたね。

あの瞬間の笑顔は
曇りひとつなかったと、

5年経った今でも


それだけはずっと変わらず
信じているよ

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いつしか笑顔は消えて
いつの間にか君を見失ったよ

同じだったんじゃないかな

あんなに守りたくて
宝物みたいに

壊れないように、大切にして大切にして



貴方の笑顔が苦しくなって
一瞬曇る顔つきがもう、見れなくなって

知りたいと願えば願う程
わからなくなって
知ってしまえば壊れてしまう気がして


誰よりも近くにいたのに
誰よりもわからなくなって壊れてく心



あの頃の
貴方の心の中に
私はいましたか.

あの頃の
私の心の中に
貴方はいましたか.


ひび割れてく傷み
いっそのこと壊してしまえばいいと思った
自分の手で

今日も遅い
「おかえり」
目も合わせずただいま
貴方の帰りを待つだけの1日
それが幸せだった、それでよかった


冷めきった料理を電子レンジで温めなおして
料理は温めなおせても
冷えてく心は温めなおせなくて

それでもしがみついていたかった
力尽くでも
あんなに欲しかったモノだったから
やっと手に入れたモノだったから


酒を飲んでは喧嘩
怒り狂い、憎しみに支配され
ほんとに伝えたい気持ちも
寂しさと悲しさでいっぱいな気持ちも
言葉になんてならなくて、言葉になんかならなくて
いつしか自分さえも見失っていった


私には貴方しかなかったのに
貴方には沢山のモノがあった

愛情がいつしか

羨ましさと嫉妬と憎しみと


過ぎていく時間、私だけが動けなくて
一歩も前に進めなくて置き去りな気がした.


なにかが壊れてしまうこと、なにかが終わってしまうこと
なんとなく予感していたよ

壊したのは、私
壊すことを選んだのは、私

リセットしてしまえばいいと思った

動けない傷みより
この煩わしさ、全部壊してしまいたかった


『俺が好きで一緒にいると思ってんなよ。勘違いすんな』



『結局おまえには夢摘を救えないんだよ』



『これ以上嫌いになりたくない。おまえだってそうだろ。出てけよ』


心えぐるような言葉ぶつけて

心に突き刺さったナイフは抜けないまま

傷つけてやりたいと思ったよ
傷ついたぶんと同じくらいは。

もう、意地だった
執着だった

【別れ】私を忘れ他の誰かと幸せになることなんて絶対に許せなかった

私を刻み込んで、一生抜け出せない穴の中に貴方を突き落としてやりたかったよ

同じ穴に堕ちて、同じ傷みを共有することでしかもう
貴方を傍に置いておけない気がした

愛情が猛毒になり貴方を苦しめたね
私も苦しかった、でもそれでよかったんだ

ピリオド.

私達の
積み重ねてきた時間、想いは
終わりを迎えた

別々な道を
別々な暮らしを

独り眠ることがこんなに寂しいと
ただいま、真っ暗な部屋



ぽっかり空いた穴を埋めるように仕事に没頭した
夜でもキラキラしていて、仲間がいて
ドレス着て着飾って
ナンバー1と持ち上げられ機嫌取られ
送迎は必ずオーナー
大金、シャンパン、No.1のバルーン
ニセモノの輝きを手に入れた


毎月のナンバーの焦り、売上げ
圧力、プレッシャー
私の心は壊れていった.



酒に溺れ、デパスの量も増えて
48kgあった体重が41kgまで落ちた


眠ることが出来なくなった.
売上げなきゃ、No.取らなきゃ
私の価値も居場所も生きる意味もなくなる



睡眠時間は毎日2時間
外に出て、マッサージに行くのが唯一眠れる場所になった
身体中が痛かった.



服を買ってネイルしてマツエク行って美容にお金をつぎ込んで、

大好きなRadyで部屋を埋めて
寂しさは紛らわせたよ



大丈夫、大丈夫。幸せだ
私が欲しかったモノだから
私が選んだ道だから
幸せだ。


もう、なにも見えなくなった
記憶のない毎日、吐いて吐いて泣いて暴れて
でも、いつも笑えた
ほんとうの笑顔を失い
いつでも笑えた、なんだか笑えた。

僕の孤独を照らしてくれたのは。

貴方でした.

僕の孤独を照らしてくれたのは。

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-01-20

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