幻と踊る少女の夜。

しゃらりと鳴らす花のポーチ


ハイブリーチ
切り過ぎて
耳たぶも 首すじの黒子も
曝け出した

半端に尖りたがった
子どもにしか見えない

愛されなかったお人形みたいな髪

姿見の前
似合わなくなった白いワンピースを着て
可笑しみを歌いながら
くるくると 踊りました

ぬいぐるみの手拍子を聴いて
アンコールは
vodkaをお供に
お守りにしていた
花柄のポーチ
しゃんしゃらん
振って鳴らしながら


ピンク 黄色 白 水色
甘い色をした 化学物質のせいで
昨日の哀しみが飛んでしまった

寂しさにのたうち回るくらいなら
痛みを歌いながら 泣いていたいのです



少しだけ 飲み過ぎたのです
甘い色した 化学物質と見た夢

幻と踊る少女の夜。

少し毒を含んだメルヘンであればいいなと。
痛いだけの詩にはしたくなかったです。
メンヘラにしたくなかったです。

幻と踊る少女の夜。

孤独でもひとりではない夜 すがりつくでもなく 化学物質を取り過ぎた夜。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-01-19

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