『神サマ』

紅蛇 作

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紅蛇さんによる作品です。

古ぼけた建物に人々が集まる。
暗く、静まり返った建物に。
そして扉の前に立ち、十字架を切り、一礼をして入る。部屋の中では美しい賛美歌が聴こえる。
ここは教会だ。人々が祈り、平和を祈り信じる場所。
私は教会が嫌い。どうして人々は神なんかを創り出したのか分からない。
自分より偉く、恐怖を与える存在が居ないと人間は生きていけない。
そして、神は恐怖以外も人々に与える。
それは、希望。絶望的な世界に希望を与えてくれる。悲しませておいて勝手だね。
戦争が起きた時、人々は戦いに行ってしまった人々の無事を祈る。祈れば、必ず帰って元気な姿を見せてくれるという希望を神は、皆に与える。
酷い存在だ。希望を与えておいて、結局最後は人々を殺して絶望をさせる。
人間は不死身ではなく、いつかは死んでいく。この地球上の生き物全ての定めだ。
でも人々はそれを知っていながらも、「死にたくない」「生きたい」という気持ちがある。自己中心的で、変な生き物。だからこそ、神を創り出してしまった。
身勝手なのは神サマなんかじゃなくて本当は人々なのかな?って私に思わせちゃって。騙されないぞ。だって私は私自身が神サマなんだから。人は自分の中に、自分が思ってる神がいるんだと思うの。例えばいつもは信じないけど必要な時にだけ信じるとか。それで助けてくれる神がいたり。いつも信じてるけど肝心な時に助けてくれない神がいたり。だから自分の神サマを違う人にも押し付けちゃうのは身勝手だと思う。
きっと違う生き物はそんな事してないよね。だから私は教会が嫌いなの。自分の中に勝手に神サマいれば良いのに押し付けるから。教会はそんな所なの。

『神サマ』

『神サマ』

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-12-23

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