点と線

ふわりとした懐かしい気持ち。

飛行機雲

黒いセーラー服がゆらゆら揺れている。
彼女たちは高らかに笑う。帰る少し前の時間。
私はただT字のほうきを床で遊ばせながらぼうっとしている。
窓から外を見ると錆びた螺旋階段が見える。
その向こうには青い空。
飛行機が飛んでいるのが見える。
私は飛行機雲が好きだ。
目的地に向かい真っ直ぐと進んでいる飛行機が通ってきた証をふわりと空に残すから。

涙の跡

保健の先生と話している。
よく分からない感情が私を襲い、涙が流れる。
特に悲しいことがあるわけでもないのに。
ただ飛行機雲を思い出したのだ。

私は涙が流れたあとの頬に残る跡も好きだったりする。
涙が流れた時に残る跡には、
なんとも言えない奥深さがあると思うからだ。
飛行機雲も涙の跡も同じ形は一つもない。
行き先や泣いた理由もすべて違う。
人はたくさんの道筋を知っている。

点と線

いつか気づける点と線。

点と線

女子高生が悩みながらも自分に向き合い、生き方を紡ぎ出してゆくお話です。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 青年向け
更新日
登録日
2016-11-27

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  1. 飛行機雲
  2. 涙の跡