ノア

ノア

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明け方に決まって家の前をトラックが通る。
きっと、4トンぐらいだろう。
築40年の古い長屋の家は、そんなトラックが通るだけで、家がガタガタと揺れる。
(5時か。。。)
また、眠りにつく。。。
その音を心地よく感じながら、
『うちの家、朝からうるさいでしょ。。ごめんねっ』
と、寝ぼけた甘い声で、彼に布団をかけながら言ったのはもう、半年以上も前だ。。。トラックの騒音でさえ幸せに感じる幸せって、今思ってもかなりの幸せ者だった。
....なんで、壊しちゃったんだろう。。
ピピピピピーーー!!
7時だ。
あれから、とにかく、元気にならないと行けないと思って、笑顔向上主義者たちの本を片っ端から読んだけど、何一つ心に響かない。
ただ、朝だけはしっかり起きて規則正しい毎日を送らないと、、、と、、それだけ。。

。。。。

。。。。

にゃぁ。。

8時半だ。。。

結局、三毛猫のセロリが起こしに来るまで起きれない。
憂鬱すぎる一日の始まり。
なんで、こうなったんだろうと、毎日答えなき答えを探してる。

さっきも言ったけど、私の家は、築40年になる長屋。
流行りの古民家っていうやつ。
話のわかる大家さんが、何をしてもいいというので、一階の土間部分を自分で改装し古民家カフェにしている。
だいたい、この歳まで1人で生きてると、大概のことが出来るようになる。
土間部分のコンクリートはそのまま残し、板壁は全体的に白のペンキを塗り、右側1面には深いブルー。
左側にはありとあらゆる本が並べられてある。
3年目になるこの店の玄関には、オープン当時に植えた、プミラの苗木が壁一面に伝うようになり、入口の窓まで覆うようになってきた。
そこから差し込む木漏れ日が流れる月日を優しく照らしてくれてるように感じる。
古民家カフェ『ノア』
ここが、唯一の私の居場所なのだ。
今日も1日が始まる。。。

ノア

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  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-11-19

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