光の影の色

始まりの三話

「暗闇はお好き?」
30代くらいで髪の長い女性は問う。
「嫌いな人なんているのか?」
その問いに答えたのは高校生ぐらいの青年だ。
「いるに決まっているだろ」
そう言いたかったがその言葉が口から流れることは無い。今僕が口を出してはいけない気がした。


夢を見た。とても幻想的でまるでユートピアのような場所だった。僕はそこで花を見つめ、木を眺め、空を仰いだ。空を飛びくなったからか僕の背中から翼が生えた。いつの間にか周りにも翼が生えた人達がいて、その人達は自由に空を飛んでいたが、僕は生えたての翼をうまく使えず飛び立てなかった。すると小さな女の子が「何をしているの?」と純粋な目で聞いてきたので、「空を飛びたいけど飛べないんだよ」と正直に答えた。するとその女の子はうなずき、「まだ時期じゃないんだよ、きっと」そう言って空高く飛んでいってしまった。そうか、まだ時期じゃないのか。僕は納得して、夢から覚めた。
        とても長いがすぐに忘れ去られてしまった夢の話。


 僕は夢がない。小学校や中学校の時はよく夢はなんですか?と聞かれて困ることが多々あった。僕の親友のタマは印税生活を夢見て日々練習しているらしい。タマというのは勿論あだ名で、いつもだらだらしていて猫のようだからタマがあだ名になった。猫が少し可哀想ではあるが仕方がない。ちなみにタマが頑張っている姿は熱いものをふーふーと冷ます時以外見たことない。これもタマになった一因だ。
 ある日、タマはふとこう言った。光に影はあるのだろうか。この問いに答えを求めているのかは知らないが、僕が思う事を言ってみた。ないはずはない。タマはじゃあ光の影は何色なんだろう、と言った。
 黒じゃないのか?タマは青だろ、と言う。なぜか、学校の屋根が青いからだそうだ。やっぱり一回こいつの頭の中を研究した方がいいと思う。
 

変化した日常

 やらなくてもいい事はやらず、やらなくてはいけない事もやろうとしないくせに「平穏な日常」とやらを守るためにのみ積極的に動く。それがタマの日常だ。いや、日常だった。あの日、光の影の色は何だろうかと聞いてきた時から何事にも意欲的になった。タマはやればできる子ならしく、何をやってもある程度こなしてしまうんで高校生2週間で色々な部活動から勧誘を受けていた。自分は中学でも入っていた剣道部だ。あいつは「自分で部活を作りたい」と言っているが、どんな部活なのかは決まっていないそうだ。
 今タマは部活に入っていないはずだが、部活が終わった自分と帰りが一緒になった。

光の影の色

光の影の色

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-11-11

Copyrighted
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