白に巡る帰り道

健やかに一所懸命する。
歩む蟻を見つめては
入れたてのサイダーに
カランと教える氷にはしゃぐ。
白い犬はまだ飼いたいんだろう。



足の付け根を見つめてる。
しゃがむ前に近づいて
声をかけるなら どうしたのって。
何か言うまで 
何か思うまで
一緒に付け根を気にしてく。
サンダルの白のライン,
まだまだ文字は浮かばない。



時々には白い取っ手を気にして
振り返ってちょっと待つ。
そんな時は頭を撫でなきゃいけないんだ。
そうしたら思い出すのは
貰ったはずのストラップが
忘れないよう時間を数えてること,
些細で気になる一つの進行形。



カーテンレースの柔らかさに
少しくすぐったいシャツの肌。
軽いつねられ方と笑んでる。
氷とサイダーはカランとまた鳴っている。
咲いた傍のシロツメクサなら
一所懸命に健やかしている。
帰りの暇(いとま)を健やかしている。



シャツの皺を直してる。
元気一杯がはしゃぐ前に
迎えのバスに乗り込んでる。
隣の子と手を繋いで
一緒に一段上がって行って
ネイビーブルーにネクタイも揺れて。



ワンと一声聴こえた。
嬉しいのが すごく嬉しかった。

白に巡る帰り道

白に巡る帰り道

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-07-03

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