fromキッチン

mute 作

例えば忘れたキーホルダー。
大事な位置を伝えるなら
貴方が使う「右のスペース」だって
もう決まってる。
左を好む貴方に合ってもいる。
だから,
テーブルに必要なのは真ん中。



きっかけは何時でもテーブルクロス。
君から見てコスモスの右下
温かい飲み物に触れたがる
その仕草だって決まってる。
真ん中で透明な水を見ている君だから。
そう,
テーブルに必要なのは右下とそれを彩る地平線。



ティースプーンは可愛いから
いつも左を向いている。
初めての話はそこがスタート。
ちょっとそわそわしてる嬉しい話も
少しだけ下から支えて欲しい悲しい話も。
気付いてる?
左下に必要なのは二人分のテーブルチェア。



腕時計は小さかった。
カジュアルでもぽつんと真上。
目立つ秒針は僕の左手からじゃなく。
万年筆はかく語る。
大事なのは中心なんだと。
料理が苦手な僕だから
一行多めに言わせて欲しい。
テーブルには冷奴とビールの二人分。



真新しい布巾で拭いた朝に
新しくテーブルの地平を見つめても良い。
真正面で照れてみようか
迷う時間は愛しく流れる。
陽射しは入りが浅いから
テーブル上はまだ夜明け前。



起きたばかりの位置づけに
真正面に照れても良い。
テーブルの奥でコスモスは咲いている途中。
始める時間は愛しく過ごす。
陽射しの入りも深くなってきた。
テーブルは朝を知った時間。


例えば忘れたキーホルダー。
やっぱりテーブルには真ん中が必要。

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2012-06-29

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