独りの夜に。

つれづれなる半実話です。オチもまとまりもないです。

 こんなところで何やってるんだろう。
 思わず自嘲めいた笑いが浮かぶ。
 深夜0時をまわった国際空港のラウンジ。
 朝早い便でイギリスへ向かうため、前日からネットカフェも兼ねたラウンジで過ごすことにしたのだ。
 そこで独身三十路女性を主人公にした女性向けの漫画を読んでいて、まるで未来の自分を見ているような気がした。
 今回の旅行だって、イギリスへの一人旅。
 今年で二十三歳になったけど、一緒に行ってくれるような彼氏は生まれてこの方できたことがない。
 どうして彼氏ができないのかと言われれば、おそらく可愛げが足りないのだろう。
 部活の後輩女子に、先輩は仕事ができすぎて人に頼らないのが悪いと言われたことがある。
 別に仕事ができるわけではないのだが、人に頼るのは申し訳ない気がして、結局いつも一人でやってしまうのだ。
 そうこうしていると、好きな人から、めちゃくちゃかっこいいとまで言われてしまった。
 かっこいいって。
 なんだそれ。
 褒められたのは嬉しいけど、多分喜ぶところではない(ついでに後輩男子に対して可愛い可愛い言い続けていたのはこれと似たようなものだと反省した)。
 確実に恋愛対象として見られていない。
 もっと可愛らしい女の子に生まれたかったと何度思ったことだろう。
 しかし生まれついたものはもうどうにもならない。
 どうにもならないけれど、私だってそんなに強いわけではないし、誰かに甘えたい時だってある。優しい彼氏がいてくれたらなって思うことだってあるのだ。
 あーあ、彼氏ほしいなぁ。漫画の中なら、ヒロインには必ずヒーローが現れるのに。
 なんて思いながら、明日のためにしばし仮眠をとることにする。

独りの夜に。

同じような方、いらっしゃいません?(笑)

独りの夜に。

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-09-23

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