その小さな窓からは

その小さな窓からは

いつも小さな空が見えた。


絶えずそこにあった小さな空は

時に蒼く、時に赤く。

時にひどい金切声をあげ泣き叫ぶこともあれば、

時にただただ静かに、きらきら光る希望を見せてくれた。


その小さな窓からは

いつも小さな山が見えた。


絶えずそこにあった小さな山は

時に翠く、時に紅く。

時に激しく体をふるわせ、その怒りをまき散らすこともあれば、

時にただただ凛として、強くあれ、と教えてくれた。


その小さな窓からは

いつも小さな海が見えた。


絶えずそこにあった小さな海は

時に碧く、時に青く。

時にその腕をふりまわし、暴れまわることもあれば、

時にただただ穏やかに、それでよいのだと赦してくれた。


その小さな窓からは

時に小さな人が見えた。


まれに姿を見せるその人は、

時に弱く、時に強く。

時に悲しみにその瞳を曇らせることもあれば、

時に喜びとともに、その瞳は遥か彼方へとむけられていることもあった。


そして時に、ただそこに坐して、その瞬間をただゆっくりと待っていた。

その瞳に、希望と、強さと、赦しをうつしながら。

その小さな窓からは

その小さな窓からは

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-09-13

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