青空の下、君に送る

青空の下

 広く、大きな青空の下。

 君は今、どうしているだろうか。

 ある日突然あの青空に飛び立っていった君のことは、今でも忘れません。


 ねぇ、どうしていますか?

 元気でいますか?

 風を引きましたか?

 君は今、幸せですか?


 帰ってきたら、聞かせてください。
 
 僕はここで、いつまでも待っているから。

 この草原に寝そべって、また話をしよう。
 
 君に話したいことが、沢山ある。

君に送る。

 久しぶり。

 ここに来てくれて良かった。

 草原に、風で撫でられて舞い上がるワンピースを押さえながら、君は笑ったね。

 大学は楽しかった?

 って聞いても、

 早く会いたかった

 と返してくる君。

 僕も会いたかった。

 あぁ、そうだ。

 君が帰ってきたら、渡そうと思っていたものがあるんだ。

 小さな四角い箱を開けると、君は驚いて涙を流した。

 それを受け取って、今度は笑顔で。

 はいっ!

 と答えた。

 何十年後の未来でも、隣にいてくれる君を

 ずっと大切にするよ。

青空の下、君に送る

青空の下、君に送る

青空の下。 あの広く、大きな青空に負けないくらい広い草原で、君を待っています。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-08-30

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  1. 青空の下
  2. 君に送る。