諦泣、翳り

空は透明、わたしは肌色をなくした

貴方の心臓は泥まみれ、だのに綺麗に脈を打つ

わたしが死ねば、あなたが取り残されて
あなたが死ねば、わたしが取り残される

悲劇は美しく、一瞬は永遠となる

愛のない子に恋はなく、眠りのない子に夢はない

すべてが皮肉、
あなたの笑顔のはしっこはこの星の何処かに埋葬される

太陽は息することさえ忘れて
「愛してる」は何を解決してくれるわけでもなく
ただただ生にしがみつくわたしたちを見下して、
そうして静かに涙を溢した

涙は海、
わたしたちが生み出す、たったひとつの、綺麗なしあわせ

諦泣、翳り

諦泣、翳り

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-08-29

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