【天空の孤独、祈りの地平】 長谷部×乱+歌仙 他

ハローハロー、漆黒猫でございます。

アテンション→漆黒猫は刀剣乱舞、未プレイ民。

前作までとは、全く別の本丸、全く別の審神者さん。
と言っても、審神者は2言しか喋りませんが。

どっかに小狐丸とのエロを捻じ込もうと思ったけど、タイミングが無かったからもうへし乱でいいやってなったなんて、言わない。
言わないよ。

捏造設定→特異体質者(亜種)が乱舞。
     でも能力使う場面が皆無なので、設定倒れ乙。

薄暗いモノしか精製できない漆黒猫でございます。

平野と前田の扱いが酷いので、この2人のタグが付けられませぬ。
クラスタ怖い・・・。
刀剣破壊の描写注意。

2人共ね、良い御子たちなのは存知上げておりますとも。
ただ、ピクシブ辞典であんまり『出来た近侍』って表現されてるから、
納得いかない相手に近侍取られてたら、どんだけ捻れるのかなって。
かなって・・・!

乱ちゃんに号を与えたのが、細川勝元だと知ってヒャッホゥイってなりました。
細川忠興のご先祖。細川サーの姫=乱ちゃん。
でも足利にも豊臣にも居た乱ちゃん。もしかして、粟田口サーじゃなくても引く手数多か。

その割に、歌仙さんが全然喋ってないのが心残りでございます。

諸般の事情で表に出て来られなくなった歌仙さんと、
義兄を守りたいあまりに、実の兄弟に非情な仕打ちをしてしまう乱ちゃんと、
歌仙さんの良き友であり、乱ちゃんに無自覚に惚れてる長谷部さんのお話。

スカイブルーとアイスブルーって、瞳の色としては、表裏一体なんじゃないかと思う訳ですよ。
温かい感情が籠もっていればスカイブルー、冷たい感情が乗っていればアイスブルー、という。

イメージとしては、病身の兄王子の代わりに、懸命に小国の舵を取る妹姫と、その妹姫への純愛を押し殺して政治的に支える騎士、みたいな。
その割には、ヤル事ヤッてる騎士ですが。

乱ちゃんが女の子にしか見えない・・・。

【天空の孤独、祈りの地平】 長谷部×乱+歌仙 他


 乱藤四郎は、『粟田口らしく』ない。

 ・・・とは、演練場などでウチの『彼』を見た審神者たち、全員が抱く感想らしい・・・別に1人1人に確かめた訳ではないが、雰囲気や視線が物語っている。

 『粟田口らしさ』。

 兄弟愛。

 一期一振を頂点とした、結束の強さ。

 揃いの軍服を着て顕現するのは、付喪神としての彼らの『そんな』在り様の象徴だろう。


「どうしたの? 平野、前田。」


 だとするならば、確かに『ウチの』乱藤四郎に『粟田口らしさ』は皆無だろう。

 『他所の』乱藤四郎は、兄弟刀を道場で叩きのめしたりはしない。

 こんな冷たい声で語りかけ、凍り付いたアイスブルーの瞳で見下ろしたりは。


「ボクを相手にその体たらくじゃ、人喰い妖怪の相手なんてね。

 すぐにポッキリ、へし折られてしまうよ?」


 冷酷な声音に、嘲笑う色は無い。

 ただひたすらに乾き、無色透明に突き放しているだけだ。

 イヤな、驚きだぜ。

 鶴丸は手出ししかねて、壁際から見守っていた。


 発端は政府の命令だった。

 曰く『政府と本丸を繋ぐ回廊に、青鷺火(あおさぎのひ)という妖怪が出る。往来の妨げになるので、刀剣男士に討伐させて欲しい。』。

 回廊とは、大本営たる政府の結界と、前線基地である本丸の結界を繋ぐ、通り道。管のようなモノだ。大半は通信で事足りるとはいえ、人の往来が必須、という事態も起こり得る。起こるとすればソレは緊急事態以外には有り得なく、そんな時に『回廊』が使い物にならないのは、本丸や審神者の命に関わる。

 この管には、稀にだが、綻びが生じる事もある。

 定期的に整備はされているのだが、今回はその整備が間に合わず、青鷺火の侵入を許してしまった、という訳だ。


「その役を、平野、前田。貴方たちに。」


「主君。

 その妖怪は、カンストもしていない、短刀の僕たち2人だけで倒せるものなのでしょうか?」


「それは・・・。」


「『カンストしてないから』アンタたちなの。わっかんないかなぁ♪」


 言い淀む女審神者。代わりに口を開いたのは、右脇に控えていた乱だった。

 前田が困惑し、平野に至ってはあからさまに顔をしかめている。乱は兄弟刀たちの反応に冷笑で以って対していた。


「政府は命令書の中で、はっきり『平野と前田を使え。』って名指ししてきてるの。

 アンタたち、顕現してどれだけ経ったか覚えてる?

 他の刀剣男士や、他所の本丸の同一個体と比べてご覧よ。レベリングがどんだけ遅いか、自覚ある?

 別に出陣回数が少ない訳でも、特段過保護にされてる訳でもない。なのに、なぁんで未だにレベルが前田15、平野に至っては10足らずかな?

 アンタたち2人、誉取ってレベル上げてく気ナイでしょ?」


「なっ、口が過ぎましょう!!

 いくら兄弟刀といえど、」


「そう、それね。

 見え見えなんだよね~、『粟田口であるコトより、細川勝元の守り刀であるコトを選んだ短刀なんて、兄弟じゃない』。」


「っ、」


「歌仙兼定を兄と呼ぶ『乱藤四郎』なんて、『乱藤四郎』じゃない。

 あんな呪い持ちの特異体質者が固定近侍なんて。

 こんな本丸、顕現したくなかった。

 こんな主君の為に、命を賭してなんて戦えない、」


「乱。」


 審神者の左脇に控えていた長谷部が、静かに窘める。前田と平野を庇うというより、乱の饒舌さに苦笑するような。穏やかな口調だった。

 前田と平野に、改めて向け直す視線は決して冷たくはない。

 温かくもない。


「前田藤四郎、平野藤四郎。

 お前たちの内心は、この本丸に籍を置く者ならば、誰でも知っている事だ。

 正直、不忠だと思う。俺にはとても与し得るものではない。仲間への蔑視が加わっているならば、尚更な。

 だが、それについての諫言は、今は止そう。

 今は政府の命令書の件だ。

 政府は知りたがっているのだ。お前たちのレベル上げ、遅滞しているのは何故なのか。誉を他の者に譲っているだけなのか、それとも『レベルが上がらない個体』なのか。

 出来るがやらんのか、そもそも資質に欠けているのか、資質はあっても強くなる気が、元から無いのか。特異体質は様々な例が報告されているが『どれだけ出陣しても誉を取っても、レベルが上がらない個体』というのは目下、例が無い。

 だが、前例がないだけで、お前たち2人揃って『そういう』特異体質者、という可能性も潜んでいる。」


「僕は特異体質者なんかじゃ、」


「はいアウトー。

 今この瞬間、全ウチの本丸を敵に回しましたー。」


「我が本丸は、主力幹部全員が何がしかの『特異体質者』だからな。」


「汎用型に出来ない事まで出来ちゃうボクらってすごーい。はい拍手ー。」


「要らん。

 政府は我らを異端視するよりも、利用する腹づもりらしい。我らを顕現させて下さった主のお力に、その霊的資質に注目し、大層評価してくれているのだ。

 だが、だからこそ我らは、自分の力の何たるかを知悉し、把握し、制御せねばならん。主が与えて下さった、霊力と血肉を併せ持つこの身。主の誉となれるよう、戦績向上に役立てられるよう、努める責任を帯びている。

 主を政府に、使い捨てにされぬ為にも、な。

 それで、話を戻すが。

 前田、平野。『青鷺火』討伐には、お前たち2人きりで行ってもらう。

 刀装も与えん。

 討伐対象は回廊に居座るだけでなく、既に政府の役人も幾人か、喰っているそうだ。気は荒く、体格も同種に比べると大きいと聞く。

 それでも。刀剣男士としての矜持があるならば、勝てる筈だ。

 苦戦はするかも知れんが。」


「ホントはね、政府はソレを期待してるんだよ。

 命の危険に晒されれば、何がしかの特異体質が現れるかも知れない。隠れてれば、だけど。あるいは折れる恐怖を知れば、帰ってから真面目にレベリングに取り組むかも知れない。

 刀装ナシなのは、アンタたち自身の力が見たいから。

 機会を貰えただけ、ありがたい話じゃない? 戦に勝つ為に呼ばれたのに、勝つ気ないって実際、問題ありまくりでしょ。ボクら刀剣男士は、顕現してるだけで主さんの霊力を消費してる。霊力喰らいの戦果ナシって、ねぇ?

 問答無用で刀解されても、文句言えない立場なんだって。もうちょっと自覚しよっか?」


「乱、口が過ぎる。」


「っ、もし、本当に折れてしまったら・・・?」


「その時は、その時だろう。

 お前たちの器が、それまでだっただけの事だ。本霊に帰って休息を取るがいい。」


「アンタたちみたいな不忠っ子、惜しんでもらえる訳ないじゃない?

 甘えないでよね。

 今は戦時で、ボクらは刀。内番も遠征も、全部その前提あってのコトなんだから。

 戦績の足しになる気が無いなら、とっとと折れな、末座ども。」


「青鷺火を倒してからにして欲しいものだがな。

 敗戦は、主の名誉に関わる。」


「それね。

 同じ刀派の誼で、ボクが尻拭いしてあげるのは、別に構わないんだけど。敗戦の事実自体は変わらないし・・・こんな事で主さんの評価下げられるの、マジ迷惑。

 仕方ないなぁ。

 連係プレーが成立する程度には、なって征(い)ってもらわないとね☆」


 乱の珊瑚の唇が、薄く微笑を纏う。

 うっとりと妖艶で、故にこそ残酷な微笑だ。兄弟刀が死地に向かおうというこの時に、彼は笑ったのだ。兄弟愛が強い事で有名な、粟田口の短刀が。

 平野が戦慄し、前田は俯いてきつく半ズボンの裾を握り締める。

 怯え切った2人の様子に、長谷部はヤレヤレと嘆息した。主命とあらば何でも遂行するのは、『へし切り長谷部』の典型的な個性だ。彼の『亜種』たる所以は、別に在る。『乱藤四郎』の亜種たる所以も、兄弟愛の薄さとは別の所に在るのだが・・・。

 この粟田口の短刀の、必要とあらば兄弟すらも切り捨てる酷薄さを。

 頼もしいと思ってしまう自分の性格を、長谷部は心中でのみ、一期一振に詫びた。


「やり過ぎだ。」


「なら、何で止めなかったの?」


「・・・・・。」


「鶴丸さんだって、思ってたんでしょ?

 一理あるって。2人に突き付けられた任務、政府の難色も、主さんの危惧も、全部必然。前田と平野の自業自得だって。

 粟田口のボクが断言してあげる。短刀、それも一番人数の多い粟田口の甘えは、許しちゃダメだよ。意識は高く持ってもらわないと。

 弱いままでイイ、戦なんて誰かが勝つだろ、程度の認識じゃね。」


 終始、その凍った瞳が溶ける事はなかった。意識不明の重傷で床に転がる・・・転がした兄弟刀たちを、最後まで振り返る事は。

 だから乱は知らない。

 後から出て来た長谷部が、乱の後ろ姿を案じていた事を。


「平野と前田は、手入れ部屋で全快させ次第、『青鷺火』討伐に出す。

 恐らく2人は破壊されるだろう。アレは本来温和な妖物である筈だが、纏う霊力そのものは大きい。ソレが人を喰う程に堕ちては、厄介な討伐になるのは確実。打刀や太刀が居ても、勝てるかどうか微妙な所だ。

 鶴丸国永。

 お前は我らが本丸を、ブラックだと思うか?」


「・・・・・・いや。

 主の本意では無い事も、政府の意向も・・・何となくは判るさ。感情的に、上手く呑み込めないだけだ。

 ただの『刀の付喪神』だった頃は、もう少し『俺たちの扱いなんぞ、主の腹ひとつだろ。』と醒めていられた気がするんだが。『受肉した刀剣男士』になった途端・・・この『感情』ってヤツは、中々どうして手強いな。」


「・・・乱の事を、嫌わないでやって欲しい。」


「長谷部?」


「アイツは、歌仙兼定を守りたいだけなんだ。

 歌仙は乱を守る為に、襲ってきた妖物を斬り、正当防衛の対価として呪われた。木の大妖の呪いは強く、ひと月程で歌仙を呑み込んだよ。

 主の部屋の、中庭にある桜の巨木。アレが刀剣男士・歌仙兼定の・・今の姿だ。」


「っ、主が異様に大切にしている、あの桜か。」


「あぁ。

 意思の疎通は出来るんだ。霊力で繋がった主と、特異体質持ちの乱と、だけならな。乱の能力なら可能、とはいえ・・・移動が出来ん。

 この本丸が滅びれば、実質、歌仙兼定も滅びる。本丸というより、乱が本当に守りたいのは『桜になった歌仙兼定』なんだ。」


「その願いは、乱にとって『粟田口である事』よりも大きいと。」


「アレはな、鶴丸国永。他所と違って、『細川勝元に号を付けてもらった事』に重点を置いてしまった個体なんだ。

 細川勝元に『乱藤四郎』と名付けられたから、乱は付喪神に成り得た。

 歌仙兼定も、細川忠興の佩刀として号を受けた身だ。

 ・・・本当に仲の良い兄弟だったよ。歌仙の方でも、乱をよく可愛がってな。和泉守より余程溺愛していた。

 2人共可愛いモノ、綺麗なモノが好きでな・・・堅苦しい軍服より、華やかな着物の方が似合うからと。よく歌仙が着物を着付けてやっていた。」


「惚れてるのかい、あのコワい女王様に。」


「馬鹿を言うな、鶴丸国永。そんな浮ついた話じゃない。

 俺はただ、・・・。」


 言葉を選ぶ中、ふと長谷部は青空を見上げた。

 夏の青空。雲ひとつない、無限の蒼穹。

 否、ココは、本丸。主の霊力で円球状に結界を張られた中の、有限の蒼穹。

 いつか本物の『無限の蒼穹』を見に行こうと。そう『3人で』話した事があった。


「・・・ただ、いつか乱のあの青い瞳が、な。

 蒼氷(そうひ)の青でなく、昔の・・・天空の青に戻れたらいいと。

 そう思うだけだ。

 今の乱は本丸を、ひいては歌仙を守りたい思いが強過ぎて、頑なになっている。常に気を張っている。戦況がもう少しでも好転すれば、あるいは・・・。

 乱がもっと、楽に呼吸できる世界であってくれたらイイと思う。それだけだ。」


「驚いた。

 世界とはまた大きく出たな。」


「言葉の綾だ。忘れろ。」


 鶴丸に向けた長谷部の背中には、大書きされていた。『歌仙への過剰な思慕も全てひっくるめて、俺は乱を愛しているんだ。』と。

 少なくとも鶴丸の目には、ソレは『愛』に映る。


「妬けるねぇ・・・でも知っているかい、へし切り長谷部。

 天空に雲は必須。潤いが無いと天は干乾びてしまうんだぜ? だがお前の与える雲は、黒雲だ。漠然とそう思うのは、ただの俺の直感かね?」


 鶴丸の独白は、蒼天に吸い込まれて消えていく。

 天空の青は、世界で最も孤独な色だ。


「乱。」


 前田と平野は日の高い内に本丸を出、そして、夕方には戻ってきた。

 玉鋼の破片となって。


「・・・長谷部。」


 夕暮れ時、縁側に座して正面から西日を受ける背中は、どこまでも静謐で。

 部屋に足を踏み入れかねて、立ったまま、凭れた襖から見つめる長谷部に気配を読み取らせない。顔を上げ、筋をピンと伸ばした背中は、印象的なまでに美しかった。

 だが。

 声音に宿る色までは、誤魔化せない。途切れそうな、か細い声だった。

 乱の膝には、袱紗で包まれた『玉鋼の破片』が置かれている。見届け役の政府の役人が届けてきた。


「次はお前が征くそうだな、乱。」


 余計な慰めは、口にしない。

 口にしない事に、長谷部は決めていた。歌仙の身が完全な桜と成り果ててしまった日。乱が主に、近侍代行を願い出た日に。


「うん。粟田口の敗戦は、粟田口が取り戻して来るよ。」


 本丸を守る為なら、手段は選ばない。兄弟刀にいくら嫌われても、責められても。『歌仙兄さん』が居るから大丈夫。

 あの時、止める長谷部に乱はそう言って笑った。

 思えばソレが『天空の青』を見た最後だったかも知れない。


「一期一振が行けば良い。長兄だろう。」


「いち兄には・・・無理だよ。レベルはともかく、精神的に。動揺し過ぎ。

 レア太刀が折れるのは、本丸にとって」


「有るだろう?! 俺がドロップして来た2振目がっ。ずっと刀掛けに安置してるっ! 主に顕現させて頂けばいい、お前を責めない『一期一振』をっ!」


「長谷部・・・。」


 襖を突き飛ばす勢いで乱の傍に寄り、両の膝をついて抱き締める。

 後ろから耳元に、言い聞かせるように言葉を吹き込む。祈るように。懇願のように。


「乱、お前は『細川』だろう?!

 細川に連なる刀として、歌仙を兄と呼ぶ楽しみを知り、歌仙を案じて躍起になって本丸を維持しようとしている。近侍代行という重荷を背負って、感情も封じて、死に物狂いで。

 ソレの何が悪いというんだっ!!

 粟田口である事の楽しみを手放したというなら、粟田口である事の苦しみもまた、手放してイイ筈なんだ。一期一振など気遣うな。

 歌仙なら、どんな理由で和泉守が折れたとしても、お前を責めたりなどしないっ。」


「・・・長谷部・・・。」


「どうしても征くと言い張るのなら、俺も共に征く。

 前田と平野も2人だったんだ、構うものか。」


 紅い唇が、制止の言葉を紡ぐ前に。

 振り返った乱と重ねた長谷部の唇は、渇いて熱を帯びていた。薄い肩口は、軽く押すだけで青畳の上に倒れ込む。

 散らばったストロベリーブロンドの陰影が、艶めいた色で男の劣情を誘う。

 熱に潤んだ青色の瞳が、縋るように長谷部を見上げてくる。

 誰が『男の娘』なものか。至極立派な『大人』ではないか。


「乱・・・歌仙の代わりでもイイ。

 俺にお前を守らせろ。一番傍に置け。俺がお前の、『近侍代行』の一の刀だ。

 異存は認めん。」


「・・・長谷部、は・・・傍に居てくれる?

 ボクを独りにしない?」


「当然だ。一期一振のようにお前を咎めたりしないし、歌仙のように、物理的に離れたりもしない。日々の日常を共にし、お前と共に戦ってやる。」


「ふふふっ、嬉しいな。まるでプロポーズみたい。

 約束ね、長谷部。」


「あぁ。約束だ。」


 折れる時は、共に、同じ戦場で。

 そう囁き交わして微笑んだ唇を、2人は再度重ね、行為は次第に熱を帯びて、身の奥深くまで繋がっていく。

 天空を緋色に染めて、太陽が西に落ちていく。

 夜の闇が広がるのは、これからだ。



               ―FIN―

【天空の孤独、祈りの地平】 長谷部×乱+歌仙 他

【天空の孤独、祈りの地平】 長谷部×乱+歌仙 他

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-08-06

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二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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