【狐の牙を夜に研ぐ】 小狐丸×乱藤四郎←蜻蛉切
ハローハロー、漆黒猫でございます。
アテンション→漆黒猫は刀剣乱舞、未プレイ民。
前作までとは、全く別の本丸、全く別の審神者さん。
と言っても、審神者は出ませんが。
捏造設定→小狐丸が特異体質(満月の晩に小狐丸の小狐丸が暴走。)
不肖漆黒猫、何の気なしに『小狐丸×乱』で検索して、愕然と致しました・・・。
何故っ! 何故このCPが(ほぼ)1件もヒットしないんだっ?!
ラブラブイチャイチャで致してる話が、何故1件も・・・!!
少ないだろうとは思っていたが、何故1件も・・・!!
馬糞少年には手を出せて、何故、男の娘には手を出さんか狐・・・!!
書くしかあるまい・・・自給自足あるのみ・・・!!
無いなら作る、布教する精神が大事。
大前提として、ですよ?
いくら現世で接点が無かろうが、本丸(ひとつ屋根の下)で共同生活してる以上、
接点なんて幾らでもあるんですから。
むしろ「今まで口きいた事ないヤツと仲良くなろうぜぃ♪」と思って構いに行って、
結果的にすっころんだ、っていう展開も、充分アリだと思う訳ですよ。
意味深発言が妖艶な、可愛い系男の娘。
スキンシップ過多で野性味の強い、露出多めの服着た美男。
いいじゃないですか、いいじゃないですか・・・!!
へし薬があるならこぎ乱があったって、いいじゃないですか!!!!!!
後朝の朝に、長髪属性の2人が髪の梳き合いっこをしている所を、漆黒猫は見たい。
激しく見たい。
・・・皆様、こぎ乱に是非、清くない一票を・・・!!
あと、蜻蛉切さんは、三河屋さんポジ似合い過ぎだと思う。
御用聞きに来た御勝手口で「奥さん・・・!!」みたいな。
宗三さんみたいな「囲われ愛人」な気配には動かなさそうだけど、
乱ちゃんみたいな「可愛さの殻を被った隠れ妖艶キャラ」には結構、コロッと転びそう。
パッと見でそそられた庇護欲が、いつまでも長持ちしそうな。
悪い女を理想化し、入れ込む生真面目な武人萌え。
・・・皆様、こぎ乱に是非、清くない一票を・・・!!
←蜻蛉切どこ行った。
【狐の牙を夜に研ぐ】 小狐丸×乱藤四郎←蜻蛉切
「鎮めるのなんて、簡単なんだよ?
ボクを使えばイイ。」
乱が自分から囁いた、その一言が『関係』の始まり。
「むしろ、ボク以外『使っちゃ』ダメ。
ね、小狐丸・・・?」
切ない吐息で重ねられた小さな唇に、小狐丸は何も言わずに吸い付いた。
一部の分霊(わけみたま)の中には、特異体質が発現する者が居る。
イレギュラーというか、所謂『亜種』と呼ばれるアレだ。
戦闘能力には問題ないし、審神者に仇成す種類のソレは報告されていない。故に都市伝説的なノリで黙認されていた。ただでさえ人手不足なのだ、細かい事は言っていられない、というのが実情だろう。
その『特異体質』の一種として、審神者の間で密かに知られているのが・・・、
「っ、・・・ぁっ、・・・お、っき・・・っ、」
「おぬしが育てた『私』だ。ほれ・・堪能しやれ・・・?」
「ぁんっ、う、うごかし、ちゃ、っ・・・!」
満月の夜、三条が太刀の片割れ・小狐丸は色に狂う。
偶に。本当にたまさか、そういう個体が顕現する事がある、らしい。という『都市伝説』だった。
月の霊力が干渉して、かの刀剣が帯びる『野生』・・・『荒魂』な部分を昂ぶらせるらしい。その日には陽が沈んだ途端に『衝動』が抑え切れず、部屋に籠もって耐えるしかないのだと。理性は残っているので誰彼構わず襲うような事は無いが、次に太陽が昇るまで、熱が収まる事もまた、無いのだと。
そういう場合の対処法は、自ずから限られてくる。
自分で慰めるか、主たる審神者が、何がしかの手段を講じてやるか。
あるいは、一夜の相手を仲間内に求めるか、だ。
「こぎ、・・っ、も、イクっ、」
「・・・っっ!!」
乱の白濁を掌で受け止めた小狐丸は、同時に自分の熱をも、少年の滑らかな太腿に、飛沫となる勢いで飛び散らせていた。
2人共、背後から貫く体位が好きだった。達してから力を抜いた後の方が、かえって深く互いの身の内に食い込むのだ。追い打ちのように。未練のように。
乱のナカから、入り切れずに溢れ出た小狐丸の白い体液は、華奢な背筋をうなじに向かって、逆に流れ下っていく。
ドロリとした液体越しに玉の肌を舐め嬲ると、途端に柳の腰つきが跳ね上がった。
脇腹を優しく撫でるフリで、『男』の手がいやらしい手付きで押え付ける。
「やっ、そこぉ、・・・、ダメなの、知っ、知ってるクセ、に、っっ、。
揉んじゃ、だめぇ、ぁ、ぁん、」
「まこと、愛いヤツよの、おぬしは・・・。
そそる啼き声を、もっと聞かせてくれ・・・私の乱・・・私だけの乱。」
耳元で甘く囁かれ、背後から手淫で弄られて、乱は敷き布団を握り締めて喘ぐしかない。
ストロベリーブロンド・・・優しい色とは裏腹の妖艶な情事で乱した長髪に、頬ずりした小狐丸の額からも、艶めいた汗が一筋、流れて落ちた。
この本丸に顕現した小狐丸も、『亜種』の1人。
隠語で『番(つがい)』と呼ぶ『その相手』に選んだのは、粟田口の短刀が一・乱藤四郎だった。
最初、小狐丸は独りで耐えるつもりだったのだ。
致命の毒云々という話でなし、一夜で収まる事も知れている。必ず他者を巻き込まねばならぬ話ではない。
ソレを否とし、自ら彼の寝所に忍んできたのは、乱の方だった。
片想いの相手が、閨事で我慢をしているのは辛い。本能の処理にすら『使い』たくない程、ボクの事は嫌い? 抱きたくない? と。
「・・・っ、・・・っ、・・・、」
「すまぬな、乱・・・月が満つる度に、無理をさせてしまう。」
しどけなく喘ぐ、幼さと妖艶さが同居する躰。
今達したばかりだというのに、小狐丸の本能が熱く疼くのは満月だからだ。
「んっ・・・い、の・・・。
すき、小狐丸・・・大好きだよ?♪」
「・・・・・・・。」
抱き寄せられた逞しい腕の中で、空色の瞳が優しく笑う。
その健気な微笑がいたたまれなく、小狐丸は黙って乱の額に口付けを落とした。
関係が始まった『あの晩』、小狐丸の中に在った乱への感情は『友愛』だった。大事な事は間違いないが、あくまで『仲間意識』であって『恋愛感情』ではない。故にこそ彼は、乱が自分を特別視している事に薄々気付いていて、彼を遠ざけた・・・番の相手に選ばなかったのだ。
あくまで『仲間として』大切にしたかったから。
あの綺麗な少年を、色欲の泥沼に引き摺り込みたくなかったから。
だが乱は『そういう大切さなら、要らない。』と言った。眼中にない子扱いされてるようで、そっちの方が傷付くよ、と。
「小狐丸のココ・・・おっきくなってきたね?」
「そんなに連続で挿れては、おぬしの身がもたぬであろ?」
「へー、き、っ、」
無自覚な色気で誘ってくる乱の、その潤んだ唇を奪い取る。
絡ませ合う舌の激しさに、ギュッと両の目を瞑って一生懸命応えようとする、その表情の一途さときたら。清廉、という単語すら、脳裏によぎる。
キスの最中に偶然、瞳を開け、その一途さを垣間見てしまった時だ。
既に8割方オちていた小狐丸が、はっきりと『乱に惚れている』と自覚したのは。
「みだれ・・・なれば、乱。
舐めて、くれるか?」
「ん、ボクの口で、イカせてあげる♪」
トロンとした空色の瞳に、その瞳が見ているのが自分『だけ』である事に。
小狐丸の背筋をゾクゾクとした恍惚感が駆け巡る。閨事の快楽より何より、その恍惚感が病みつきになる。
股間に埋ずめられた小さな頭を、彩るストロベリーブロンドの長い髪を。色めいた手付きで撫で、手櫛で甘く、くしけずる。
この髪に明朝、誰よりも早く漆の櫛を入れるのだ。
『満月の晩』の翌朝、乱藤四郎は必ず非番となる。
小狐丸の特異体質も、彼の『番』が乱である事も。審神者は全て知っていたし、仲間たちも何とはなしに気付いていた。まぁ、大声で公表するような事でもない。はっきりと知っているのは両者の兄弟刀である、三条と粟田口くらいのものだろうが。
ちなみに一期一振は、『乱が良いのなら・・・。』と既に諦めの境地らしい。
はっきりと知っていて、且つ、諦めの境地に至れていないのは。
蜻蛉切、ただ1人だ。
「乱殿。」
「・・・・・・。」
縁側で日向ぼっこしていた乱は、柱に預けたまま、側頭だけを僅かに上向かせた。
昨夜の情事の『せい』で、喉を傷めたのだろう。黙ったまま微笑むその顔色は白く、気配は薄い。
儚いが、だが、幸せそうな微笑だった。
今の蜻蛉切には、その微笑が何よりもイタい。
「歌仙殿に習って、『練り切り』なる菓子を作ってみました。
試食をお願いしても宜しいか。」
「わぁ・・・綺麗だね♪
ありがとう、蜻蛉切さん。」
掠れた声ながら、穏やかな口調。
澄んだ微笑みに、蜻蛉切も静かな微笑を返して乱の隣に腰を下ろす。
夏の景趣に変えた青空を見上げれば、西の空に僅かな黒雲が見える。じきに雨が降ってくるだろう。季節は選べても天気までは選べないのだ。
自作の練り切りは甘過ぎて、淹れた玉露は苦過ぎた。
片恋相手を独占中。嬉しい状況の筈なのに、蜻蛉切の胸中は切ない。
「美味しいね、蜻蛉切さん。
お菓子作りも上手なんだ?」
「いえ、これは・・・甘みが強過ぎましたな。
加減が上手くいかなかったようで、お口に合わなかったでしょう。申し訳ない。」
「そんな事ないよ、美味しいよ?
お茶の苦さに合わせたんだと思ってたんだけど・・・一緒に飲むと丁度いいよ?
ね、成功ってコトで良くない?」
天使・・・!!
ブワッと、大量に誉れ桜を舞い散らせた蜻蛉切。乱は面食らったようにきょとんとすると、すぐに楽しそうに笑いだした。
口許を押さえて、声を上げて笑う。蜻蛉切もつられて笑う。
だが次の瞬間、蜻蛉切の笑顔が固まった。
「小狐丸にあげる時にも、濃い目のお茶、淹れてあげないとね♪」
「・・・そ、うですね。
彼は今頃、遠征で資材集めに張り切っている頃でしょう。疲れた所に甘味は喜びますよ。過ぎるくらいで程良いのかも知れません。」
「うんっ♪ ボクも最近、鶯丸さんにお茶の淹れ方、習ってるんだ。
小狐丸、喜んでくれるといいんだけど。」
乱は嬉しそうに口許を綻ばせて、空色の瞳で大切そうに、自分の皿にきっちり半分残した練り切りを見る。蜻蛉切が作ったからではない。小狐丸の口に入れるモノだからだ。
袴の上の拳に、つい、力を込めてしまう。
「乱殿、その・・・。」
「ん?♪」
「・・・小狐丸殿は、貴方を・・・しかと、大事にしているのですか?
無用な口出し、僭越とは思いますが・・・。
乱殿が全て受け止めて下さる事に甘えて、小狐丸殿は少々・・・無体が過ぎるように思います。翌日に障る程、消耗させるなど。我らは刀剣男士、戦こそが本分。万が一、今この瞬間に敵が本丸を襲撃して来たらば、乱殿の不利、小狐丸殿は如何に責任を取られるおつもりか。
乱殿も、そのような理由で敵に討たれては、死んでも死に切れますまい。」
「ボク自身は、別に・・・。
それだけ好きなヒトに、必要とされたってコトでしょ? 自分が弱いから討たれるより、かえってマシかも。
あぁ、でもそうすると、小狐丸、きっと自分を責めちゃうね。
そういう意味では、やっぱりイヤかな。」
「・・・・・。」
解っている・・・蜻蛉切の好いた相手は、こういうヒトだ。
一途に『唯一』を慕い続ける。小狐丸を・・・蜻蛉切ではなく。その心が蜻蛉切に向く時は、多分、永遠に来ない。2振目の『ふりだしの乱』ですら、怪しいものだ。
解っていて、蜻蛉切は乱の事を想い切れない。
「誤解があるようだから、解いておこうかな。
小狐丸の『番(つがい)』には、ボクが望んでなったってコト。
そもそも、先に好きになったのはボクだってコト。
更にそもそも、小狐丸の『アレ』は体質だってコト。女の人の生理が重いのが、自分じゃどうにもならないようなモノだよ。小狐丸の制御下にあるコトじゃないんだから。
あとは、えーと、」
「そういう事では、ないのです。
乱殿、私は、」
「・・・・・・。」
「・・・私なら、貴方をもっと大事にして差し上げられる。」
不器用で真摯な武人への返事は、透明な微笑みだった。
乱の空色の瞳は揺らがない。
「ボクが大事にされたいのは、小狐丸。
ソコは、小狐丸が顕現した時から変わらないから。」
「彼は・・・。
綺麗事を並べても結局、小狐丸殿は貴方を『利用』しているだけではないですか。」
「・・・『利用』って言うなら、ボクも同じ。小狐丸に他の誰も寄らせなかったのも、その切羽詰まってる『ボク以外選べない』状態で近付いたのも、ボク自身なんだから。
知ってる?
彼が顕現して最初の満月の夜、一緒に居たのはボクなんだ。
都市伝説で『体質』の事は知ってたから、もしかして、って。ウチに来てくれたこのヒトはどうなのかなって。本当に『そう』だったのは偶然だけど、狐の牙が研がれるのを黙って見てたのは、ボクの『わざと』。
どうしても、小狐丸にボクを『そういう目』で見て欲しかったから。適当に言い包めて、他の連中を彼の部屋から叩き出したの。
ちょっと謀っちゃった☆」
「貴方は、何故そこまで・・・何があったというのです。」
「・・・何でかな。一目惚れって言っちゃえば、それまでなんだけど。」
そこだけは自嘲気味に、しかし何処か陶然とした艶を纏った表情で。俯き加減に呟く乱は、しかしそれ以上説明する気はないようで、ゆっくりと立ち上がった。
束の間、表情に見惚れていた蜻蛉切は、ハッとする。
「ご無理なさいますな、乱殿。
横になっておられた方が、」
「だ~いじょうぶ♪
それに小狐丸は、満月の夜以外も、ボクの事、とっても大事にしてくれるんだよ?」
「・・・・・・・。」
楽しそうな笑顔で言い切られては、それ以上の口説き文句など出て来よう筈もない。
コレは嫉妬だ。武人にあるまじき、黒い感情だ。
それでも、蜻蛉切は乱の後ろ姿から目が離せなかった。
「乱よ、この菓子の作り手は歌仙ではなく、蜻蛉切であろう?」
「♪ よく判ったね、小狐丸。『貰った』としか言ってないのに。」
「味がな。甘過ぎる。
あの男はおぬしの事を、童か何かと勘違いしておるのよ。」
「う~ん・・・理想化してるトコがあるのは、確かかも。
イイ人なんだけどね~♪」
「ならば尚更よな。
善人に、おぬしの相方は務まらぬ。」
「え~? 小狐丸は悪人なの?
乱、コワい♪ 食べられちゃう♪」
「私を堕とした男が、言いよるわ。
望み通りに食ろうてやる。血の一滴まで念入りにな。」
胡坐の膝に抱き上げていた乱の軍服、その上着に左手を差し入れ、真っ白いシャツ越しに胸の飾りを弄り回す。スカートの裾を大胆に捲って生足をさらけ出させると、淫らな熱を帯びた右の掌で、押し包むように撫で回した。
兄弟の兄弟たる証。
粟田口の誇りの象徴。
ソレを己が手で掻き乱すのが、小狐丸は大好きなのだ。
首筋を舐められ、快楽に反らせながら、乱の口許が妖艶な微笑を纏っている。
「っ、こぎつねまる・・・こ、のまま、ぁん・・、着たまま、して・・・?」
「望む所・・ふふっ、一期一振には絶対に見せられぬ姿よな?」
「もぅっ、こういう時にいち兄の名前出すの、禁止っ。」
「ははは、すまぬな。
存分に可愛がってやる故、許せ。乱。」
硬く勃ち上がった小狐丸自身をスカート越しにでも押し当てれば、その質量だけでもう、乱の背筋に電流が走る。
小狐丸の欲を咥え込み、淫らに喘ぎ、狂い咲く乱の姿を。
蜻蛉切が乱に贈った白百合だけが、静かに見つめていた。
―FIN―
【狐の牙を夜に研ぐ】 小狐丸×乱藤四郎←蜻蛉切