くつろぐ俺たちの放課後

前作の続きです。是非お楽しみください。

 美羽さんに客室へ連れていかれた。感想、広すぎて何やっていいか分からない!
「ダイチ、何する?」
「何するって言われても、ここでは何が出来るの?」
「余程のことじゃない限り、なんでもいい」
 と、言われましても、何も思い浮かびません。必死に考えてると、ドアが開いた。
「何もすることがない時は私の出番!」
 イブさんだ。
「とりあえず、このマ○オカート64で対戦じゃ!」
「古!そんなもの、この家にあったんですか!?」
「いや、私が持ってきた。というわけで、早速通信対戦しよう」
「そんなの持ってる人はイブさんぐらいですよ!」
 それにその時代のゲーム機に通信機能なんてあったか?やべ、思わずつっこんじゃった!
「分かった分かった。ダイチ君がそこまで嫌なら」
「嫌なら?」
「本物の銃でシューティング!」
「それだけはダメだ!」
 何なんだ、この人は?警察に追われてるテロリスト?
「ダイチ君、今、私を見て失礼なこと考えてない?」
「め、滅相もございません!決してイブさんは警察に追われてるテロリスト何じゃないかと疑問に思っていません!」
 やべえ!墓穴を掘ったああああああああああああああああああああ!!!
「はいはい、どうせ私は人を異常にからかうしか脳のないクズですよ」
 あ、この人拗ねた!普通に拗ねた!
「ミューさん、これ、どうにかしないとまずいんじゃないかな?」
「ほっといても大丈夫。それより、ゲームやろう」
「いいけど、ゲームなんて何処にあるの?」
 もしかして、美羽さんの部屋に入るわけじゃないよね?
「とりあえず、私の後について来て」
 彼女は無表情でそう言いながら廊下に出た。俺はイブさんの様子を見ようと部屋を見まわしたが、何処にもいない。あの人、やっぱり怖い。そう思いながら美羽さんの後を追った。
 途中でエレキギターを弾くメイド、縄跳びをする執事達、メイドにプロポーズをする執事、さらにはライターでジャグリングをするメイドまでいたけど、俺は恐ろしさのあまり何も美羽さんに訊けなかった。
 そうして俺たちは地獄とも思えた廊下を何とか抜け、一つのドアにたどり着いた。美羽さんがそれを開けると、
「なんじゃこりゃ!?」
 いろんなゲームのソフトが待ってましたとばかりに溢れ出て来た。この家にはどれだけのゲームがあるんだよ!
「この中から好きなのを選んで、それで遊ぼう」
 あの~、美羽さん、よくそんな無表情でいられますね。俺、ざっと見ましたけど、ギャルゲやエロゲなんかも少なからずありましたよ。この家は本当に大丈夫なんですか?
「ここにあるゲームは、全部お父さんの」
 お父さんとんだゲーム廃人じゃないか!
「選ばないんだったら、この遊○王のゲームでもやる?私結構自信あるから」
 意外と男子が好きそうなカードゲームで遊ぶのかよ。もうそれでいいよそれで。
「じゃあ、部屋に戻ろう」
「また変なメイドや執事を見る羽目になるの?」
「大丈夫、別のルートで戻るから」
 そういう問題じゃねえ!別のルートなら別のルートで変なメイドや執事と出会いそうだから嫌だ。
「ダイチ、大丈夫?」
「大丈夫なわけないじゃないですか。俺はあの廊下を通るだけで心が折れそうです」
「じゃあ、私の部屋でやる?すぐそこだから」
「マジで?それ先に言ってよ」
 女子の部屋に入る心の準備はまだ全然できてないけど、この際どうでもいいや。
「じゃあ、失礼します」

 今日は散々な一日だった。まさか美羽さんの部屋が墓場だったとは・・・
「いや、墓場じゃないけどな。ははは・・・」
 美羽さん、ホラーが好きなのかな?だからあんな無表情になったのか?
「もう疲れたし、寝よう」

くつろぐ俺たちの放課後

いよいよ学園祭、みんなが「俺たちの放課後」シリーズを読んでくれるかが心配な涼木直人です。
これまでが若干つながってたので、次からはつながらないようにしたいです。
これかもよろしくお願いします。

くつろぐ俺たちの放課後

美羽さんの家からやっと帰れる?

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-06-16

CC BY-NC-ND
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