ツイカレ〜子持ちの私の短い恋〜

35歳 職業 看護師 五年前に離婚して 北海道の実家に出戻りした子持ちの私。もう恋愛なんてしないと思っていた。

きっかけ

6:30いつもと変わらない朝。ケータイのアラームで起きて化粧しながらお湯を沸かす。保育園に通う6歳の娘を起こすが、彼女は子供のくせに朝が苦手で全く起きない。毎日時間をずらして何回も声をかけやっと起きる。正直私が頑張って起こさなくても、ばぁばがいるから問題はない。五年前に離婚を機に実家に戻ってからはほとんど母が食事の準備をしてくれているし、なんなら保育園への送迎もほとんどお願いしている。私の仕事は看護師だ。朝本来の始業時間より早めに出勤して情報を取らないと自分の1日の業務に支障をきたしてしまうからイヤでも早めに行かないとならない。だから朝は特に時間がない。『ママは働いてお金を稼ぐからいつでも遊んであげられないけど、ママがいない時はばぁばに遊んでもらってね。』この言葉をかなり小さい時から娘には言っていたので、あまりそういうワガママは言わないし超が付くほどのばぁちゃん子になっていた。もう思惑どおりだった。私は働くのが大好きで外にいないとダメなほうだ。働けて都合のいい時に母親していれば家族なかよくやれたし、元々母子家庭だったから家に男もいないしで大きなストレスを抱えることのない生活に特に不満は無かった。
まだ娘は起きない。そのうち母がご飯を作り出したのでリビングに移動する。長い事母一人だった実家は三人が暮らすにはやや、、いや、大分狭く、料理中にキッチンの前の食卓テーブルに座ると邪魔になるのでめざましテレビでもみる事にした。ミーハーなのでエンタメ情報はかかせない。誰が熱愛とか舞台の制作発表の記者会見とかどうでもいいニュースがいくつか流れたあと今日の特集のコーナーに入る。『ULTRA』の文字が画面に表示された。
見た事もないような派手な演出の中世界の有名エレクトロ系DJたちが何万人もの前で観客たちが“上がる”ためだけに選曲された曲をかける。正直打ち込み系の音楽なんて中田ヤスタカくらいしか知らなかったしその時はなんか民度低そうだな、、くらいしか思わなかった。
翌日仕事はやすみだったから、朝から細かい用事を済ませたあといつものようにパソコンからyoutubeでもみることにした。時間の無駄と母からは言われるが、止められないからしょうがない。youtubeのトップ画面が表示される。そういえば昨日のULTRAの事でも調べてみるか。とくに何の気なしにそう思い調べてみた。いろんなDJたちのプレイにエレクトロもなかなか悪くはないよねと思っていたら一人気になる存在が現れた。日本人の若手DJ banvoxだった。年齢非公表だが、明らかに20歳前後くらいの幼くかわいい容姿。それと相反するバキバキのサウンド。あ、きた。わたしコレ好きだ。
元ダンナがレゲエDJしていたこともあり、クラブミュージックは嫌いなわけではなかったけど、banvoxの音楽を聴いた瞬間に脳内に音がめり込んでくるのを感じた。このbanvoxの音楽との出会いが私の生活を変えた。

〜Twitterはじめました〜

banvoxを知ってしまった。そこからはとりあえずiTunesから配信されている作品の購入や唯一出ているCDアルバムのオークションサーチなど、子供が寝ている時間のほとんどをbanvoxの音楽に関することにあてた。それくらい彼の音楽はすごかった。
ハマるととことんまでハマる傾向が強いので、もう生活の一部と言ってもいいくらいハマった。
そんな中、彼が初めて札幌にくるという情報が入った。クラブイベントへの出演。イコールオールナイト。もう仕事のシフトは出ていたが当日が夜勤じゃなければいけそうだ。おそるおそるシフトを見たら、、夜勤じゃない!かなり無理のある時間ではあったが、強行で行った。生のbanvoxは音楽も本人も最高にカッコよかった。数年ぶりのクラブだったけどかなり楽しんで、満足した。Twitterでファンとの交流もしていたのでこの思いを伝えたいと思いその場でTwitterを登録してイベントの感想を伝えた。これが今後、カレとの出会いにつながっていく。

ツイカレ〜子持ちの私の短い恋〜

ツイカレ〜子持ちの私の短い恋〜

35歳 職業 看護師 五年前に離婚して 北海道の実家に出戻りした子持ちの私。もう恋愛なんてしないと思っていた。Twitterを通じて彼と出会った。

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-06-25

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. きっかけ
  2. 〜Twitterはじめました〜