構成文質

人間各個人の主義思想って

当たり前の事ですが

それまでの人生で見知った
色々な情報により構成されていると
思うのです。

最も大きな部分でいえば
その基礎は多くの場合
【信頼している人】に
よってもたらされた部分が
一番大きいのではないでしょうか?

親、教師とかね


またあるいは
人によってだとは思うのですが
【読書】により得た
影響が大きい場合も考えられるのでは
ないでしょうか?

昔、ある本を読んでいて

『読書は知的財産になり、良いものだが
それも一定量まで。
それ以上の読書は【毒】にしかならない』

本の名前さえ
忘れてしまいましたが
その一文だけは
妙に共感し、
今日に至るまで
私の中に残っています。


これも又、他人により構成された
私の思想の一部分なのでしょう。


そう考えると
本とは怖いものです。

【洗脳】というと
大袈裟かもしれませんが

影響力としては
とても大きなものです。


まあ、前置きが長く
グダグダと書いてしまいましたが

結局のところ

今まで読んだ中で一番
面白かった本は
なんだろう?

そう、自問自答しているうちに
上述の様な事を考えてしまった
訳なのでありますよ。

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・・・さて、そうそう

『私は読書家!』

なんて胸を張っていえるほどの
自信はありませんが

それでも私の浅薄な知識で
一冊えらぶなら・・・

モンゴメリの【 赤 毛 の ア ン 】

やはりこの小説でしょう。

人にオススメする、しない。

・・・は関係なく

とにかく好きなのです。

最初に読んだのは
おそらく小学校の3、4年生の頃だったと
思います。

それから今日に至るまで

時折
思い返した様に
何度も読み直しています。

よくいわれる事ですが

その時々の自分(読み手)の立場により

感情移入する登場人物(キャラクター)
変わるのですよね。

ある時は【アン】であり
又、ある時は【マリラ】

少女の頃は
『マリラって少し厳しすぎると思うの、
まるで【フリーザ様】みたい・・!』

そんな【アン】ばりの豊かな想像力に
身を任せ
憤慨していたものでしたが

少しばかり成長して
常識が身に付く頃に読み返すと

『アンって自己中が過ぎるのでは・・?』
アタマ…(´д`|||)…ダイジョーブ?

そんな風にマリラの如く
厳しく注意したくなる訳です。


それでもやっぱり
好きなのですよ
この作品が。

いま、数年振りに手に取り
一気に読んでしまいましたが

やはりとても面白く
そして新たな発見があります。

本当に良く出来ていますね、この作品。

とてもではありませんが
計算で書ける内容のストーリーでは
無いと思います。

大人が読んでも充分過ぎるほど…
相当に面白い部類に入ると思います。

読み終えて気が付いたのですが

今回、私がおそらく感情移入したのは

作者である【モンゴメリ】にです。

モンゴメリは
後に世界的名作になる

この【赤毛のアン】を書き上げ
複数の出版社を回ったそうですが

その時は
どこの出版社でも
相手にもされなかったそうで

この名作の原稿は
モンゴメリの自宅の物置で
数年に渡り、眠っていたそうです。

それを
ある時にモンゴメリがふと読み返し

『やっぱり傑作だと思うの!』

そう考え
そして諦めきれず
もう一度
【出版社回り】に
チャレンジし

紆余曲折を経た結果

陽の目をみた【赤毛のアン】は

今日の世界的ベストセラーに
なったと聞いています。


片田舎の素朴で純真な世界観

ではありますが

綺麗ごとばかりでは
済まされぬ
複雑な人間模様

アンの成長

年老いていくマリラ

これ程【時の流れ】を痛切に感じさせる
作品は他にあまり見掛けません。

書き手のモンゴメリにしても
只の【ハッピーエンド】にするか

それとも

リアルな現実を
描き纏めるか・・

どう考えていたのでしょうね。

今回読み終えて
感じた事も
きっと私の一部と成って
いくのでしょう


━━━また、いつかね・・。━━

その言葉を受け

【 赤毛のアン 】は
また物置小屋の奥へと
しまわれて行くのでした。



あなたの記憶に残る本は何ですか

時間が出来た時にでも
読み直してみると
きっと面白いと思いますよ


では今宵はこれにて

すべてこの世は事もなし

ではでは。

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  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-06-23

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